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佐久間由衣が語る、芝居に本気で向き合った時間 「今までの経験は全てノンフィクション」

リアルサウンド

19/6/23(日) 10:00

 デビュー直後から、「ゼクシィ」CMガールやNHKの朝ドラ『ひよっこ』などのオーディション激戦区のなか役を射止めてきた若き実力派女優・佐久間由衣。現在は主演ドラマ『時空探偵おゆう 大江戸科学捜査』(カンテレ)、そして初主演映画『“隠れビッチ“やってました。』を控え、存在感を広めてきている。

 佐久間が出演する最新作『劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』は、息子であることを隠して父とオンラインゲームをプレイする日々を綴り、累計アクセス数が1,000万を超えるブログを原作とした親子の物語。坂口健太郎が演じる主人公・アキオの会社の同僚・里美役を演じる佐久間に、本作への思い入れや、女優としての意識を語ってもらった。

【写真】劇中で急接近する坂口健太郎と佐久間由衣

■「『本物になっていく瞬間』が生まれるときがある」

ーー昨年は『チア☆ダン』(TBS系)、一昨年は『ひよっこ』(NHK総合)と長い時間をかけて一つの作品と向き合ったり、同世代が集まって一緒に作品を作り上げてきた経験は、佐久間さんにとってどういうものになっていますか?

佐久間由衣(以下、佐久間):今までの経験は全て「ノンフィクションだな」と思うんです。役柄は自分ではありませんし、起こっていく物語はだれかが作ったもので、そのなかでみんなが本気で向き合った時間が積み重なると、「本物になっていく瞬間」が生まれるときがあるなと感じていて。

長い期間をかけて撮影していた『チア☆ダン』や『ひよっこ』といった作品もそうですが、お芝居ということとはまた別に、誰かと一緒に一つのものを真剣に作り上げていくのは、自分の大切な経験となっているなと感じます。それが単発的なものであっても、そういう気持ちを感じられたらいいなというのは意識していますね。

ーー今回、『劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』は実話を元にしていて、この前出演されていた『あの日のオルガン』も実話でしたね。実話を題材にした物語への向き合い方で意識していることはあるのでしょうか?

佐久間:実話を元にした作品に参加させていただく時は、調べることを心がけていますが、すべては台本から生まれるものだと思っています。自分に与えられた一冊の台本の中からどれだけその役とタフに向き合えるか、作業としてはすることは変わらないですね。何かをモノマネすることでもないし、どれだけオリジナリティを持ってできるかというのは、どんな作品でも自分の中で大切にしています。

ーードラマや映画の出演や主演作も増えています。今現在、どんな女優になりたいか、目標はありますか?

佐久間:なんだろうなー……。お芝居をする時って、自分が経験したことや自分の考えしか、反映という意味では出来ないので、いろいろな役柄をやってみたいですが、背伸びをしているだけになってしまうんじゃないかなと思うんです。教養を増やして、役柄に向き合うことに対しても、もう少しいろんな選択肢を増やしていきたくて。自分自身でいろんな経験をすることが、結果、今自分がやっているお仕事に繋がると思うので、初心に戻るではないけれど、そういう作業が今は一番大事なのかなと考えています。いろんな役柄をやりたいというのは前提にありますが、いまこの瞬間を大事にしていきたいです。

ーーこの作品に出演されて、佐久間さん自身、何を感じましたか?

佐久間:いろいろな目線から観れる映画だと思いますし、常に誰かが誰かを想っている映画だとも感じています。アキオもお父さんも、美樹も。そういう部分がこの作品の温かさになっているんだなと思ったので、そんなパワーが観た人にとって、なにかプラスのエネルギーになったらいいなと。

ーー劇中のアキオとお父さんのように、家族や友達と向き合いたいけどできなかった、というような経験はありますか?

佐久間:基本、思った時に伝えて、後悔がないようにしようとしているんですけど、やっぱり家族っていい意味でも悪い意味でも甘えてしまうので、素直になれない時は学生の頃にありましたね。今は年齢を重ねて、家族に対して自分ができることも増えてきたので、恩返しをしていけたらなと思うんですけど、学生の頃のままだったら後悔していただろうなと思います。

ーーTwitterを拝見していて、自身の思いを投稿したりしていますよね。あれはどんな気持ちで発信されているんですか?

佐久間:文章は常に書いてるんです。思ったことを書き留めて、思っていることが手だと間に合わない時があって、携帯のメモとかでばばばーっと書いたりはすることもあって……1日経つと書いたものが恥ずかしくなるんですよ(笑)。それを勢いでえいっと投稿して出す時もありますけど、溜めていて、これずっとあるなと思った時に出したり。ぱっと思ったことや、伝えたいことがあった時に文章を書くのが好きなんだと思います。

ーー演技にも活かされていたり?

佐久間:どうなんですかね……結構、固まってしまう感じもしていて。お芝居は現場で変わっていくこともあって、あー反省だなって思ったこともありますので、今はお芝居のことはあまり書いたりしませんね。

■主演の坂口健太郎は「作品に向き合う姿勢がすごく真面目」

ーー今回、原作には登場しない映画のオリジナルキャラという役どころですが、この物語における里美の存在をどのように意識していますか。

佐久間:自分が思い描く里美像を自由に作らせていただきました。お父さんと息子のお話なので、アキオ応援団として、観ている人たちと同じ気持ちで、里美も背中を押せるような役柄になったらいいのかなと。恋愛感情よりもそっちの気持ちを大事にお芝居をしていました。

ーー周りの存在が親子を引き立たせているのを感じました。アキオとの距離感で気をつけたことはありますか?

佐久間:ファイナルファンタジーにハマる前とハマった後というのは、距離感は変えていけたらなと思っていて。最初はいろんなことにドキドキしていただろうし、どうしたら彼と仲良くなれるのかなというラブ要素があったと思うんですけど、いざ、一緒に戦うぞ! となった時に、二人が横にいても距離感が近くても、ファイナルファンタジーの方にハマってしまってる、みたいな鈍感さを感じてもらえたらいいなと。

ーー坂口さんとは、2回目の共演ですよね。どんな役者さんですか?

佐久間:はい。『シグナル長期未解決事件捜査班』(カンテレ)に出演させていただいてますけど、共演シーンはなかったので、演技させていただくのは初めてでした。とてもナチュラルに役に入られていて、作品に向き合う姿勢がすごく真面目な、情熱のある方だなという印象でした。いざ一緒の現場になった時に里美と同じように坂口さんを観察していたんですが、このシーンはこういうふうにしたほうがいい、とか自分の意見も伝えられていて、真っ直ぐさを感じました。

ーーこの作品で一番ぐっときたシーンはどこでしたか?

佐久間:おもしろいとかじゃない方がいいですよね?(笑)

ーーいえ、おもしろいで大丈夫です(笑)。

佐久間:「お父さん、(ゲーム上で使うキャラクターの)名前何にするの?」というシーンで、吉田鋼太郎さんがずっと黙ったあと、「………イノウエ」っていうシーンがほんとにおもしろくて! 何回も観ました(笑)。

ーー最初に訪れるおもしろいポイントの一つでしたね。今回、ゲームは初めてされましたか?

佐久間:やらせていただいてから、撮影に入ったのですが難しかったです……最初は楽しむ余裕もなく。まずはキャラクターを動かしたりキーボードを打つところから、本当に吉田鋼太郎さんがお芝居なさっているとおりで何をしたらいいかが分からなくて(笑)。それほど高密に作られているゲームということにも感動しましたし、自分だけでコントールできるようになれたらハマるだろうなという入り口は見えましたね。

ーーネット上で知らない人たちと繋がって一緒に敵を倒したり、物事を達成することはどうでしたか?

佐久間:ゲームなのにスポーツに近いなと感じました。自分の身体を動かしていなくても繋がっていてコミュニケーションをとることができて、冒険に出かけたり、敵をみんなで倒したり、すごく青春だなって。私自身、この作品のおかげでそれを知れたというのがあるので、そういう意味でも、ゲームをやってない人にも観ていただきたい映画です。

(取材・文・写真=大和田茉椰)

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