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ヒーローからポンコツキャラに転身? 犬飼貴丈と“ベストマッチ”な『けもなれ』上野発

リアルサウンド

18/12/5(水) 6:00

 『獣になれない私たち』(日本テレビ系)で、深海晶(新垣結衣)のダメダメ部下・上野発を演じる犬飼貴丈。8月まで『仮面ライダービルド』(テレビ朝日系)の主人公・桐生戦兎に扮し、ヒーローとして活躍してきた犬飼だが、今作ではそれとはかけ離れた“ポンコツキャラ”として、また新たな魅力をふりまいている。

 ツクモ・クリエイト・ジャパンの新入社員である上野は、第1話からいきなりポンコツぶりを露呈。ワンマン社長の九十九剣児(山内圭哉)にわかりやすくオドオドし、椅子に座ろうとすれば椅子からずり落ち、接待中に居眠りをして晶に注意され、会計時にはカードが止められていて支払いできないという始末。かたや、パソコンのデスクトップにはアイコンで「うえの」と描くなど自己主張は強めで、とにかく厄介な若者だ。

【写真】ダメダメ部下の上野発

 仕事ができず、その上、熱意もない上野の尻拭いをする晶への同情から、序盤は上野に対してイライラする視聴者が続出。だが一方で、つい先日まで天才物理学者である戦兎を演じていた役者と同一人物とは思えないという、犬飼の表現力に驚く声も上がった。

 ドラマには、『仮面ライダービルド』を連想させるような遊び心がちょこちょこ挟まれているのが、ニクイところ。SNSを中心に、まず盛り上がりを見せたのは、初回放送で上野が食べていたカップラーメンの商品名が『ベストマッチ』だったこと。「ベストマッチ」とは、戦兎が変身する際に必要となるフルボトル2つのベストな組み合わせのことで、ビルドファンの中ではおなじみのワードだ。

 その後も、ビルドネタは折々に登場。第5話で映った(公式動画「胸キュン&ラブまとめ~毒舌モテ男編~」でも公開)、上野のスマホ画面に表示されていたアプリ名には「ビルドシティ」をはじめ、どっぷりの仮面ライダー仕様。「クラッシュ」、「シェイク」といった変身に関するキーワードのほか、「ペンギン(スケーター)」、「ニンニン(コミック)」などなど「ベストマッチ」に関するキーワードがズラリと並んでおり、再びファンを喜ばせた。

 ドラマ開始直前に公式Instagramに掲載された「さあ、上野を始めようか」というコメントを皮切りに、第2話で登場した上野の部屋にギターがあるのを見て「佐藤太郎の影響?」なんて考えてみたり、第6話で京谷(田中圭)らと料亭で会食をし、京谷が晶の彼氏だとわかった時につぶやいた「力に勝つには、力しかないんだろうか……」といったセリフに、若干の戦兎っぽさを感じたり、第7話で“赤×青”のネクタイを付けているところにビルドを思い浮かべたりと、ストーリーを楽しむと同時に、ビルドとのリンク探しを楽しんでいる視聴者は、私だけではないだろう。

 このように、細かい演出を含めて隙がないのが『獣になれない私たち』というドラマなのだが、隙がないのは、犬飼の演技もまた同じく。犬飼の演技力については『仮面ライダービルド』でのキャラクターの演じ分けですでに証明されているのだが、今作によってその評価をより確かなものにした印象だ。

 『仮面ライダービルド』では、当然ストーリーは主人公である戦兎を中心に動いていた。だが、『けもなれ』ではあくまで脇役というポジションであり、物語とは直接関係のない犬飼の演技が多々見られる点に、2作品の大きな違いがある。晶が忙しく接待する横で、運ばれてきたスイーツに喜んだり、特別チーフクリエイターに任命された晶を羨望の眼差しで見つめてみたり、社長からの理不尽な指示にもテキパキと対応する晶の背中を拝んでみたり……。上野はいつ見ても上野であり、まったく隙がない。そして私たちは、予想できないそれらの行動に、ついつい目が奪われてしまうのだ。

 「仕事へのモチベーションを上げるため」という身勝手な理由で晶のことを好きになる荒技に出た上野だが、意外にもこの作戦は功を奏し、彼の仕事に対する意欲は向上中。第7話では「生まれてこのかた、期待されたことがない」とつぶやいていたが、今後、期待の星として活躍していく上野の姿を見ることはできるのだろうか。とはいえ、上野のポンコツぶりも、だんだんとクセになってきた。頭脳明晰キャラであれ、ポンコツキャラであれ、どんなキャラクターも魅力的に見せてしまう。これも犬飼の持つ、役者としての能力のひとつなのかもしれない。

(nakamura omame)

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