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『十二人の死にたい子どもたち』好スタート ヒットの秘訣はタイトルのインパクトにあり!?

リアルサウンド

19/1/31(木) 17:00

 先週末の動員ランキングは、『マスカレード・ホテル』が土日2日間で動員35万1000人、興収4億7800万円をあげて2週連続で1位に。幅広い観客層を集めてウィークデイも好調を維持し、早くも動員150万人、興収20億円を突破。東宝の実写作品としては『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』以来となる興収50億円超えも視野に入ってきた。

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 初登場で2位となったのは、土日2日間で動員20万7000人、興収2億6800万円をあげた『十二人の死にたい子どもたち』。公開から3日間の累計では、動員26万人、興収3億4000万円。ティーン層のグループ客や10~20代のカップル客を中心に集客して、このところ不調続きだった堤幸彦監督作品としても久々のヒット作となりそうだ。

 『十二人の死にたい子どもたち』の順調な滑り出しは二つのことを示唆している。一つは、若い観客がここ10年近く次から次へと量産されてきた恋愛もののティーンムービーにすっかり飽きていて、より刺激的なテーマの作品を求めているということ。もう一つは、これまで大手プロダクションの力学が働いてキャスティング主導のスター映画として製作されることが多かった若年層向けの実写映画だが、現在の観客のマジョリティのニーズはそれとは別のところにあるのではないかということ。

 杉咲花、新田真剣佑、北村匠海、高杉真宙をはじめとする『十二人の死にたい子どもたち』のメインキャストも、その多くは大手プロダクションに所属する若手の人気俳優ではあるが、誰か一人が作品の看板を背負うのではなく、あくまでもメインキャストの一人としての役割を分担していて、その中心にあるのは「作品」だ。そこには、出演者にとってもリスクが少ないという、若手俳優(とそのプロダクション)にとって見過ごせないメリットもある。

 配給のワーナーが早くも「興収20億円も視野に」という景気のいいコメントを出している『十二人の死にたい子どもたち』。その念頭には若年層向けの実写サスペンス映画として昨年秋に公開された東宝配給の『スマホを落としただけなのに』(最終興収19.4億円)があるのかもしれないが、『スマホを落としただけなのに』は口コミとソーシャルメディアによってその評判が広がり、公開2週目以降から驚異的に粘りを見せた作品。今のところ『十二人の死にたい子どもたち』にそこまでの兆候は見られないが、一つ興味深い共通点がある。

 『スマホを落としただけなのに』、『十二人の死にたい子どもたち』、ともに原作小説があって、タイトルもその小説のタイトルがそのままつけられただけなのだが、いずれもタイトルが作品の設定や内容を明確に表しているということ。このあたり、人の目を引くタイトルをつけるセンスが、映画業界よりも出版業界の方が優れていることの証左なのかもしれない(インパクトという点では『君の膵臓をたべたい』のような成功例も記憶に新しい)。今後はそれらの成功例を意識して、実写日本映画において原作のあるなしに関わらず、感覚に訴えるタイトルではなく、より説明的かつインパクト重視のタイトルのつけられた作品が増えていきそうな予感がする。(宇野維正)

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