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サイプレス上野が語る、仲間と作ったシーンとこれからに向かう姿勢「気持ちは青春時代のそのまま」

リアルサウンド

18/12/11(火) 18:00

 いつまでも青春時代を謳歌していたいけれど、そういうわけにもいかない……そんなピーターパン症候群の大人たちに贈るエモさ全開の作品、サイプレス上野とロベルト吉野のメジャー初フルアルバム『ドリーム銀座』。新曲にはDJ PMX、MurderFaktry、Yasterise、STUTS、mabanua、BASI(韻シスト)、HUNGER(GAGLE)、LIBRO、ZOT on the WAVE、DJ MISTA SHARといった豪華ゲストを迎え、前作『大海賊』に収録の「メリゴ feat. SKY-HI」「上サイン」「ホラガイHOOK」も再収録。今回リアルサウンドではサイプレス上野にインタビュー。地元仲間による身内ノリのような楽しさもありながら、同時にノスタルジックな面も持ち合わせたこのアルバムで、果たしてサイプレス上野は、青春時代に決着をつけることができたのか?(榑林史章)

傾き続けないと生きていけない 

ーーメジャーでは初となるフルアルバムですが、どんな作品になりましたか?

サイプレス上野:自分たちらしいというか、好きにやらせてもらえたなという感じですね。全体には、けっこうライブを意識したかな。たとえば小箱のヒップホップのクラブだとしたら「NO LIMIT」が盛り上がるだろうし、フェスみたいな広い会場なら「青春の決着」が映えるだろうなとか。曲ごとに、そういったイメージを持ちながら制作しました。

ーー「Yokohama La La La」、「PRINCE OF YOKOHAMA 2222」など、地元・横浜レペゼンの楽曲は欠かせない。毎作の恒例で、ネタは尽きないものですか?

サイプレス上野:やっぱり内容が似通ってしまうので、アップデートを心がけています。それに「PRINCE OF YOKOHAMA 2222」は未来の話で、もはやSFみたいな感じだし。

ーーでもどうして2222年に?

サイプレス上野:言いやすかったので(笑)。

ーーネットで検索したら「2222」はエンジェルナンバーっていうのが出てきて。何か意味があるのかな? と。

サイプレス上野:へぇ〜。そうなんですか。いや、なんか全然たまたまですよ。でも「エンジェルナンバーなので!」ってことにしておきます(笑)。

ーー「2018⇄2222」は爆笑でした。

サイプレス上野:くだらないスキットですみません(笑)。

ーーお母さんと電話で話してるんですよね。

サイプレス上野:本物の母ちゃんです。何も言わずに電話して、会話をそのまま録音して使っていて。いつもあんな感じです。「え!」「え!」って言ってるのもそのままで、「え!」が多いから、それで「え!」を抜いて使おうってことになって。CDのジャケットを描いてもらうのは、今までもやってもらってたんですけど、音源でアルバムに出てくるのは初めてです。

ーーいつも味のある絵で。

サイプレス上野:昔から母ちゃんの絵を見てたんで、最初も「もうこれでいいべ!」って感じで。描かせたらウケるよなって。そんなノリなんです(笑)。

ーー今回、音の部分で意識したことは?

サイプレス上野:自分たちの好きな感じというか。普段の活動ではDJをやったりもしているので、自分がDJをやるなら、こういう曲をかけたいみたいな気持ちで作っていました。まあそれが自然に集まった感はありますけど。

ーー全曲さまざまな方がトラックを作っていますが、参加ミュージシャンについては?

サイプレス上野:例えば「Yokohama La La La」のDJ PMXさんとか、「青春の決着」のZOT on the WAVEとか、好きなトラックメイカーさんっていうとあれですけど、「なんかないっすかね」って聞いたらバンバン送ってくれたんで、そこから今の自分達の気持ちに合いそうなトラックを選ばせてもらったみたいな。他の方もそういう感じでやってて。Yasterizeの2曲、「ヒップホップ体操第三」と「ザ・グレート・カブキ」に関してだけは俺らのほうでイメージがあって、「こういう感じにしてほしい」とお願いして作ってもらいました。Yasterizeには前作何曲もやってもらってるんですけど、「ムチャブリの鬼」って呼ばれてます(笑)。

ーーそんなムチャを言うんですか?

サイプレス上野:絵を送って、汲み取ってもらったり(笑)。説明しても「何言ってるか分からないです」って言われるんですけどね。それでも「お前ならできるから」って。

ーー「ザ・グレート・カブキ」なんかは、メタルのミクスチャーロックみたいな。

サイプレス上野:そうそう(笑)。(ロベルト)吉野がやってる“刑鉄”というメタルユニットがあるんですけど、その延長線上の感じで。Yasterizeと「メタルトラップみたいなものをやりたい」って話をして作ったんです。それで、刑鉄でギターをやってるけいちゃん(高橋’JUDI’渓太)が、ギターを入れてくれたりして。

ーー「ザ・グレート・カブキ」は、プロレスラーの?

サイプレス上野:そうです。でも、そのカブキさんのことを歌ってるわけではなくて…“傾(かぶ)く”という言葉があって。

ーーああ、『花の慶次』みたいな?

サイプレス上野:そうそう。“かぶき者”です。浮世離れしてるって言うか、傾き続けないと生きていけないみたいな。そういうイメージで1曲作りたいって思ったんです。

ーー“格好をつける”みたいなことですよね。

サイプレス上野:格好つけと意思表示をこういうメタルみたいなトラックでやったら、面白いんじゃないかと思って。

ーーヒップホップをやること、ラップをやることって、傾くこととある種通じてますね。

サイプレス上野:まあ、俺とか吉野は、逆にけっこう私生活をさらけ出すタイプですけど(笑)。それでもステージ上では、演じるじゃないけど、傾くみたいな気持ちを持っていないとヤバイよなって思うし。ステージ上で面白く見えているのは、ハプニングももちろん面白いんですけど、すべて計算の上でのことっていうか。ちゃんと練習しているからこそ、面白くなるんですね。俺らでさえそうなんで、ストイックなヒップホップの人たちは、普段から格好から傾いてたりするし。

ーー傾き続けることは大変そうですけど。

サイプレス上野:まあそうですね。たとえば洋服で、俺は“柄オン柄”って呼んでますけど、柄ものの上に柄ものを合わせるのを昔からやってて。友だちからは「スゲエ格好だな」と笑われていたんだけど、10年くらい前に、『Ollie』っていう雑誌のストリートスナップに載ったことがあるんです。しかもDJ MUROさんの賞をゲットして、1ページ丸ごと俺だけで載ったんですよ。写真の下に「サイプレス上野さん(ラッパー)」って紹介されて。まず、ラッパーとして認められてねえ(笑)。でも、人から何を言われても傾いていれば、認めてくれる人は認めてくれるんだなって。

まだまだ俺らみたいなやつらは全国にいる 

ーー「新生契り」という曲は、MPCプレーヤーのSTUTSさんとコラボ。

サイプレス上野:もともとSTUTSの相方をやってるラッパーのKMCが俺の後輩で、ライブで一緒になることもよくあって。STUTSのプレイも観ていて、前から「上手いな〜」って思っていたし、NYでやってる映像も観せてもらって、すごく格好良かったんです。それでイベントでしゃべったり、俺がやってるラジオ番組にゲストで来てもらったりしてて、STUTSの出したアルバムも良かったから、一緒に何かやりたいねって言ってて。

ーーSTUTSさんのMPCもすごいですけど、吉野さんの会話音を用いたトラックがすごいです。

サイプレス上野:そうそう(笑)。「ついにロベルト吉野の気が触れた!」みたいな(笑)。もともとはちゃんとしたセリフが入ってたんですけど、そのセリフに会社からNGが出てしまって、苦肉の策としてピー音の代わりにスクラッチを入れたら、あまりにNGワードが多すぎてああなってしまいました。ライブではSTUTSに来てもらって、MPCも生でやってもらおうと思っているので、ライブではぜひSTUTSの神業を楽しみにしてほしいです。

ーーSTUTSさんは何と?

サイプレス上野:「せっかく作ってもらったけど、崩されるよ」と、最初に話してあって。だから、こうなることはSTUTSには了解済みです。実はSTUTSが作ってくれたトラックは3番まであって。3番のトラックは格好良すぎて、「契り」シリーズで使うのはもったいなくて(笑)。別に1曲作ろうと思って取ってあります。それもそのうち、どんな曲になるか楽しみにしてほしいです。

ーー「ムーンライト feat.mabanua」は、メロウでしっとりした感じ。mabanuaさんとは?

サイプレス上野:mabanuaくんがやっているOvallというバンドとライブでよく一緒になっていたし、彼個人の作品も好きで買っていて、自分がDJをやる時にかけたりしていたんです。それで決定的だったのは、RHYMESTERのアルバム『ダンサブル』で「Future Is Born feat.mabanua」を手がけていたことで。RHYMESTERのツアーのファイナルを観に行った時に久々にちゃんと顔を合わせて。使ってるスタジオも一緒だったんだけど、スタジオだとせわしなく「チッスチッス」って、お互い忙しいから挨拶程度で。でもそのツアーの時は、少し話すことができて、一緒にやれたらって話をして。

ーーファルセットっぽいボーカルがいいですよね。実際に制作はどうでしたか?

サイプレス上野:それこそmabanua印と呼べるオケで、歌もああいう淋しげがある感じが仮歌からあって、それがすごく良くて。それだけにリリックは悩みましたね。そんなに文字数があるわけではないけど、淋しくなりすぎても嫌だし、かと言ってあのオケとあのサビ歌に対して、俺がラップでふざけるわけにもいかないし。

ーーそれにしても「ムーンライト」というのは、ロマンチックですね。

サイプレス上野:まあ、たまには(笑)。

ーーイメージした情景としては、どんなものだったんですか?

サイプレス上野:江ノ島に「POP喫茶OPPA-LA」という、ライブもできるカフェがあって、そこでよくイベントを開催するんですけど、海外からパンクバンドやDJもライブをしにくるところで。立地も良くて、よく情報番組で「今の江ノ島のお天気はこちらです」って江ノ島の映像が映る時の、お天気カメラがあるビルの中にあるお店なので、全面ガラス張りで江ノ島が一望できるくらい、いい景色なんです。そこで自分たちのイベントを開催したり、お店主催のイベントに出たりとか、特に何もなくても普通に飯を食いに行ったりもしていて。しかもパンケーキがめちゃめちゃ美味くて、前のアルバムの曲でリリックに書いちゃったくらいで。

ーーパンケーキを食べるんですか?

サイプレス上野:そんなイメージないでしょ(笑)。でもOPPA-LAだけは美味いから食っちゃうんです。そこでデイタイムのイベントをやると、江ノ島に夕日が沈む風景が見られるし、夜のイベントなら朝日が昇るところが見られたり、それがいいんですよね。この曲は、その情景をイメージしているところがあるんです。

ーーいいですね。OPPA-LA行ってみたくなりました。

サイプレス上野:ぜひ来てください。カレーも美味しくて有名なんですよ。俺はだいたい食べるのは、タンドリーチキンとかかな。たまに強烈なイベントもやってますけど(笑)。THE BLUE HERBのBOSS くん(BOSS THE MC)がDJユニットでイベントをやった時は、地元組の俺らは12時間以上軟禁状態で家に帰してもらえなかったですから。朝日昇りすぎて、もはや昼みたいな。先輩の可愛がりです(笑)。

ーーああ〜上下関係が。

サイプレス上野:地元だけでも大変なのに、北海道からきて可愛がられる(笑)。超楽しかったけど、でも、それ以外はいいお店です。チャラチャラした輩みたいな奴は入店お断りなので、カップルとかでも安心ですよ。お店に行ったことのある人は、「あ〜知ってる!」って思ってくれたら嬉しいし、曲を聴いてお店を調べて行ってくれてもいいし。そういう地元の名所が広がったらうれしいです。

ーー「RUN AND GUN pt.2」ではBASIさん、HUNGERさんをフィーチャー。

サイプレス上野:前作の「pt.1」は横浜の若手と作ったので、「pt.2」は、2人とも俺より2〜3コ上の先輩ですけど、トラックのLIBROくんは東京、HUNGERくんは仙台で、BASIくんは大阪、俺は横浜といった感じで、各地でやってきているメンツで作りました。さっきの“傾き”の話じゃないけど……俺たちって、いわゆるヒップホップのシーンとは違うところでやってきた感じがあって、「でもそれが、正解になってるっすよね、俺たち」みたいな感じで、話を持ちかけていって。

ーー場所は違えど、同じ心意気を持ってやってきたみたいな。

サイプレス上野:そうそう。地元でもメインの人たちがいるから自分たちに場所はなかったけど、それでもやり続けてきましたよねって。もともと引き合うと言ったら変だけど、話が合うようなところがあって。使う言葉が一緒って言うのかな。

ーー上野さんのようなスタンスで活動するのは、やっぱり孤軍奮闘みたいなところがあって。それが仙台や大阪とか地方に行ったら、俺みたいなやつがここにもいたんだなと。

サイプレス上野:ここにも仲間がいたって感じですよね。きっと参加してくれた3人も、俺に対して同じように思ってくれたと思うし。これは10年くらい前の話だけど、大阪でライブをやった時に、BASIくんが1人で遊びに来てくれたのが最初なんです。お互い名前は知っていたけど顔は知らなくて、ライブ終わりに楽屋にきてくれて「誰だろう」と思っていたら「こんばんは。BASIです」って。「どこのバシさんですか?」って聞いたら「韻シストのBASIです」って言うんで、「ああ! すいません、ありがとうございます。でも、嘘でしょ!」って驚いてしまって。そうしたら「大阪でやるって聞いたから、来たんだけど」って。そこで初めて連絡先を交換して。注目してくれていたのが、すごくうれしくて。

ーー自分たちのシーンが、そうやって少しずつ広がっていった。まさしくそれが感じられる曲ですね。

サイプレス上野:はい。まだまだ俺らみたいなやつらは、全国にいっぱいいますから。どんどん広げていきたいですね。でも、変に集まりすぎても困るけど(笑)。

ーー制作はデータのやりとりで?

サイプレス上野:いえ、実際に東京のスタジオに来ていただいたんです。スケジュールの問題で、全員一度にというわけにはいかなかったですけど、LIBROくんとBASIくんは同じ日で。みんな仕事が早いんで、レコーディングもすぐ終わったので、LIBROくんとBASIくんはその日が初対面だったんだけど、そのまま飲みに行って仲良くなったって、あとで聞きました。

ーー上野さんがキューピッドに(笑)。

サイプレス上野:なっちゃいました(笑)。でも、俺もその場にいたかったな〜。

ーーテーマは決めておいて?

サイプレス上野:そうです。「走り続けている俺ら」みたいなテーマを軽く決めておいて、俺のバースを入れたものを事前に送ってあって。それを元に各自で考えてきてもらったんですけど、もうバッチリのものを返してくれたので、完成したものを聴いた時はすげえ感動しました。俺の気持ちがちゃんと伝わったんだな〜って。それに対して100点以上で返してくれたのもうれしくて。

ーー熱さがありますね。

サイプレス上野:そうですね。内に秘めたるものを、ブワ〜ってここで解放してくれている感じがして。早く一緒にライブでやりたくなりました。

【サ上とロ吉】サイプレス上野とロベルト吉野「Yokohama La La La (Pro.DJ PMX) 」MUSIC VIDEO

これが地元の大人としての姿勢なんじゃないか 

ーー今回、苦労した曲とかはありましたか?

サイプレス上野:「Yokohama La La La」は、初めてオートチューンを使ったので、感覚を掴むのが大変だったかな。あと「青春の決着」は、メロディを考えたりもしたし、語りっぽい雰囲気のラップは今までやったことがなかったから。トラック的には今っぽいものなので、乗せ方としてリズムに合わせて乗せればいいんだけど、テーマ的にそういう雰囲気でもないなと思ったし。かと言って、普通にあるような語りっぽくなっても面白くないから、そこはすごく考えました。

ーー「青春の決着」は、どうして青春をテーマに?

サイプレス上野:「青春の決着」という言葉自体は、『BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権』を手がけた岡宗秀吾さんというテレビディレクターさんの『煩悩ウォーク』という本に出てきた言葉なんです。「この人たちは青春の決着を探してるんだな」みたいな一文があって、それがすげえ響いたんです。それで、そういう曲を作ろうと思って。

 あと、最近思ったこともあって……。地元の友だちとか仲間と飲み屋をやってるんですけど、そこの店には俺らと同じ世代から、フリースタイルから入った20代の若手まで、世代関係なくけっこう店に来てくれていて、気づいたらけっこう後輩も増えていて。そんな中で思ったのは、「未だにずっとやってんな」ってことで。もちろん俺らの先輩もいるけど、そこのクルーは「上ちょ(俺のあだ名)が仕切るたけし軍団」とか言われたりしつつ年齢的には俺らが上の立場にいるわけで。そこでのくだらないいざこざがあったりするし、昔話をしながら後輩に威張ってる奴とかが見えちゃったりとか。

ーー今の若手は、先輩の武勇伝を嫌がりますよね。

サイプレス上野:そう、めちゃくちゃ嫌がるじゃないですか。でも昔話をするほうは、めっちゃ楽しいんですけどね(笑)。だから、そういうことはもう止めましょうって、同世代に向けて歌ってるみたいなところがあります。過去にすがることはもう止めて、次に行こうぜって。

ーーヒップホップというもの自体が、ある種の青春の輝きのようなところがあるのでは。

サイプレス上野:ヒップホップはユースカルチャーですから、気持ちは青春時代のそのままって感じですよね。ただそんなことを言ってると、後輩が社長になってたりするから、年に一度会った時に「え!」って驚くことになるんです。「戸塚から離れたらこんなになるんだ!」みたいな。地元に居座ってるやつは、みんなボンクラばっかりなんで(笑)。一緒にいて楽しいんですけどね。

ーー上野さんの青春には、いつ決着が付くんでしょうか。

サイプレス上野:ずっと決着がつかないまま、永久に続いていくんだろうなって感じですよね(笑)。でも、馴れ合いになるのは嫌で。店に行くといつものメンバーがいつものようにいるし、作品を作れば作るほど、何だかそれを感じる。結局地元の夏祭りでもライブをやらせてもらったりとか、地元のじいちゃんばあちゃんとも付き合いがあるわけで。地元の小学校の低学年の子とかが、セッティングしてるところから興味津々で、「何やるの?」って聞いてきたりするんです。でもそこで、未だに「ヒップホップだぜ! イェー!」って自慢してる場合じゃないっていうか。ちゃんとしたライブを観せてあげることが、地元の大人としての姿勢なんじゃないかと思うし。

ーー周囲の反響はいかがですか?

サイプレス上野:「Yokohama La La La」なんかは、車好きなやつがめちゃめちゃアガると言ってくれていて。「ウェッサイ〜」って言いながら聴いてくれていて、それを聞いて「変わんねえなこいつら」って思ったり(笑)。とは言え、どこか少し大人になった感は、みんな感じ取ってくれているみたいで、その点では作って良かったなって思いました。今までみたいなゲラゲラ笑えて面白いでしょ! っていうだけじゃなくて、「渋いアルバムだな」って言われたりして。実際に「面白いだけじゃない」という部分も意識としてあったし。

ーー上野さんと吉野さん自身が、少し大人になったということでは?

サイプレス上野:どうなんでしょう(笑)。キャッキャするのも好きなんで、「ザ・グレート・カブキ」は、昔好きだったバンドのガスボーイズのオマージュみたいな感じで、俺と吉野の中学生時代を思い出しての遊びみたいなもので、未だにそういうことをやってると言う。電気グルーヴさんとかスチャダラパーさんとかが持ってるような、中学生の時の内輪ネタをやってるみたいなノリも出ていると思います。

ーー最後に『ドリーム銀座』というタイトルについて。ここにはどんな気持ちを込めましたか?

サイプレス上野:自分たちの地元に横浜ドリームランドという遊園地があって、2002年に閉園してしまったんですけど、そのすぐ横にあった商店街の名前が『ドリーム銀座』なんです。ドリームランドが閉園後は、どんどんお店がつぶれて寂れてしまったんですけど……。俺らにとっては、子どもの頃から買い物や遊びと言えばそこで、連絡を取らなくてもそこには誰かしら知り合いがいて。スケボーやってたり、ダンサーがガラスに姿を写して練習していたりして。何をするわけでもなく集まって、朝までダラダラしていると近所のおばちゃんが犬を散歩させていて、「あんた達まだいたの?」なんて言われたり。おじいちゃんとか会えば「おはようございま〜す」って挨拶して、一緒にワンカップ飲んだりとかしていて。そういう自分たちにとってのたまり場、遊び場みたいな意味です。「みんなもここに遊びに来れば?」みたいな(笑)。

(取材・文=榑林史章)

■リリース情報
『ドリーム銀座』
発売:2018年11月28日(水)
価格:¥2,778(税抜)
収録内容:
1.Intro (Pro.サイプレス上野、ロベルト吉野)
2.Yokohama La La La (Pro.DJ PMX)
3.メリゴ feat. SKY-HI (Pro.岩崎太整)  ※TVアニメ「グラゼニ」主題歌
4.上サイン (Pro.藤原大輔)
5.PRINCE OF YOKOHAMA 2222 (Pro.MurderFaktry)
6.2018⇄2222 (Pro.MurderFaktry)
7.ヒップホップ体操第三 (Pro.Yasterize)
8.ホラガイHOOK (Pro.石野卓球)
9.ザ・グレート・カブキ (Pro.Yasterize)
10.新生契り(Pro.STUTS、ロベルト吉野)
11.ムーンライト feat. mabanua (Pro.mabanua)
12. RUN AND GUN pt.2 feat.BASI,HUNGER (Pro.LIBRO)
※B.LEAGUE YOKOHAMA B-CORSAIRS 2018-19シーズン公式ソング
13.青春の決着 (Pro.ZOT on the WAVE)
14. NO LIMIT (Pro.DJ MISTA SHAR)

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