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ぴあ

小松未可子×田淵智也(Q-MHz)特別対談 “ポップスシンガー”としての充実を支えるチームワーク

リアルサウンド

18/7/2(月) 19:00

 小松未可子が、7月11日にアルバム『Personal Terminal』を発売する。同作は1年2カ月ぶりのリリースとなるアルバムで、アニメ『ボールルームへようこそ』のエンディング曲「Maybe the next waltz」、「Swing heart direction」のシングル2曲のほか、ジャズやスカなどの要素を取り入れた全12曲を収録。充実した音楽活動を経て作り上げられた“アーティスト・小松未可子”の新境地的な作品に仕上がっている。

 また同作は、畑 亜貴、田代智一、黒須克彦、田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)からなるQ-MHzのプロデュースによる2作目のアルバム。リアルサウンドでは今回、小松未可子と田淵智也の対談が実現した。同作の制作エピソードはもちろん、田淵から見た小松の歌手・作詞家としての魅力や、音楽的なサポートのみならず、“小松未可子がアーティストとして一番かっこよく見える形を提案して作りだす”というQ-MHzの仕事ぶりなどにまで話が及んだ。(編集部)【インタビュー最後にプレゼント情報あり】

「田淵さんはエネルギー源そのものみたいな感じ」(小松)

ーーせっかくの対談なので、まずはQ-MHzが小松さんのプロデュースを手がけた経緯から伺わせてください。

田淵:Q-MHzがチームとしてデビューした作品(『Q-MHz』)のボーカリストとして、小松さんに参加してもらったのがきっかけです。そこから彼女が<トイズファクトリー>に所属になると聞いたので、「じゃあ引き続き僕らにやらせてください」と手を挙げたんです。

ーーその時には田淵さんの目に「歌手・小松未可子」はどう見えていたんでしょうか。

田淵:小松さんの楽曲は1stミニアルバム『cosmic EXPO』の時から聴いていて「声がしっかり立っていて、強い人だな」と思っていましたし、「歌い上げる」というよりは「歌を表現するために絶妙な声を自分で使い分けている」という印象が強かったかもしれません。

ーー逆に小松さんは、田淵さんという音楽家にどういうイメージを持っていたんですか?

小松:もちろんUNISON SQUARE GARDENは知っていたんですが、田淵さん自身がどんな方かはまったく想像ができませんでした。

田淵:名前で検索しても、怖い写真ばっかり出てくるから(笑)。

小松:あははは(笑)。初めてお会いしたときは、「エネルギーや探究心がとても高い方だな」と思いました。エネルギーが出ているというよりは、エネルギー源そのものみたいな感じでしょうか(笑)。

ーー面白い喩えですね(笑)。Q-MHzは小松さんの音楽活動を『Imagine day, Imagine life!』以降“全面プロデュース”していますが、その中でも田淵さんは具体的にはどういった形で制作に関わっているのでしょう?

田淵:どういう曲が合うのか、という提案から、実際にどうやって作っていくのか、どういう人と一緒にやったら面白いかと、小松さんがアーティストとして一番かっこよく見える形を提案して作りだす、一番初めの言い出しっぺみたいな役割ですね。それがどんどん楽しくなってきちゃって、ライブの演出やプロモーションにも「こうしたい」と対レーベル含めて提案するようにもなりました。

ーー音楽だけではなく、それ以外の部分も含めてプロデュースしていると。

田淵:でも、もちろんそれは僕一人ではなく、Q-MHzという信頼関係のあるチームで音楽を作っていることが大きいです。アルバムを作るにしても、全曲4人で統一感のあるものが狙って作れるのは明らかに強みだし、必ず作る前にメンバーへ参考曲を提示して意見をもらっているので楽曲のイメージも共有できているし、そのうえで「この曲ができたから、次に作る曲はこうしよう」みたいな形で1曲ずつ作ってるんです。他の曲とのバランスはどうか、というのもコントロールできていて、まさにプロデュースチームという感じですね。

ーー一つのチームによる大きなバックアップがあるというのは、小松さんにとっても安心感がありますか?

小松:そうですね。さっき田淵さんがおっしゃった「曲ごとに演じ分けること」は、実は自分の悩みでもありました。曲ごとに自分のキャラクターが変わっていって、それが両極端だったりすると「どこが自分の中心軸なんだろう」とわからなくなったりして。なので、前作のアルバム『Blooming Maps』で“小松未可子像”とも言える大きな軸を作れたことで、とても安心できました。あの作品が軸になったからこそ、安心してそこから派生した別の表現にもチャレンジできましたし、今作の制作過程で「自分はこうだったのか」という新しい発見もありました。

ーー個人的に、Q-MHzが関わるようになって以降の小松さんは“ポップスシンガー”としての印象が強くなっていて。特に小松さんの透き通ったロングトーンって、良い意味でストレートに気持ちよく聴こえるんですけど、その良さが最大限に引き出されているというか。

田淵:僕らが最初にやったのは、歌のキャラクターに統一感を出すことで、それはつまり“とにかく癖をなくしていく作業”だったんですよ。声優さんの歌う音楽って、「強気な私を見てください」という曲をやったあとに、「次はしっとりした私を聴いてもらう」みたいなパターンもよくあると思っているんですけど、小松さんは「小松未可子です」という一言で説明できるくらい、音楽的な統一感を持たせたいと思える人だったので、企画書にも「ポップスを軸にしたい」と書きました。

ーー小松さん自身、歌に統一感を持たせたことはどう作用したと思いますか?

小松:「この曲はこういうふうにするほうが歌いやすい」のように演技に頼っていた面がなくなったため、とても難しく感じました。「何も道具を使わずにご飯を食べてください」と言われたような気分でした(笑)。

ーー難しさがよく伝わってきます(笑)。田淵さんはそこまで苦労する作業を強いてでも、ポップスを歌うことで小松さんが輝くと確信していたと。

田淵:僕がロック畑にいるからだと思うんですけど、ロックって一番危険なジャンルだと考えていて。他ジャンルの人がロックをやろうとしたときに“なんちゃって”になってしまいがちじゃないですか。なので、自分が提供する曲も「ロック調で」というオファーをもらっても、歌い手の身の丈と合致しないところがあれば、どこかしらにポップな逃げ道を作って提案することが多くて。そんななかで小松さんの声は正統派なポップスをやっても、身の丈に合っていてダサくならないと感じたんです。以降は、そこからはみ出さないようにジャズやモータウンにトライさせてみたら、想像以上に良かったりもして。

ーー「ジャズ」というキーワードが出てきたので聞きたいんですが、「Catch me if you JAZZ」をはじめ、ジャズから派生した楽曲が多くなったのも、Q-MHzプロデュースになって以降の特徴ですよね。とはいえ、本格的なジャズというよりはポップスとジャズを掛け合わせたような、聴き心地の良い音楽に仕上がっていて。

田淵:まさに! 1stアルバムの「Infinity Sky」みたいな曲が良いなと思っていて、一番最初に作った「short hair EGOIST」ではスカに挑戦したんですよ。そこから「Catch me if you JAZZ」で、さらにポップスっぽいジャズができたことで、かなり手応えは感じました。この曲に関しては、伊藤翼くんの功績も大きかったと思います。あの曲がうまくいったからこそ、「Maybe the next waltz」を翼くんにお願いしたし、今回のアルバムに収録した「Romantic noise」も、ジャズを基調にしつつビッグバンドっぽいこともやりたい、と思って彼にお任せしました。

小松:確かに、最近はジャズっぽい曲が多くなってきましたね。自分の中で「ジャズってなんだ?」という疑問はあったのですが、歌っていくうちに「これもジャズなんだ!」と気づかせていただくことも多くなってきています。ちなみに「Romantic noise」は「Maybe the next waltz」の前身となった楽曲なんですよ。

ーーえ、そうなんですか?

田淵:「Maybe the next waltz」の第一稿デモには「Romantic noise」のBメロが入ってたんです。

小松:だから、私の中では裏「Maybe the next waltz」みたいなイメージが強いんです(笑)。

田淵:この曲も、ポップスを軸にジャズ的なコード進行や編成にする、というチョイスに味を占めていた頃の曲のひとつですから(笑)。

小松:私、ボサノバ調の曲も好きなんです。アルバムには収録されていませんが、「Piña colada & Caipirinha」にもちょっとそういう要素はありましたよね。

田淵:あれも編曲は翼くんだね。

小松:うわー! やられたー!(笑)。

「関わるみんなが楽しいと思えるようなプロジェクトにしたい」(田淵)

ーー田淵さんは先ほど「1曲を作ってから次の1曲を考える」と話していましたが、今回のアルバムに関してはシングル曲から派生して作っていった、という形なのでしょうか。

田淵:いえ、「Maybe the next waltz」の頃からアルバム作りは始まっていて、1年くらいの年月が掛かっているんですよ。余裕を持って作らせてくれるというのは、このチームの良いところで。「3カ月で12曲を作ってください」というリミットがあったとすると、ジャッジはどんどん甘くなっていってしまう。これ、アニソン業界や音楽業界の良くないところだと思うんですよ。余裕を持って作れば良いものになるなら、絶対そうしたほうがいいじゃないですか。それは自分のバンドでも強く意識している点なんです。

ーー田淵さんのなかでは、余裕を持って曲作りに入ることがバンドと作家業の両方において重要なんですね。

田淵:締め切りが嫌いなので、先立って自分の中で曲を作るようにしていて。だからバンドは1年半後ぐらいの作品のことを逆算しながら考えていくし、できてから色んな人に聴かせるまで、何度もその曲をブラッシュアップしていくんです。時間を掛けてデモを何十回も聴くと、自信のあるところとないところが明確になるし、考える時間を設ければ設けるほど絶対自信のあるものがアウトプットできるという経験則があるから、Q-MHzでプロデュースする際も、アルバムの制作は1年前から始めると決めていました。

ーーそのうえでアルバムを形作るキーになった曲とは?

田淵:「Happy taleはランチの後で」、「SPICE MISSION」、「Romantic noise」の3曲ですね。まずはポップかつ小松さんに合うものを作っていって、あとから落ち着いた曲を作ろうとは思っていました。奇しくもその3曲って、ブラスが入ってる曲なんですよね。

ーー前回はfhánaや広川恵一(MONACA)さんなど、チームメンバー以外の作家さんに色んなテイストの曲をお願いしていましたが、今作では「カオティック・ラッシュ・ナイト」にTom-H@ckさんが参加しています。

田淵:僕、音楽制作をやる時に「関わるみんなが楽しいって思ってもらえるようなプロジェクトにしたい」と常日頃から考えていて。アルバム制作タイミングの近くでTomくんと知り合う機会があって、「Q-MHzの現場、楽しかった!」って言ってもらえそうな人だなと感じたんです。そこから「カオティック・ラッシュ・ナイト」を作っていくなかで、小松さんから「こんな感じの曲をやりたい」というリクエストがあったんですけど、僕の作った曲が思った以上にポップでピンときてなかったみたいで(笑)。そこから整えていったんですけれど、ワンコーラスができた段階でかなり複雑なコード進行の曲になっていたので、事務所がかつて同じだったやしきんやebaくんから「何でもできる人です」と言われていたTomくんの存在を思い出して、彼に作編曲をお願いしたんです。

ーー小松さんからのリクエストはどんなものだったんですか?

小松:そのとき自分が興味を持っていた曲を挙げて「こういうのをやってみたいんです」と田淵さんに渡しました。

田淵:ちょっとアニソンっぽさもありつつ、結構アレンジが変な曲だったので、面白そうと思ってトライしたんですよ。

小松:私も、Q-MHzさんがこういう楽曲を作るイメージはなかったので、一体どうなるんだろう? と思いながらお願いしたんです。

ーー歌詞は小松さんとQ-MHzの共作なんですよね。

小松:はい。最初のワンコーラスは私が書いて、それを引き継ぐ形でQ-MHzのみなさんに書いていただきました。最初は私とQ-MHzさんでリレー形式で作詞をしたいと思っていたんですけど、今回は私の歌詞を田淵さんに引き継いでいただき、最終的に畑さんが調整してくださいました。

ーー作詞家・田淵智也から見て小松さんの書く歌詞はどうですか?

田淵:テーマ設定がすごくはっきりしているというか。多分テーマから書いているんだろうなと思いました。僕はとりあえず書き出すタイプなので、アプローチ的には真逆ですね。最初に小松さんから第一稿が来たとき、「こういうストーリーにしたいんです」という文章も添えられていて、それがちゃんと明確にテーマを設定したものだったんです。なので、僕の役目はストーリーを破綻させないようにすることだなと思って書き進めました。

小松:「この言葉を入れたい」というよりは、ストーリーから作るタイプなんです。頭の中で最後にこうなると想像していても、それを歌詞のなかにどうしても落とし込めないこともあるので、今回はその点をかなり補ってもらいました。

ーー小松さんからの提案で作っていった曲は他にもあるんですか。

小松:「Pains」がそうです。私からは「アコースティックギターを使った曲」とお願いしました。こんなに切なくて良いバラードを作っていただけて……。

ーーそれを踏まえてアルバムの収録曲をみると、Q-MHzがポップな楽曲を作っていったあとで、小松さんが違う要素を加えて自分の色にしていったのかな、と思ったのですが。

田淵:たしかに、バランスやアルバムの流れを考えて意見をくれているんだなと思いました。嬉しいですね。

小松:そういえば、畑さんが先日「アルバムの中で1曲は泣きたい」っておっしゃっていたのを思い出しました。前作は「流れ星じゃないから」がそのポジションにいましたが、今回は「Pains」がそうなのかもしれません。

田淵:畑さんは“作詞ディレクション担当大臣”として、「アルバム全曲のバランスはこうだ」「いま、こういう系の曲がない」ということを定期的に共有してくれていますね。

「私、自分のエンディング曲は決まっているんです」(小松)

ーー「Pains」と次の「M/MASTER」は、雰囲気の切り替わりが面白いです。この曲では小松さんがマリンバを担当していますね。

小松:難易度も上がっています(笑)。前作収録曲の「my dress code」では同じフレーズを、オクターブを変えながら繰り返し弾くだけでしたが、今回は単音が多くなったぶん、細やかな動きになっています。私は譜面を読むのが苦手なので、「暗譜するほうがが早いな」と思って全部弾いて覚えてからレコーディングに臨みました。

田淵:この曲めちゃくちゃ難しいと思うんですけど、仕事の合間を縫って一生懸命練習していて、本番は見事に弾いてましたよ。

小松:Q-MHzの皆さんも普段持たない楽器を演奏しています。

田淵:田代さんから「みんなで楽器を演奏する曲がいいんじゃないか」と提案があって、こうなったんですよ。

ーーかと思えば「海辺で逢いましょう」のようなクラブジャズテイストもあったりする今作は、「洗練された・おしゃれな自然体」というワードがピッタリな気がしてきました。

田淵:『Imagine day, Imagine life!』から『Blooming Maps』にかけては、「とにかく強い大人の女性」というのを一本の軸にしてきたんですが、このアルバムを作ってる時に、畑さんが作詞の方向性を決めるにあたって「小松さんはどこに向かいたいんだ」という話を聞きたいと言って、話し合う機会を設けたんです。そのときに、まったく悪い意味でも後ろ向きなことでもなく、「音楽にすがりつきたいというわけではない」という言葉が小松さんの口から出てきたんです。そのあと色々話を聞いてたら、「自分が自然でやれる限りは、音楽をやっているのがすごく楽しい」ということだったみたいで。

ーー強い女性像を求めているわけではなかった。

田淵:そう、「強い大人の女性」にそこまでこだわらなくてもいいんだと思ったし、その言葉を聞けたからこそ「M/MASTER」や「SPICE MISSION」のような曲をどんどん提案できるようになったんです。それは前のアルバムと違う、かなり大きな変化だと個人的には思っていて。例えば、「武道館でやりたい」とか「オリコンで1位を取りたい」という目標があれば、それに合わせた提案の仕方もあったけど、小松さんが一人の人間としてここから生きていくために、ちゃんと自然体で歌を歌い続けるというスタンスがわかったから、一気にプロデュースがしやすくなりました。

ーー田淵さんとしてもQ-MHzとしても、肩肘を張らなくてよくなった。

田淵:もちろん、今までが肩肘張りすぎてたということではなく、2年一緒にやってきて「こういうのも小松さんのパーソナルな要素だよね」とわかったからこそ提案できるようになったのも大きいです。「SPICE MISSION」のような曲は、下手したらキャラソンみたいな感じになりがちなんですけど、歌い方がブレていなければそうならないんだと気づけたのも新たな発見でした。

ーー改めて小松さんにも、この発言について聞きたいです。

小松:そうですね……業を背負って歌うのは違う、といいますか(笑)。「世界を救う」や「この命尽きるまで守る」みたいなエネルギーは、私にはないと思ったんです。ある日、ふと「みんな、ライブには何をしにきてるんだろう」と考えたことがあって。それはもちろん人それぞれで、ショーを楽しみにきた人もいれば、純粋に曲だけを聴きたい人も、コールアンドレスポンスをすることで空間を作ってくれる人もいます。振り返って、私はなぜライブに行きたいと思うかというと、「その人を知りたいから」なんです。生き方は歌い方に出るような気がしていて、それがフィットすれば、同じ空間にいるだけでものすごく楽しくなれるのではないかなと思ったんです。

ーー抽象的ではありますけど、なんとなくわかったような気がします。その考え方があることで、自分のなかでも大きな表現の支えになっているんですよね?

小松:そうなんです。単純にその人の音楽が好きなだけならライブには行かなくてもよいはずなんですけれど、そこを越えたい瞬間の原動力になるのは「その人を知りたい」という感情だと私は思うんです。自分の好奇心に従って、非日常な空間へ命の危険がないスリルを味わいにいくといいますか。

ーーなるほど。そういう意味では、今回のアルバムに収録されている「Maybe the next waltz」や「Swing heart direction」といったアニメタイアップの楽曲も“非日常”の分量は少しだけになっていて、タイミングが良かったというか、作品にも恵まれた部分はあるかもしれませんね。作品によるとは思うのですが、今後のシングル曲においても小松さんの“自然体”を感じることは多くなっていきそうですか?

小松:「Maybe the next waltz」って、アニソンとしては珍しい曲調だけれども、スタンダードなポップスでもない、という自分のなかでも新境地を開拓したナンバーでした。ですが、私が歌ってみたいと思うニュアンスにとても近い曲なんです。こういう楽曲は作品の制約があってこそ生まれるものだと思いますし、そんな嬉しい誤算のような出会いには、今後も巡り合っていきたいですね。

田淵:やっぱりアニソンって作品のためにあるものですし、発注してくれた人に失礼があったらその時点で失格だと思うんですよ。ただ、我々Q-MHzはちゃんと作品のことも意識して作った上で、アーティストのファンに対してもブレていないように見せることができるから、彼女が歌って遜色のないもの、ライブでやっても浮かないものに意地でも仕上げるんです。

ーーお話を聞く限り、しばらくはこの路線のうえで色んなジャンルとの接点を作って手札を増やしていく、という感じでしょうか。

田淵:そうですね。ただ、今の時点ではとにかく、一人でも多くの人に小松未可子の音楽を見つけてもらう段階だと思っていて。僕たちが作っているものは、色んな人に好きになってもらえるという自負こそあるんですけど、結果が出なかったり、小松さんに嫌われてまで意地を張ってやるものでもないので。正直、今後どういうことをやっていきたいという前に、「次ができるかどうかもわからない」という不安が先行していますから。

小松:私もそのとおりだと思いますし、だからこそ毎回のライブや作品は「やり切って後悔がないようにやりきる」という課題を自分に課しています。

ーー無責任なことを言いますが、側から見ている限りでは、そこまで悲観するフェーズではないように思えるんですが。むしろ音楽的には今後も充実する予感しかしません。

田淵:ありがとうございます。もし色んな人に気づいてもらえたとするならば、次は「貫禄を出すフェーズ」に行って欲しいですね。声優という本業があるから求めすぎてもいけないんですが、ステージに立って音楽をやることに圧倒的な価値が出るアーティストとして、「小松未可子のライブは1年に1回は絶対行かないとな」と思われる存在になってほしいというか。2年間このプロジェクトに関して真剣に色んなことを考えてきた自負もあるから、ほかにもまだまだやりたいことは沢山ありますよ。

小松:私、自分のエンディング曲は決まっているんです。ずいぶん前に作って大事にとってあるんですけれど、それをQ-MHzさんに提出するときが最後だと思っていて。

田淵:それ、初めて聞きました。自分で作った曲ってこと?

小松:はい。パソコンが壊れてなければデータは残っているはず……。でも、それはまだ提出したくないし、音楽でやりたいことがある限りはまだまだ歌い続けたいです。

田淵:そう思って楽しんでくれているうちは、もっと一緒にやっていきたいですね。スパルタ根性で尻を叩いてまでやるような勇気は僕にはないし、やるつもりも全然ないので。小松さんが楽しんでいるという前提の中で、自分も楽しめるものを作っていくのが幸せな時間なので、今はこのまま熱量がもっと渦を巻いて上昇していくよう、期待したいです。

 

(取材・文=中村拓海/写真=伊藤惇)

小松未可子「Restart signal」short ver. from New Album “Personal Terminal”

■リリース情報
『Personal Terminal』
7月11日(水)発売

完全生産限定盤【CD+BD+Photobook】¥5,500+税

<収録曲>
01. Restart signal
作詞・作曲・編曲:Q-MHz
ストリングスアレンジ:斎藤真也
Guitar:新井弘毅/Drums:SHiN/Strings Programming:斎藤真也/Bass & All Other Instruments:黒須克彦

02. Jump Jump Halation!
作詞・作曲・編曲:Q-MHz

Guitar:堀崎 翔/Drums:鈴木浩之/Bass & All Other Instruments:黒須克彦

03. SPICE MISSION
作詞・作曲・編曲:Q-MHz
ブラスアレンジ:井上泰久(RightTracks Inc.)
Keyboards:神佐澄人/Bass:二家本亮介/Drums:鈴木浩之/Trumpet:小澤篤士/Trombone:須 賀裕之/Alto Sax:竹上良成

04. Maybe the next waltz ※TVアニメ「ボールルームへようこそ」エンディングテーマ 作詞・作曲:Q-MHz
編曲:Q-MHz, 伊藤 翼
Guitar:菰口雄矢/Bass:二家本亮介/Drum:SHiN/Violin:室屋光一郎, 徳永友美/Viola:安保恵 麻/Cello:奥泉貴圭/All Other Instruments:伊藤 翼

05. 海辺で逢いましょう
作詞・作曲・編曲:Q-MHz
Marimba:小松未可子
Guitar:佐々木秀尚/Bass:二家本亮介/Drums:鈴木浩之/All Other Instruments:黒須克彦

06. カオティック・ラッシュ・ナイト
作詞:小松未可子, Q-MHz
作曲:Q-MHz
編曲:Q-MHz, Tom-H@ck
Bass:田淵智也/Drums:SHiN/Guitar & All Other Instruments:Tom-H@ck

07. Happy taleはランチの後で
作詞・作曲:Q-MHz
編曲:Q-MHz, 清水哲平
Bass:田淵智也/Drums:鈴木浩之/Trumpet:小澤篤士/Trombone:須賀裕之/Alto Sax:竹上良成/Guitar & All Other Instruments:清水哲平

08. Pains
作詞・作曲・編曲:Q-MHz
Guitar:清水哲平/Keyboards:今井 準/Drums:SHiN/Bass & All Other Instruments:黒須克彦

09. M/MASTER
作詞・作曲・編曲:Q-MHz
Marimba & Drums:小松未可子/Piano:黒須克彦/Glocken & Melodica:田淵智也/Soprano & Alto Recorder:畑 亜貴/Bass & All Other Instruments:田代智一

10. おねがいフューチャー
作詞・作曲・編曲:Q-MHz
Guitar:新井弘毅/Bass:田淵智也/Drums:鈴木浩之/All Other Instruments:黒須克彦

11. Swing heart direction ※TVアニメ「ボールルームへようこそ」エンディングテーマ 作詞・作曲:Q-MHz
編曲:Q-MHz, 末光 篤
Guitar:新井弘毅/Bass:田淵智也/Drums:城戸紘志/Piano:末光 篤/All Other Instruments:黒須克彦

12. Romantic noise
作詞・作曲:Q-MHz
編曲:Q-MHz, 伊藤翼
Guitar:新井弘毅/Bass:二家本亮介/Drums:鈴木浩之/Trumpet:小澤篤士/Trombone:須賀裕之/Tenor & Alt Sax/竹上良成

<完全生産限定盤付属Blu-ray Disc収録内容>
■小松未可子 TOUR 2017 “Blooming Maps” @ LIQUIDROOM 2017.08.12
・また、はじまりの地図
・Imagine day, Imagine life!
・流れ星じゃないから
・Catch me if you JAZZ
・HEARTRAIL
・my dress code
・Lonely Battle Mode

■Music Video
・Maybe the next waltz
・Swing heart direction
・Restart signal

■小松未可子×Q-MHz ドライブ&BBQの旅
■小松未可子×Q-MHz「M/MASTER」レコーディングMV

<特典内容>
・スペシャル写真集(52ページ)
・トールケース型三方背ボックス
・ハイレゾ音源フリーダウンロードコード封入
・アルバム全音源+全特典映像のプレイパスコード封入

通常盤【CD】¥3,000+税

<収録曲>
01. Restart signal
02. Jump Jump Halation!
03. SPICE MISSION
04. Maybe the next waltz ※TVアニメ「ボールルームへようこそ」エンディングテーマ
05. 海辺で逢いましょう
06. カオティック・ラッシュ・ナイト
07. Happy taleはランチの後で
08. Pains
09. M/MASTER
10. おねがいフューチャー
11. Swing heart direction ※TVアニメ「ボールルームへようこそ」エンディングテーマ
12. Romantic noise

<通常盤初回生産分特典内容>
・ハイレゾ音源フリーダウンロードコード封入
・アルバム全音源+ライブ映像(完全生産限定盤BDに収録のライブ映像と同じもの)プレイパスコード封入

■ツアー情報
『小松未可子TOUR 2018 “Personal Terminal”』
9月8日(土)大阪府 BIGCAT OPEN16:15/START17:00
9月16日(日)東京都 TSUTAYA O-EAST OPEN16:00/START17:00
9月24日(月・振休)宮城県 仙台darwin OPEN16:30/START17:00
9月29日(土)愛知県 Electric Lady Land OPEN16:30/START17:00
9月30日(日)静岡県 Live House浜松窓枠 OPEN16:30/START17:00

料金¥6,480(税込・入場時1ドリンク代別途要、未就学児入場不可)
チケット一般発売:8月4日(土)※先行URLはオフィシャルサイトにて

小松未可子オフィシャルサイト PCスマホ
小松未可子|TOY’S FACTORY

チェキプレゼント

小松未可子のサイン入りチェキを2名様にプレゼント。応募要項は以下のとおり。

応募方法

リアルサウンドの公式Twitterをフォロー&本記事ツイートをRTしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。当選者の方には、リアルサウンドTwitterアカウントよりDMをお送りさせていただきます。

※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。

リアルサウンド 公式Twitter

<応募締切>
7月16日(月)まで

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