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西島秀俊が語る、『とと姉ちゃん』以来の高畑充希との再会 「すぐ2人のバディ感が出てしまう」

リアルサウンド

19/2/8(金) 6:00

 退職警察官だけが住むシェアハウスを舞台に、ワケありの“おじさま”たちに振り回されながら新米刑事が事件を解決していく1話完結の刑事ドラマ『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)。主演の高畑充希をサポートするのが西島秀俊演じる夏目惣一郎だ。NHKの連続テレビ小説『とと姉ちゃん』での親子役以来の高畑との共演について話を聞いた。

【写真】エプロン姿の西島秀俊

■「『とと姉ちゃん』に続いて、父親的な存在でもあるのかも」

ーーオファーを受けた時はどんなお気持ちでしたか?

西島秀俊(以下、西島):原作を読んだ時にとても面白くて、すごくわくわくしました。充希ちゃんとは『とと姉ちゃん』で一緒だったのが1シーンだけでしたが、僕の役が死んだ後も放送はずっと観てたので(笑)。またご一緒したいと思っていました。

 充希ちゃんは『とと姉ちゃん』の時から、気持ちを大切にしながら演技をする姿が印象的で、それは今回の撮影でも感じます。すぐ2人のバディ感が出てしまうので、監督には「もうちょっと仲悪くなってくれ」と言われました(笑)。よく考えたら、前作では親子の役だったので、どうしてもすぐ「行くぞ!」「はい!」と息が合ってしまうんです。もう少し反目しあう関係でいてくれと、最初の段階でかなり言われていました(笑)。

ーー夏目&ひよりのバディ感はどのように意識されていますか。

西島:ドラマの後半では、ひよりの父親の存在が物語の大きな焦点になっていくんですが、“一人の若い女性刑事を育てていく”という側面もどんどん動いていきます。不思議なものですが、『とと姉ちゃん』に続いて、夏目はどこかひよりの父親的な存在でもあるのかもしれません。

ーー高畑さんからは、撮影現場では西島さんと「いつも2人で何でもない話をグダグダと喋っている」と伺いました。

西島:撮影が結構忙しいのですが、「反省会するぞ」と誘って、何人かでよく食事をしています。「反省会」とは名ばかりのご飯を食べるだけで、別に反省はしないですが(笑)。おいおい近藤(正臣)さんや角野(卓造)さん、小日向(文世)さん、野口(五郎)さんを巻き込んでいきたいです。

■「非常に中間管理職的な感じ」

ーー大先輩方の演技はいかがですか。

西島:皆さんが心に沁みる演技をされていて、その場にいてくださるだけで素晴らしいなと感じます。実際にお話を聞くと、常に信念を強く持ってやってこられているのが伝わります。色々と質問していて、俳優キャリアや出演作についても話を聞くのですが、全部きちんと理由があって「自分はこう信じているからこういう選択をしている」と皆さんおっしゃる。状況や環境に流されない矜持や意思を強く持ってこれたからこそ皆さん第一線で活躍しているし、光り輝いているんだなと思いました。

ーー西島さんから先輩へ質問することは多いんですか?

西島:そうですね。演技だけでなく、レモンサワーがおいしい店や「おいなりさんがおにぎりだったら、こんなおかずがいいよね」という話もしますし、健康の話も(笑)。皆さん、殊更に自分の演技について説明することもされないので、色んなことを話しているうちに、自然にこちらが感じてしまいますね。それが時にはレモンサワーの話だったり、皆さんが生きていることをそのまま話してくださります。

ーー作品のなかでは「メゾン・ド・ポリス」内で最年少メンバーとして雑用係をこなされていますね。

西島:充希ちゃんたち若い世代がいて、ベテランの皆さんがいて、僕がちょうど中途半端な年齢ですよね。若い方からすると「おじさん側でしょ」となるし、先輩たちからすると「いやお前若手だから」という感じなので、非常に中間管理職的な感じです。

■「エプロンの役や料理をする役がだんだん増えて」

ーー今回の役はとても個性的ですが、役作りはどのように?

西島:ひよりは、嘘をついたりつかれることが嫌いなキャラクターです。正義を信じていて、正直であることが正しいことと信じている人。一方で、僕のキャラクターは、事件解決のためならどんな嘘をついたっていい、犯人逮捕することが正義であるという考え方です。だから情報を聞き出すためならものすごく良い人になったりとんでもなく怖い人になったり、結果のためなら手段は選ばないから、ひよりとぶつかっていきます。主人公の対立する軸として、自分のキャラクターを作っています。

ーーなるほど。夏目のエプロン姿も話題になっていますね。

西島:最近エプロンの役や料理をする役がだんだん増えていて、実生活でもエプロンをして、料理をしたりしています。演じている時は違和感ないんですけど、写真の撮影とかになるとどうやって映っていいのか分からなくて(笑)。横に充希ちゃんがスーツを着て立ってて僕がエプロンでいると、どうしていいのか(笑)。自分だけ家の格好のまま出てきてしまっている感じがして、ちょっと不思議な気持ちでいます(笑)。

ーー西島さんと言えば刑事役のイメージが強いですが、今回の刑事役は今までと比べると違う部分があると思います。

西島:僕は刑事の役を演じていても日常のシーンが全然なくて、よく監督と「休日とかも撮りたいですよね。1人で冷蔵庫開けて『なんにもねぇな』みたいなのがあるといいですよね」と言っていました。今回は「メゾン・ド・ポリス」内でのシーンがあるから、捜査している時と日常の時間が描かれるので、夢が叶いました。どんなに怖い顔で捜査をしていても、家に帰ったら料理をしたりしている。今回の夏目はまったく料理ができなくて皆にからかわれたりするので、人格が豹変するほど捜査に長けている人間が、実生活ではすごく不器用なところも演じることができて、すごく楽しんでやらせてもらってます。

ーー刑事ドラマとして『メゾン・ド・ポリス』の魅力は?

西島:「正義」と「悪」が相反するわけではない、実際の世界の複雑さが描かれていて、事件モノとしても楽しんでいただけると思います。どんでん返しがあって面白い展開が毎回続くので、ぜひそこも注目していただきたいです。

■「辛さを楽しむような状況」

ーー本作の現場では、若手とベテランの間に挟まれる中間管理職とのことですが、これからのご自身の役者としてのポジションはどのように感じていますか。

西島:昨年に引き続き、今年も新しい挑戦をさせていただけるので、毎回いい意味でのプレッシャーを感じながらやっています。しばらくはこの辛さを楽しむような状況が続いていくのかなと思います。

ーーこんなにご活躍されている今でも、“新しい挑戦”という感覚があるんですね。

西島:本当にありがたいですけど、まったく異なるイメージの役だったり、テーマが大きかったり深い作品のオファーもあるので、一本一本丁寧に深く深く考えてやっていきたいと考えています。

ーー特に挑戦してきたいものはありますか?

西島:現実の社会と密接に関係した作品が増えている傾向があるなと感じていて、そういう作品に出演することは、非常に責任の伴うことだし、自分自身も現実について改めて正面から考えるきっかけになります。フィクションの度合いが高いがゆえに楽しんでもらえるような作品と、どこか現実を反映した作品、分ける必要はないですが、様々な作品に携わって、自分の中で背負えるようになっていければいいなと思います。

(大和田茉椰)