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いま、最高の一本に出会える

「ドイツ映画祭『HORIZONTE 2019』」来日記者会見の様子。左からラース・クラウメ、トーマス・ステューバー、フランツ・ロゴフスキ、エミリ・アテフ、市川実和子。

ドイツ映画祭が2年ぶりに開幕!監督陣が新作引っさげ来日、自作を語る

ナタリー

19/3/8(金) 19:54

「ドイツ映画祭『HORIZONTE 2019』」が東京・ユーロスペースにて本日3月8日に開幕。来日記者会見が東京・LOFT9 Shibuyaで行われた。

地平線を意味する単語“HORIZONTE”を冠したこの映画祭では、日本未公開の作品を中心に、ドイツ映画界の新世代による作品を紹介。今回は8本の劇映画と2本のドキュメンタリー作品を上映する。ゲーテ・インスティトゥート東京がGerman Filmsとユーロスペースによる協力のもと、2年ぶりの開催を実現させた。

イベントには来日中の「ロミー・シュナイダー ~その光と影~」の監督エミリ・アテフ、「希望の灯り」で主演を務めるフランツ・ロゴフスキと監督のトーマス・ステューバー、「僕たちは希望という名の列車に乗った」のメガホンを取ったラース・クラウメ、そして映画祭のアンバサダーを務めるモデルで女優の市川実和子が出席。それぞれ自作に関してトークを繰り広げた。

「ロミー・シュナイダー ~その光と影~」にてドイツではアイコン的存在となっている女優ロミー・シュナイダーにスポットを当てたアテフ。シュナイダーはアラン・ドロンと交際していたことで知られ、ファッションアイコンとしても活躍するなど名声を手にしながら、晩年には破産や息子の死を経験し、自身も非業の死を遂げた人物だ。映画は彼女が亡くなる1982年5月の約1年前の3日間を描いており、その理由をアテフは「女優としてのアイコンの背後にいる1人の女性に興味をそそられました。人生の危機に陥っている時期でもあり、そこで彼女がどういった女性であったのかに惹かれたのです」と説明する。映画はドイツ語で行われた1981年の最後のインタビューと、キブロンで撮られた白黒のポートレート写真にもとづいて制作された。

ステューバーは、クレメンス・マイヤーによる短編小説「通路にて」を原作にした「希望の灯り」で、旧東ドイツのライプツィヒを舞台に、巨大スーパーマーケットの在庫管理係として働く青年クリスティアンとその周囲の人々のゆるやかなつながりを描いた。本作を「大きなスーパーマーケットを舞台にしたとても小さな、ささやかな物語」と強調するステューバー。さらに「ドイツを分断していた裂け目、それは国家同士だけではなく、人々の中にも存在していた。その部分に光を当て、彼らの声を届けたいと思って作った映画です」と作品の根幹を明かす。「希望の灯り」ではベルリンの壁崩壊後、旧東ドイツで時代に置き去りにされた普通の人々の孤独を、ときにユーモラスにすくい取る。

一方、ベルリンの壁建設前夜に東ドイツで起きた実話をもとにしたのが「僕たちは希望という名の列車に乗った」だ。本作は1956年のハンガリー動乱に共感し授業中に黙祷を捧げた高校生たちが、国家を敵に回し窮地に立たされるさまを描く青春群像劇。本作では「連帯の力」を重視したというクラウメは「若者たちが独裁的な状況を肌で感じながら、それに抵抗しようとする連帯の力。今とは社会的な状況がまったく異なる当時、どのようにその力が生まれたのか描写したかった」と語る。原作は事件の当事者となった19人の生徒の1人ディートリッヒ・ガルスカによるノンフィクションだ。映画ではクラスの中心人物クルトのキャラクターにガルスカの実体験が反映されている。

「ドイツ映画祭『HORIZONTE 2019』」は3月15日まで開催。なお「希望の灯り」は4月5日、「僕たちは希望という名の列車に乗った」は5月17日より全国で順次公開される。

ドイツ映画祭「HORIZONTE 2019」

2019年3月8日(金)~15日(金)東京都 ユーロスペース
<上映作品>
「ロミー・シュナイダー ~その光と影~」
「マニフェスト」
「キャスティング」
「プチ・ブルの犬」
「明日吹く風」
「ソーシャルメディアの“掃除屋”たち」
「父から息子へ~戦火の国より~」
「希望の灯り」
「僕たちは希望という名の列車に乗った」
「未来を乗り換えた男」
料金:一般 1500円 / 学生、シニア、会員 1200円