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「運び屋」

「運び屋」蓮實重彦や町山智浩がコメント、山田洋次はイーストウッドと寅さん重ねる

ナタリー

19/2/22(金) 12:36

クリント・イーストウッド最新作「運び屋」より、著名人24名による鑑賞コメントが到着した。

実話をもとに、思いがけず麻薬カルテルの運び屋として働くことになった90歳の老人アール・ストーンを主人公とした本作。イーストウッドが「グラン・トリノ」以来10年ぶりに監督、主演を務めている。

米寿を迎えたイーストウッドと同世代で、現在87歳の映画監督・山田洋次は「この主人公は、寅さんみたいな人かもしれない。ギャングまでが心を開きたくなる、素朴で愛嬌のある老人。人間はとても多様なんだということに気づかされる。『ミリオンダラー・ベイビー』以来の傑作でした」と自作「男はつらいよ」シリーズの主人公・車寅次郎を引き合いに、アールの魅力を語る。

また映画評論家の蓮實重彦は「ハンドルを握り、他人の曲をひたすら呟くように口ずさみ続ける八十八歳のイーストウッド!!! そんな異様な光景を、いったいどこの誰が想像しえただろうか」とイーストウッドの佇まいに注目し、ファッション評論家のピーコも「運転しながら歌う姿は、抱きしめてあげたくなった!!」と同じシーンに言及。町山智浩は「イーストウッドは絶倫だ。米寿を迎えた今、さすがの許されざる者も枯れたろうと思ったら甘かった。『弾切れだと思ってるんだろう? 試してみるか、小僧!』というハリーの名ゼリフが蘇る!」と述べている。

犯罪ジャーナリストの丸山ゴンザレスは、麻薬ビジネスにおける“運び屋”という役職を「“運び屋”の地位は低い。誰にでもできるからだ。その割に逮捕されるリスクが高いので、簡単に切り捨てられるアウトソーシングが常識。おかげでプロは育たないし、一流なんて存在しない。運び屋稼業はただのギャンブルだ」と説明。そして「それでも本作の主人公は、“90歳”だから出せる老獪な手札を駆使して頭角を現していく。『このじいさん、やるな!』と思わず驚いた仰天の実話」とアールの運び屋としての手腕に目を見張った。

「運び屋」は3月8日より全国ロードショー。

相田冬二(映画批評家)コメント

俳優イーストウッドを初めて抱きしめたくなった。
悠々とした素振りの奥底で小さな魂が震えてる。
かっこつけなきゃ男じゃない。でも、それはなんてさみしいことだろう。
虚勢と共にある孤独。これからもずっと続く余韻。

石川三千花(イラストレーター)コメント

高齢ながら、仕事も女性も現役バリバリ。無骨だがユーモアは持ち合わせ、マイペースで怖いものなし。そして最後には自分で責任を取る運び屋。
これって、どえらい作品を世に送り続けてるイーストウッド本人と重なってる!!

宇田川幸洋(映画評論家)コメント

こんなに、はじめからおわりまでゴキゲンな気分で見ていられる映画は、めったにない。美しき超老年ヒーローの誕生に、こころがおどる。

宇野維正(映画・音楽ジャーナリスト)コメント

イーストウッドからの「次世代への遺言」だった「グラン・トリノ」。
あの時に伝え忘れていた、一番大切な「家族への遺言」がここに。
10年ぶりの監督兼主演作、その重みと温かさにむせび泣いた。

襟川クロ(映画パーソナリティ)コメント

“悪さ”を軽いノリで極めたイーストウッド。
仕事は飄々と。家族の前では……トホホ。このギャップ、可愛すぎです。
シニアの星、88歳ヤンチャ男子、ここにあり!

おちまさと(プロデューサー)コメント

2011年2月17日私はブログ(※)に「運び屋は70歳」という作品がいつか映画化されると書いた。
しかし現実は「運び屋は90歳」想像は越えられ裏切らずに裏切られた。私の祖父は90歳で父は89歳で鬼籍に入った。じいちゃん、父さん、時代は進んでる訳で……。
※おちまさとオフィシャルブログ2011年2月17日の記事

越智道雄(明治大学名誉教授)コメント

高齢化社会を生きる孤独な老人と家族の在り方、国境を越えて世界に蔓延するドラッグなど、社会性の高いテーマをもった実話を、イーストウッドはアウトローな男の「泥沼からの脱出劇」として仕上げた。

倉田真由美(マンガ家)コメント

「90歳」ってやっぱりすごいな。佇まいだけでも、物語になる。子供の無邪気さと長く生きた者の老獪さ両方が混在する90歳、誰よりも自分勝手で正義の人でもないのに、どうしても応援してしまう。

小堺一機 コメント

主人公のアールは自分の人生に何を運び、何を運び遅れたのか? 作品に風格まで纏わせるイーストウッド監督の手腕にウットリする傑作!!

斉藤博昭(映画ライター)コメント

犯罪サスペンスなのに、心地よい風を浴びているような感覚を味わった。
演出も演技も、軽やかなのに胸を打つ奇跡!
イーストウッド、ついに「神」の境地にたどりついたのか……

芝山幹郎(評論家)コメント

不敵で、上機嫌で、居心地のよい映画。怖さとおかしさの陰に、いきなり足をさらう深みが潜んでいる。さすがはイーストウッド。「許し」という難問に直面しても、悠々と進む帆船の姿を失わない。シンプルで謙虚な超人だ。

立田敦子(映画ジャーナリスト)コメント

7年ほど前、イーストウッドにインタビューした際、
自分のやりたい仕事に夢中になって、家族に十分な時間を
とれなかった若き日を悔いていた。
90歳の孤独な老人アール・ストーンは、まさしくイーストウッドの分身だ。
“不適切”な用語を連発する88歳のイーストウッドに、
ハリー・キャラハンの面影を見た。

中野翠(コラムニスト)コメント

直線的なシンプルな構成のせいか、イーストウッドの過去の作品の断片が次から次へと画面に重なって思い出された。TVムービー「ローハイド」の若者ロディに憧れた子どもとしてはたまらない。こんな映画体験は初めて。

蓮實重彦(映画評論家)コメント

ハンドルを握り、他人の曲をひたすら呟くように口ずさみ続ける八十八歳のイーストウッド!!! そんな異様な光景を、いったいどこの誰が想像しえただろうか。

浜村淳(映画評論家)コメント

罪の匂いか運命か。
走らなければ生きられぬ。90年の人生に
百合より麻薬が似合うのか。
地獄へ向かう2千キロ。どこかで破滅が待っている。
イーストウッドが命を賭けた息づまるほどの大名作!

ピーコ(ファッション評論家)コメント

クリント・イーストウッドが凄い!
88歳にして監督・主演、しかも芝居が上手い
運転しながら歌う姿は、抱きしめてあげたくなった!!

樋口泰人(爆音映画祭プロデューサー / 映画評論家)コメント

カーステレオとともに歌うイーストウッド!
かつて見たこともないそんな姿が、波のように繰り返される。この反復の中ではあらゆるものが自由だ。生と死が混ざり合い、われわれが今ここにいることのかけがえのなさを実感する。ご機嫌すぎて涙があふれる。

町山智浩(映画評論家)コメント

イーストウッドは絶倫だ。米寿を迎えた今、さすがの許されざる者も枯れたろうと思ったら甘かった。「弾切れだと思ってるんだろう? 試してみるか、小僧!」というハリーの名ゼリフが蘇る!

松崎健夫(映画評論家)コメント

家庭よりも仕事を優先し、経済効率や利潤を追求してきた1980年代以降の“アメリカ”そのものを体現する老いらく男。やましさを伴いながらも犯罪に手を染めてゆくイーストウッドの善悪を裁くのはあなた自身だ。

丸山ゴンザレス(犯罪ジャーナリスト)コメント

麻薬ビジネスで“運び屋”の地位は低い。誰にでもできるからだ。
その割に逮捕されるリスクが高いので、簡単に切り捨てられるアウトソーシングが常識。
おかげでプロは育たないし、一流なんて存在しない。運び屋稼業はただのギャンブルだ。
それでも本作の主人公は、“90歳”だから出せる老獪な手札を駆使して頭角を現していく。
「このじいさん、やるな!」と思わず驚いた仰天の実話!

宮台真司(社会学者)コメント

強くあろうとしたとき、彼は最も「弱い父」だった。
誰より弱い自分に気づき、「強さ」の意味を知った。
社会の承認より社会からの脱落こそが福音だった。
それこそがイーストウッド的不条理劇の終着点だ!!

森直人(映画評論家)コメント

インターネットに店を潰されたオンナ好きのロートル男を軽やかに演じる映画神イーストウッド。
その優雅な佇まいは窮屈な21世紀への批評だ。
「もっとゆっくり生きろよ。俺みたいに人生を楽しめ」!

山田洋次(映画監督)コメント

この主人公は、寅さんみたいな人かもしれない。
ギャングまでが心を開きたくなる、素朴で愛嬌のある老人。
人間はとても多様なんだということに気づかされる。
「ミリオンダラー・ベイビー」以来の傑作でした。

渡辺祥子(映画評論家)コメント

ワルじいさんをひょうひょうと演じるこの映画がイーストウッド(88歳!)自身の魅力とキャリアのすべてを物語って素敵。

(c)2018 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

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