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ウォルピスカーターが語る、ボーカリストとしての美学「毎回音源が100パーセントだと思ってる」

リアルサウンド

19/3/21(木) 19:00

 ウォルピスカーターが、3月20日に1stシングル『1%』をリリースした。同作の表題曲はTVアニメ『不機嫌なモノノケ庵 續』の主題歌を担当しており、作詞・作曲はボカロP・はるまきごはんが担当している。

参考:“高音出したい系男子”ウォルピスカーターが明かす、ボーカル成長記録とこれから「名前と歌にギャップを感じてもらえたら」

 “高音出したい系男子”としてニコニコ動画やYouTubeなどにアップした“歌ってみた”動画で高い人気を誇るウォルピスカーター。同作には、エレクトロなサウンドにドラマチックな歌詞が乗る表題曲のほか、軽快なギターが鳴り響くアッパーチューン「アノヒノアノウタ」、本人が作詞する「僕らのミッシングリンク」と三者三様の楽曲でウォルピスカーターの“ハイトーンボイス”を楽しむことができる。

 ウォルピスカーターが、歌い手/ボーカリストとして目指している目的地とは? ハイトーンボイスを追求したきっかけから、はるまきごはんとの共作エピソード、歌うことに対するスタンスといったインタビューを通して、ウォルピスカーター独自のボーカリストとしての美学を知ることができた。(編集部)

■「そもそも高い声を武器にしている気持ちはない」

ウォルピスカーター 1st single 『1%』クロスフェード
ーーウォルピスカーターさんは“高音出したい系男子”という異名の通り、非常に高い声の歌い手として名を馳せていますが、高音を武器にしようと思ったきっかけは?

ウォルピスカーター:僕はそもそも高い声を武器にしている気持ちはなくて、最初に投稿した“歌ってみた”動画も全然高い声を出してなかったですし、投稿を続けてるうちにだんだん高い声を出せるようになったんです。僕は“歌ってみた”を始めるまでニコニコ動画についてあまり詳しくなかったので、活動を続けるなかで“高い声を出す人たち”に出会って、そこで「男の人でもこんなに高い声が出せるようになるんだ!」と憧れるようになりまして。そこから高い声を出す練習の過程として、動画を日記代わりにアップし続けていった結果、今の状態になったんです。今でも動画は「今の僕が出せる高い声はここまでですよ」というのを皆さんにお伝えしてる状況なんですよ。

ーー今でも十分高い声だと思うんですが、現在もさらなる高音を目指してる段階なんですね。

ウォルピスカーター:僕よりもっと高い声を出せる人もいますし、僕はまだまだですね。いついかなるときでも高い声を出せるのが完璧な“高音系”だと思うんですけど、僕はコンディションを整えたうえで1日5分だけだったり、努力して出してるところがあるので、例えばライブで2時間歌うなんて絶対に無理なんですよ。だから「音源の声を全部フルで再現できるようになる」というのが目標としてありますね。

ーーその高音は今回の1stシングル『1%』でも発揮されてますが、本作はウォルピスさんにとってアニメタイアップとなる初のCDシングルリリースです。環境的な変化はありましたか?

ウォルピスカーター:もちろんありましたね。特に今回のシングルは今までのリリース時の5倍ぐらい外に出る機会が増えまして(笑)。僕は家にこもって作業をするのが一番好きなので、仕事以外で人に会うことが月に1~2回ぐらいしかないんですよ。僕はラジオパーソナリティーの仕事もしているんですけど、普段はほとんどしゃべらないから、自分の中でどんどん会話がパターン化されていて、家で架空の相手に向けてしゃべりの練習をしているんですが、どんどんその相手の存在がクッキリしてきたので本当に怖くなって(笑)。それで「いろんな人と会話をして、その会話パターンを虚像に組み込んでいかないとまずいな」と思っていたので、最近はたくさん外に出ることでいい刺激を受けてます(笑)。

ーーシングルの表題曲「1%」はTVアニメ『不機嫌なモノノケ庵 續』のEDテーマで、清涼感溢れるエレクトロポップなサウンドと、ウォルピスさんの柔らかな歌声がマッチしたミディアムナンバーです。こちらの曲はボカロPのはるまきごはんさんが制作されています。

ウォルピスカーター:以前から一緒に仕事をしたかった人の中でも、はるまきさんの楽曲はEDテーマに合っていると思っていたので、すぐに連絡したら快く引き受けてくださいました。はるまきさんに曲を書いていただくのは今回が初めてなんですけど、以前から個人的に友人として付き合いがあったんです。

ーーウォルピスさんから見て、はるまきごはんさんの楽曲にはどんな魅力があると思いますか。

ウォルピスカーター:ファンタジーまではいかないメルヘン感がありますよね。歌詞もきっぱり言い切らない抽象的なものが多くて、詩的な表現を用いることが多いイメージ。そういう部分も含めてエンディングっぽいかなと思ったんです。

ーーたしかに不思議な余韻を残す作風ですよね。曲を作ってもらうにあたって、ウォルピスさんから何か具体的なオーダーはされた?

ウォルピスカーター:僕からは「エンディングっぽい曲を書いてほしい」とは言いましたけど、それ以外はほとんど何も言っていないですね。アニメサイドからは主に詞の方向性とタイトルの部分で意見をいただいて、はるまきさんが調整したというお話は聞いてます。

ーーウォルピスさんは最初にこの曲を聴いたときに、どんな印象を抱きましたか?

ウォルピスカーター:実ははるまきさんには3曲分のデモを作っていただいたんですけど、この曲はその3曲目だったんです。最初はインストの音源を聴いたんですけど、すごく透明感があって、音の粒の際立ちもすごくて「こんなにキレイな曲を歌いたい!」と思ったんですよ。それで「この曲が歌いたいです」とお伝えしたら、翌日にはるまきさんが仮歌を入れたものが届いたんですけど、そのクオリティーがとにかくすごくて、ハモりからコーラスまですべて入ってたので、「もうこれでよくないかな?」と思ったぐらいでした(笑)。

ーー歌入れするにあたってどんなことを意識したのでしょうか。

ウォルピスカーター:とにかくはるまきさんの(仮歌の)歌マネにならないように心がけました。元々ボーカロイドの楽曲を二次創作で歌っている身としては、どうしても一次創作の良いところをマネして歌うクセがついてるんですね。だから、ついついはるまきさんのデモをなぞってしまうことがあったので、僕のオリジナル曲として僕なりの歌い回しを出せるように、コリをほぐすのに時間がかかりました。

ーー今までの歌い手としての活動と、ボーカリスト/シンガーとしての自我との岐路に立っている状態というか。

ウォルピスカーター:ちょうど狭間で揺れている感じはありますね。マネしなくちゃいけないときもあるし、マネしてはいけないときもあるので、最近はそのオンオフの切り替えに苦労してます。

ーーそこで自分なりのオリジナリティーを確立するにあたって、「1%」で特に指標としたことはありますか?

ウォルピスカーター:この曲に関しては、クセを出しすぎないことを目標に録音したんです。僕の普段の歌はかなりクセが強くて、それがこの曲のような透明感が強い曲調と混ざるとぶつかりあってしまうかなと思いまして。なので今回はビブラートもなるべくかけずに、真っ直ぐ歌うことを意識したんですけど、そうすると今度ははるまきさんのデモに寄ってしまうんです(笑)。だから真っ直ぐに歌いつつ、僕のニュアンスも残す、普段の40パーセントぐらいの力で叩くみたいな力加減にものすごく苦労しました。

ーー透明感という意味では、コーラスやハーモニーの重ね方にこだわりを感じました。

ウォルピスカーター:ありがとうございます。でも、そのアレンジも全部はるまきさんのデモの段階で完成してたんです(笑)。だからお株を奪われた感じだったんですけど、最後のサビの前に入ってるクレッシェンドのコーラスは、僕が考えてはるまきさんに無断で入れたんです。僕のオリジナル曲ではあるので、一か所はそういう場所を作らなくてはいけないと思いまして……はるまきさんごめんなさい!(笑)。

ーーシンガーとしての自我もしっかりと刻まれて。この曲は歌詞も夜空をメロンソーダに例えたりしていて、離れ離れになる二人の関係性を示唆するメランコリーな内容でありながらも、すごくロマンチックですよね。

ウォルピスカーター:僕も最初は「悲しい歌なのかな?」と思ったんです。でもレコーディングしてみて、曲の雰囲気と合わせて聴いてみると、結構ポジティブというか、センチメンタルになりすぎない、思っていたよりも破滅願望のある詞ではないんだなと思って。ガラッと印象が変わりました。

ーーたしかに、歌詞の中では世界の終わりが訪れそうな雰囲気がありますけど、最後は爽やかな余韻が残る、はるまきさんらしい不思議な世界観で。

ウォルピスカーター:そうなんですよ。達観した感じというか、ある種、悟りを開いた人の詞の様に見えるんですけど、その辺を踏まえながらもプラトニックな人間関係が見えてくるというか。

■ライブでの再現性よりも音源の芸術性

ーーちなみにウォルピスさんは、2ndアルバム『ウォルピス社の提供でお送りしました。』の初回限定盤にアニソンのカバーCDを付属してましたし、“歌ってみた”でも頻繁にアニソンのカバーをしていますね。

ウォルピスカーター:僕はアニメとアニソンが大好きで、カラオケに行っても必ず歌うぐらいなんですよ。ただ、生身の人間ありきの二次創作の場合はモノマネができてるほど良いと思っているので、そういう曲をカバーするときは絶対に本家の方のモノマネをするんです。だから2ndアルバムに収録したアニソンカバー(supercell「君の知らない物語」、高橋洋子「魂のルフラン」、涼宮ハルヒ「God knows…」)もとにかくモノマネしてます(笑)。

ーー好きなアニソンを3曲選ぶとしたら?

ウォルピスカーター:いやあー、3曲ですか……とにかく好きなのは『涼宮ハルヒの憂鬱』の劇中歌の「God knows…」。それと、これは同人のアルバムにも収録したんですけど、『蒼穹のファフナー』のオープニングテーマでangelaさんが歌ってる「Shangri-La」。僕はangelaさんのモノマネが十八番なので(笑)。あとは『灼眼のシャナ』1期のエンディングテーマで高橋洋子さんの「夜明け生まれ来る少女」ですね。『灼眼のシャナ』のテーマ曲と言えば、2期のオープニングテーマだった川田まみさんの「JOINT」が有名だと思うんですけど、僕は「夜明け生まれ来る少女」が一番好きなんです。

ーーどれも熱くなれるタイプの楽曲ですね。

ウォルピスカーター:今のアニソンはロックバンドの方が歌ってることも多くてお洒落になったイメージがあるんですけど、僕の中でのアニソンというのは2000年代から2010年ぐらいまでが黄金期なんです。その辺りのアニソンロックが日本のカルチャーを席巻したような、「THE アニソン」と言えるような曲が好きですね。

ーー今回の「1%」にせよ、『スペースバグ』のオープニングテーマだった「THE JOURNEY HOME」にせよ、ウォルピスさんが今まで担当されたアニメタイアップ曲は、その系統とは違うタイプの曲です。

ウォルピスカーター:そうなんです(笑)。なので、チャンスがあればぜひ熱いアニソンも歌ってみたいですね。

ーーここからはカップリング曲のお話も。まずソリッドなギターサウンドが印象的な「アノヒノアノウタ」は、ボカロPのいちたさんが楽曲提供されています。まだそれほど知名度のない方ですが、どんな方なんですか?

ウォルピスカーター:たしか投稿を初めてまだ1年ぐらいだったかな? 僕が以前にいちたさんの曲(「f.o.f」)を歌って投稿したことがあって、僕自身がいちたさんの曲のファンなんですけど、「こんなに良い曲を作るのになんで評価されないんだろう?」とずっと思ってたんです。なので、今回、曲を書いていただくことで、いちたさんのことをみんなに知ってもらいたいと思ったんです。やっぱりこの世界は助け合いが必要じゃないですか。僕も昔先輩の歌い手さんに曲を紹介してもらったことで、たくさんの人に曲を聴いてもらえるようになったので、今度は僕が次の世代に対してそうする番だと思いまして。まあ本当は僕がいちたさんの曲を歌いたいからなんですが、そういう下心は隠しつつ、本当はこんなにキレイなことを思ってるんだよ、ということを記事には載せてください(笑)。

ーーそのまま全部書いておきます(笑)。いちたさんにはどんな曲をお願いしたんですか?

ウォルピスカーター:今回いちたさんには制作期間の一番最後に曲を書いてもらったので、「1%」ともう1曲のカップリング曲「僕らのミッシングリンク」の方向性をお話した上で、それとは被らない楽曲を、というお願いをしました。いちたさんの曲はギターが特徴的なので、今回もジャキジャキしたギターサウンドの曲になればいいなあと思っていたら、まさにそういう曲を上げていただいたので「最高!」と思いましたね。

ーーこの曲の歌詞には〈100%の携帯〉というフレーズがあったり、どこか「1%」の歌詞と繋がりを感じさせる内容ですね。

ウォルピスカーター:そうなんですよ。「1%」の歌詞にはあらかじめ目を通してもらっていたので、繋がりを意識していただいたのかもしれません。僕は勝手に「1%」の後日談なのかな? と感じてまして。「1%」は二人が離れ離れになってしまうようなテイストだったので、この曲は離れてしまった二人のどちらか一方の視点で書かれてると考えると、サウンドにもどことなく哀愁というか、寂しい心の内が見えてくる気がしますね。

ーー歌入れの際はそういう部分も意識された?

ウォルピスカーター:それは全然なかったです(笑)。この曲はとにかくキーが高かったんですね。僕は歌入れのとき、基本的に頭から少しずつ録っていくんですけど、こういう高い曲の場合はまず一番高いところを録って、そこからその高いパートの声色に矛盾が起こらないように、前後を埋めていくように歌を録るんですよ。だからとにかくボーカルが一本に聴こえるように意識しながら声を継ぎ足していったので、表現力を挿む余地はありませんでした。今回のシングルはカップリングを含めて、高すぎて僕が生で全部歌えるか不安なんです。だからどうしようかなあと思っているところで(笑)。

ーーライブでの再現性よりも音源としての芸術性に重きを置いてるんですね。

ウォルピスカーター:そうなんです。世間的には生歌至上主義の方が多くて、「生で聴いてこそアーティストだ」とおっしゃられる方が多いですけど、僕はそうじゃないだろうと思っていまして。僕は毎回音源が100パーセントだと思って作ってますし、「音源で死力を尽くしてるんだからそっちでいいじゃない!」と思うんですよ。例えば高い声を出せる歌い手の方でも、ライブを意識してどんどん選曲のキーが下がっていくことがあるんです。でもそれは僕からしたら、どんどん丸くなっていくということなんですよ。投稿したらライブで歌わなくちゃいけないから、高い声を出したいけどがんじがらめになっていくというか。僕もライブをやっていますけど、本当は会場で100点満点の音源を流して、それに当て振りしたいぐらいの気持ちなんですよ(笑)。そのほうがみんな幸せだと思うんです。

ーーライブを意識して自ら制限を作ってしまうのではなく、音源ならではの可能性を追求するのがウォルピスカーターさんのアーティスト性だと。

ウォルピスカーター:カッコ良く言うとそうだと思います。

■「自分で曲は絶対に作らない(笑)」

ーーもう1曲の「僕らのミッシングリンク」はウォルピスさんが作詞、神谷志龍さんが作曲されています。神谷さんは2ndアルバム収録のオリジナル曲「20億走」を書き下ろされた万玄斎さんと同一人物なんですよね。

ウォルピスカーター:そうです。僕と神谷志龍はインターネットを始めてからの友達のなかでいちばん古い付き合いなんですけど、その当時のコミュニティーで僕たちだけが「音楽で食べていく」と言っていて、結果、僕と神谷志龍だけがこの業界に残ったんです。なので、前から節目の仕事のときは絶対に一緒に曲を作る話をしていて、今回のシングルが決まったときも「カップリングはお前に書いてもらうから」と声をかけました。

ーーウォルピスさんの作詞曲は「20億走」ぶりになりますが、今回はどんなテーマで詞を書こうと思ったのですか?

ウォルピスカーター:「20億走」のときはすごく暗い歌詞になってしまったので、今回は明るい歌詞を書きたいなと思ったんです。ただ、僕は明るい歌詞の書き方がわからなくて(笑)。僕は軽音楽部でバンド活動をしてた高校時代から、暗い感じの歌詞を書いてたんですよ。基本的に“人の一生”みたいなテーマを書くことが多くて、今回も人生や人間についての歌詞なんですけど、言葉尻を変えたりして、書きながらどうにかポジティブな方向に持っていきました。

ーー自分の“存在の不安定さ”という哲学的な問題に踏みこみつつ、最終的には未来を掴もうとする希望的な歌詞になってますね。

ウォルピスカーター:最初は「ミッシングリンク」をテーマに歌詞を書こうと思ったんです。ミッシングリンクというのは、化石が出てこないだとか、進化の証拠が見つからないだとか、歴史的に連続していない空間のことで、要は過去の出来事じゃないですか。それを前向きにするには、とりあえず思ってることとは逆のことを書けばいいんじゃないかと思ったんです。だから一度自分が書いたものを反転させて、過去ではなく未来のことを書いたのがこの曲になります。

ーー初シングルという新しい門出のタイミングにも上手くハマってますね。

ウォルピスカーター:ありがとうございます。でもそこは自分では全く意識してなかったですね。今回書いたことはわりとみんな思ってることだと思うんです。例えば「寝てるときに世界はあるんだろうか?」とか「自分が観測していないとき本当に世界はあるのかな」という、誰もが一度は思う中二病的な発想を、一度文章にしてみたいなと前々から思ってたんです。そしたらめちゃくちゃ前向きになったので予想外でした(笑)。

ーー〈ハロー!全未来!〉なんてフレーズもありますから。

ウォルピスカーター:改めて言われるとくそ恥ずかしいですね(笑)。そこは「字が全然足りない!」と思って一番最後にヤケクソで書いたところなんです。

ーー神谷さんとの約束も果たせて、自分にとっても印象深い楽曲になったのでは?

ウォルピスカーター:もちろんそうです。神谷志龍との曲はひとつひとつ大切にしていきたいと思っていて。「20億走」も二人で作った最初の曲としていいものができたと思ってるので、今回の二作目もいつまでも思い出せる曲になったと思ってます。また何かあれば声をかけたいですけど、でも距離が近いと大変なこともあるんですよ。昨日も急遽「今作ってる曲の仮歌を録ってほしい」と頼まれたので、今日は一日取材なんですけど、断れないので朝からレコーディングしてたんです。

ーーでも、はるまきごはんさんにせよ、いちたさんにせよ、そういった繋がりを大切に作品を制作できているのは、今までの活動があってこそというか。

ウォルピスカーター:僕自身、高校時代には自分で曲を作ってたんですけど、そこで自分には作曲の才能がないと感じたんです。こうしていろんなところでお仕事させてもらえるようになって、よく「自分で曲を作ったら?」と言われることがあるんですけど、僕はその部分は出来る人にお任せすることに決めていて。そういった面でも、僕の出来ない部分を支えてくれる、手の届かない部分を一緒に作業してくれる人が周りにいるのは幸せなことだと思いますね。

ーー歌い手あるいはアーティストとして、今後どのような展望を抱いていますか?

ウォルピスカーター:今でこそライブをやらないことに対して批判的な意見が多いんですけど、これがいつか肯定されるようなキャラクターを作り上げていきたいと思っています。「あいつは生ができないから、音源を聴けばいい」みたいな方向性でやっていきたいですね(笑)。それとは別に、僕はしゃべるのが好きで、今もラジオをやらせていただいてますし、今後は声を使ったお仕事の幅も広げていきたいと思ってます。それこそ演技だとか、僕は宝塚が大好きなのでミュージカルや歌劇といった方向にも進みたいですね。自分で曲は絶対に作らないです(笑)。

ーーとは言いながらも、10月には東京・豊洲PITでワンマンライブを開催されるとのことですが。

ウォルピスカーター:はい(笑)。まだざっくりとしか考えてないんですけど、僕が歌ってる曲は高音ばかりなので、曲数はそんなにたくさん歌えないんですよ。ライブでキーが下がってると聴いてる方も萎える部分があると思うので、なるべくキーを下げないで歌ってるんですが、そうすると僕の場合は1日12~13曲ぐらいが限界なんです。ただ、その曲数だと1時間ぐらいで終わってしまうので、今までの「株主総会(ウォルピスカーターのライブタイトル)」でも幕間に少し凝ったMCを挿んだりしまして。

ーー歌唱のみならずトークのお仕事経験も活かした、ご自身の表現の場になっているんですね。

ウォルピスカーター:うっかりしゃべりすぎて、ライブなのにMCで声を枯らせたこともありますけど(笑)。ライブは僕のやれることを全部やれる、僕自身の総合エンターテインメントを見せられる場所だと思っているので、楽しみにしていただきたいです。(北野創)

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