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アート・オブ・サーカス「Scala -夢幻階段」カーテンコールの様子。(撮影:平尾正志)

「ふじのくに→せかい演劇祭」開幕、宮城聰「浸透して来たなということを実感」

ナタリー

19/4/28(日) 16:10

「ふじのくに→せかい演劇祭2019」が昨日4月27日に開幕した。

開催20年目を迎える今年2019年の「ふじのくに→せかい演劇祭」は、「さあ青だ いやもう一ど 右左」をキャッチフレーズに掲げ、SPAC芸術総監督の宮城聰のもと、多彩な演目がラインナップ。昨日27日は、ヨアン・ブルジョワがコンセプト・演出・舞台美術を手がけるアート・オブ・サーカス「Scala -夢幻階段」をはじめ、宮城が演出を務める「ふたりの女 平成版 ふたりの面妖があなたに絡む」、イム・ヒョンテク翻案・演出の「メディアともう一人のわたし」が上演されたほか、ミロ・ラウ脚本・監督のドキュメンタリー映画「コンゴ裁判~演劇だから語り得た真実~」が上映された。

オープニング作品の「Scala」でアーティスティック・アシスタントを務める津川友利江は「ヨアン・ブルジョワ作品は今回が日本初演であり、彼のポエジーやユーモアが、目の肥えた日本のお客様にどう伝わるかという不安もありましたが、大変御好評を頂き安心いたしました」と公演の手応えを述べる。

また宮城は「ふたりの女 平成版 ふたりの面妖があなたに絡む」について「唐(十郎)さんの戯曲が持っているポエジーが英語でも伝わってほしいなと、そんな願いを持って上演しました。今日もまた明日も日本を母国語としないお客様もたくさん見てくださるので、ポエジーが伝わればいいなと思っています」とコメント。さらに演劇祭全体については「今日上演した4演目は全てソールドアウトで、次第にこの『ふじのくに→せかい演劇祭』も浸透して来たなということを実感しています」と手応えを述べ、「今、“人間への信頼を回復できるかどうか”が演劇人に課せられた大きな一種テーマだと思うんだけれども、演劇祭の演目はそういった意味では、人間への信頼を回復できるような力を持った作品が並んでいるんじゃないかと思います。自分の作品も並んでいる中でそういうのはちょっと恥ずかしいですけど、そのように思っています」と自信をのぞかせた。

「ふじのくに→せかい演劇祭2019」は、5月6日まで静岡・静岡芸術劇場、舞台芸術公園、駿府城公園ほかにて。なお5月3日から6日には、ウォーリー木下がプログラムディレクターを務める「ストレンジシード静岡 2019」が開催される。

宮城聰コメント

演出作「ふたりの女 平成版 ふたりの面妖があなたに絡む」について
世界演劇祭で唐十郎さんの戯曲を演出したいと思っているのは、唐さんの戯曲を世界に紹介していきたいという願いの、微力ながら僕ができることを少しでもやりたいという気持ち。唐さんの戯曲の普遍性みたいなものをなんとか発見して、演出で表現できればと思っています。そのアプローチの一つとして、原作が指定している「密室空間」ではなく、正反対の「屋外空間」、非常に開かれた空間で上演してみる。そのことによって、唐さんの言葉のポエジーがはっきりと見えて来ればいいなと。いわゆる「詩」というものが外国の言葉に翻訳する時に一番難しいものだと思うんだけれども、僕たちが外国の戯曲を上演する時、翻訳の難しさを超えてポエジーを感じることができる。唐さんの戯曲でも逆にそういうことが起こればいいなと。世界演劇祭で上演すれば、自ずと海外から来ているカンパニーのメンバーは見てくれるし、日本にいる外国人、英語を母国語にする方々にも英語の字幕で見てもらえる。唐さんの戯曲が持っているポエジーが英語でも伝わってほしいなと、そんな願いを持って上演しました。
今日もまた明日も日本を母国語としないお客様もたくさん見てくださるので、ポエジーが伝わればいいなと思っています。

演劇祭全体について
今日上演した4演目は全てソールドアウトで、次第にこの「ふじのくに→せかい演劇祭」も浸透して来たなということを実感しています。県内、それから県外からのお客様、共に、ゴールデンウィークは静岡で演劇を観るということを楽しみにしている方がだんだん増えて来た。それから、日本の中でも「劇団」が演劇祭をやっている、それは、SCOTとSPACの恐らく二つだと思いますが、「劇団」という今日の経済原理からは非常に非効率的だとしてだんだん減っているものだけれども、濃密な人間関係の中で作品を作っていく、そういう「劇団」が今度は海外からカンパニーを受け入れて、いわば友達が我が家に訪ねてくるような形で、アットホームな国際演劇祭が立ち上がるという、こういう独特の空気を面白がっていただけているのではと思います。
4演目、バラエティに富んでいますが、どれも「人間」というものについて、「捨てたもんじゃないな」「人間なかなかすごいじゃないか」と観た人が思っていただける作品だなと思っていて。今、“人間への信頼を回復できるかどうか”が演劇人に課せられた大きな一種テーマだと思うんだけれども、演劇祭の演目はそういった意味では、人間への信頼を回復できるような力を持った作品が並んでいるんじゃないかと思います。自分の作品も並んでいる中でそういうのはちょっと恥ずかしいですけど、そのように思っています。

津川友利江コメント

ふじのくに→せかい演劇祭への出演のお話を頂いた時から、出演者・スタッフ皆この日を心待ちにおりました。メンバーには初来日のメンバーも多いのですが、SPACの皆様の迅速な対応と細やかなお心遣いに助けられ、最高のコンディションで本日の初日を迎えることができました。
ヨアン・ブルジョワ作品は今回が日本初演であり、彼のポエジーやユーモアが、目の肥えた日本のお客様にどう伝わるかという不安もありましたが、大変御好評を頂き安心いたしました。
今回ヨアン・ブルジョワは残念ながら来日が叶いませんでしたが、彼自身とても素晴らしいパフォーマーでもありますので、また次の機会に是非、皆さまにご覧いただけたら幸いです。

「ふじのくに→せかい演劇祭2019」

2019年4月27日(土)~5月6日(月・振休)
静岡県 静岡芸術劇場、舞台芸術公園、駿府城公園 ほか

アート・オブ・サーカス「Scala -夢幻階段」

2019年4月27日(土)~29日(月・祝)
静岡県 静岡芸術劇場

コンセプト・演出・舞台美術:ヨアン・ブルジョワ

「ふたりの女 平成版 ふたりの面妖があなたに絡む」

2019年4月27日(土)・28日(日)
静岡県 舞台芸術公園 野外劇場「有度」

作:唐十郎
演出:宮城聰
出演:SPAC

「マダム・ボルジア」

2019年5月2日(木・祝)~5日(日・祝)
静岡県 駿府城公園

作:ヴィクトル・ユゴー
訳・翻案:芳野まい
構成・演出:宮城聰
音楽:棚川寛子
出演:SPAC

ミュージカル「マイ・レフト / ライトフット」

2019年5月2日(木・祝)・3日(金・祝)
静岡県 静岡芸術劇場

作・演出:ロバート・ソフトリー・ゲイル

※「レフト」は取り消し線付きが正式表記。

「歓喜の詩」

2019年5月5日(日・祝)・6日(月・振休)
静岡県 静岡芸術劇場

構成・演出:ピッポ・デルボーノ

「メディアともう一人のわたし」

2019年4月27日(土)~29日(月・祝)
静岡県 舞台芸術公園 屋内ホール「楕円堂」

原作:エウリピデス
翻案・演出:イム・ヒョンテク

ドキュメンタリー映画「コンゴ裁判~演劇だから語り得た真実~」

2019年4月27日(土)・28日(日)
静岡県 グランシップ 映像ホール

脚本・監督:ミロ・ラウ

「ストレンジシード静岡 2019」

2019年5月3日(金・祝)~6日(月・振休)
静岡県 駿府城公園、静岡市役所・葵区役所 ほか静岡市内

プログラムディレクター:ウォーリー木下
出演:Magik Fabrik、HURyCAN、ままごと×康本雅子、梅棒、黒田育世(BATIK)、範宙遊泳、ロロ、山田うん、FUKAIPRODUCE羽衣、ホナガヨウコ企画、KPR/開幕ペナントレース、川村美紀子×米澤一平、いいむろなおきと静岡ストレンジシーズ、劇団壱劇屋、オイスターズ、こふく劇場、ブルーエゴナク、カゲヤマ気象台、劇団 短距離男道ミサイル、渡邉尚(頭と口)、突劇金魚、Mt.Fuji、劇団「Z・A」、TEAM 劇街ジャンクション、超歌劇団、富士フルモールド劇場

※「ふじのくに→せかい演劇祭2019」の→は相互矢印が正式表記。

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