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ぴあ

予想を上回る出来栄えの『今日から俺は!!』 福田雄一の真骨頂はテレビドラマでこそ発揮される?

リアルサウンド

18/10/15(月) 6:00

 『銀魂』がシリーズ2作続けて大ヒットを飛ばし、この夏には初のラブストーリー作品『50回目のファーストキス』を手掛けるなど、ここのところ映画界で快進撃をつづけている演出家・福田雄一。そんな彼の喜劇作家としての真骨頂は、やはりテレビドラマでこそ発揮されるといってもいいだろう。

参考:賀来賢人、渾身の変顔たち【写真】

 “福田組”常連俳優たちの個性だけで突っ走る演技や、妙に長めの間を取って笑いを生み出したり、繰り返される小ネタに典型的でわかりやすい演出。わざわざチケットを予約して決められた時間に決められた座席に座り続ける映画よりも、何気なしに観られるテレビドラマという媒体との相性は抜群であるといえよう。

 もっとも、福田の名前を全国区にのしあげた『勇者ヨシヒコ』シリーズ(テレビ東京系)といい、昨年の『スーパーサラリーマン左江内氏』(日本テレビ系)のような、前提からしてぶっ飛んでいる作品よりも、80年代にこの世界に実在していた“ツッパリ”たちの姿をコミカルに活写する今回の『今日から俺は!!』こそ、いかに福田演出・福田ワールドがぶっ飛んでいるかが容易に判断できるのではなかろうか。

 過去には映画化やVシネマ、アニメ化もされたツッパリ漫画の王道を、あえて現代でテレビドラマとして蘇らせた本作。各登場人物のビジュアルはもとより、学校や町の中のちょっとした風景まで徹底的に80年代の姿が生きつづけているから世界観の復元に妥協がない。序盤からいかにもな床屋が登場し、近年の福田作品の顔になりつつある小栗旬がゲスト出演。もうこれだけで『銀魂2』のコメディパートを思い出してしまうのだけれど、小栗の代表作『クローズ』を連想させる台詞の登場に、またしてもナンセンスギャグの応酬に期待が高まってしまう。

 10月14日に放送された第1話では、同じ日に私立軟葉高校に転校してきた三橋(賀来賢人)と伊藤(伊藤健太郎)の2人が、初日からクラスのツッパリに絡まれてしまう。しかし、意図せずに10人ものツッパリを打ちのめした2人は、相棒としてコンビを組むことに。そして瞬く間にその噂は近所の高校まで届き、成蘭女子高校に通うスケ番の京子(橋本環奈)から、彼女に絡んでくる男たちを追い払ってほしいという依頼を受けることになるのだ。

 「喧嘩はどんな卑怯な手を使っても勝ちゃいいんだよ」という三橋の言葉に象徴されるように、近年のヤンキー作品にありがちなエネルギー消費の激しい喧嘩シーンとは異なる、効率重視の喧嘩シーンはとても痛快。そういった意味では、現代的な若者像と本作の主人公・三橋のモットーに通じる部分があると感じ、こうしてドラマ化された意味が何となく理解できる。今期のドラマの中でも期待値の高い作品だったといえども、予想を上回る出来栄えにはただただ驚くばかりだ。(久保田和馬)

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