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ぴあ

左から黒沢清、役所広司。

役所広司は“未知の領域を含むスター”、黒沢清が「CURE」での駄目元オファー回想

ナタリー

18/10/27(土) 17:54

「CURE/キュア」が本日10月27日に、東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで上映され、主演の役所広司、監督の黒沢清がQ&Aに出席した。

本作は、役所が猟奇的な連続殺人事件を捜査する刑事を演じたサスペンススリラー。第31回東京国際映画祭Japan Now部門の特集上映「映画俳優 役所広司」の1本としてスクリーンにかけられた。

黒沢は「理想的には役所広司さんが出てくれたら企画として成立するんだけどなーと思うくらい、当時の役所さんは大ヒット作が続くトップスターでした。こんな内容じゃ無理でしょと感じながらも駄目元でオファーしたら、たまたまスケジュールが空いてたんですかね? 出ていただけることになって。正直びっくりしました」と企画段階を振り返る。その言葉に役所ははにかみながら「すごい監督がいると噂で知っていて、(自分に)声がかかるとは思わなかった。台本を読ませてもらって、ぜひ参加させてくださいと言って始まりました。当時は『伝道師』というタイトルだったんですよね」と本作に参加した経緯を明かした。

続いて、黒沢は「正直に言うと、なんでもいいから役所さんとやりたかったんです」と告白したあと、「売れっ子俳優にもかかわらず、作品の中に出てきた瞬間は何者であるかはっきりわからない。役所さんのように、幅があって未知の領域を含んだスターは今でもほとんどいないと思います」と役所の魅力を説明する。役所は「監督の台本も“未知”でした。これはどういう過程でこうなるんですかねえとよく聞きましたが、監督は『さあどうなんでしょうねえ』と教えてくれないんです」と当時を回想して笑い、黒沢が「うちの近所のロイヤルホストに役所さんが来てくれて、よく話しました」と懐かしむと、役所は「監督の書斎だったんですよね」と返した。

撮影時の話題になると、役所は「『CURE/キュア』は基本的にワンシーンワンカット。長いシーンをやるときはしびれましたね(笑)」と述べ、「撮影が終わるのが早いんですよ。役者はもちろん、スタッフも黒沢組が大好きなんじゃないですか」とジョークを飛ばす。黒沢は「ワンカットの中で(キャラクターが)正気から狂気と変化していくさまを捉えるのは、この映画の中で意識したことです」と本作での試みを語りつつ、「もともと含んでいたものが露呈するというか……。言うは易しですが、演じるのは大変ですよね」と苦笑い。それを受けて役所は「大変ですが、ワンカットの力はすごいですよね」とコメントした。

終盤には、観客からの質問に登壇者が答えるコーナーも。「ホラーは黒沢監督の作品しか出ていませんが、その理由は?」との問いに、役所は「オファーがないですねえ」とあっけらかんと答え、「『CURE/キュア』は、ホラーというよりは怪物映画ですね」と続ける。「回路」などでも役所とタッグを組んだ黒沢は「役所さんのホラーものを僕が独占してるんですね。それはうれしい」とにんまりと笑った。

「映画俳優 役所広司」では本作のほか、「キツツキと雨」「うなぎ」「Shall we ダンス?」「孤狼の血」を上映。第31回東京国際映画祭は11月3日まで開催される。

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