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TWICE、Red Velvetらもカバー 「Baby Shark(サメの家族)」世界的ヒットの背景

リアルサウンド

19/1/24(木) 8:00

 2019年1月12日付の「Billboard Hot 100」チャートに、ある韓国の楽曲が32位にランクインして一部で話題になった。「Baby Shark(原題:상어가족=サメの家族)」だ。教育アプリなどを制作する韓国の企業・スマートスタディの幼児向けコンテンツ「ピンクフォン」の動画の1つとして、YouTubeにアップロードされた楽曲である(ピンクフォンは昨年11月「ピンキッツ」というブランド名で日本にも進出した)。

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 韓国では2016年1月にYouTubeで動画公開されて以降、可愛い歌声と中毒性のある繰り返しのメロディ、子供向けにも関わらず無慈悲な歌詞で大人の間でも爆発的な人気を記録し、2016年の「韓国内で最も視聴されたYouTube動画」となった。2017年の大統領選挙の際は、それぞれの候補を歌の中のサメに例えた替え歌動画も登場。済州(チェジュ)航空ではピンクフォンと提携して「サメ家族」の航空機が運行した。この流行にのって、Red Velvet、TWICE、BLACKPINK、GOT7など多くの人気K-POPアイドルがコンサートやバラエティ、ライブ動画などでこぞってカバー。韓国でもバイラルヒットになった曲ではあるが、その後海外まで飛び火したのはやはり多くのK-POPアイドルがカバーしたことがきっかけの一つであるようだ。日本でも2018年の初頭にTikTokで動画コンテストが開催され、インドネシアでは「#BabySharkChallenge」というハッシュタグが生まれた。そういった「ダンスチャレンジ」もインターネット上での世界的流行を広げた要因のひとつとなった。

 本格的に欧米圏にまで流行が拡大したのは2018年の8月頃。英国ではビルボードより先にUKチャートの32位にランクインしており、人気オーディション番組『X-Factor』の決勝戦でもサメダンスが披露された。ピンクフォンは国内でのヒットの後、10カ国語以上のバージョンをリリースしており、オリジナルの韓国語バージョンの動画再生数が7千万回台であるのに対し、英語バージョンのダンス動画の再生数は22億回。韓国からリリースした楽曲としては「江南(カンナム)スタイル」の32億回に次ぐヒットだ。年末に発表された『Youtube Rewind 2018』にランクインした影響もあってか、2019年1月現在で同ダンス動画の視聴割合が最も高い国はアメリカとなっている。結果的に同曲がYouTubeでの照会数も反映されるビルボードにランクインしたのは、2019年1月に入ってからのことだった。アメリカでは『エレンの部屋』『ザ・レイト・レイトショー with ジェームズ・コーデン』などの人気トーク番組でも扱われた。

 実は、「サメの家族」という楽曲自体はピンクフォンのオリジナル曲ではない。欧米の「nursery rhymes」と呼ばれる伝承童謡(口頭で伝わってきた子供のための曲)の1つである「Baby Shark」が原曲だ。日本の「かごめかごめ」などと同様に明確な作曲者は存在しない曲のため、メロディ自体に著作権はない。大元はドイツの童謡で、アメリカでは昔からボーイスカウトやガールスカウトなどでよく歌われてきたようだ。実際YouTubeを検索してみてもピンクフォンのバージョン以前の動画も確認できる(ちなみにピンクフォンは同時期にイギリスの伝承童謡である「マザーグース」の動画も多くリリースしている)。YouTubeのコメント欄でも「子供の頃よくきいた」「懐かしい」という英語のコメントは多く見られ、ビルボードでのランクインについてアメリカのトーク番組『ジミー・キンメル・ライブ』で言及された際も「昔からおなじみの曲がなぜ急にランクインしたのか」について「実はこの動画を作ったのは韓国の企業」と説明されていた。以前からオリジナルの楽曲が知られているアメリカでは、どこの国で作られたバージョンかは知らずに動画を見聞きして踊っている層も多くいるようである。

 「サメの家族」は、最初は子供向け教育動画の1コンテンツとして作られたものが、国内のヒットからアイドルやウェブ動画を経由して海外に広がり、原曲の国でも流行するに至った、という珍しいバイラルヒットの例と言えるかもしれない。(DJ泡沫)

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