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SKE48 松井珠理奈が語る、休業で実感した仲間の絆と心境の変化「みんながいたから復帰できた」

リアルサウンド

18/11/29(木) 12:00

 SKE48が、24thシングル『Stand by you』を12月12日にリリースする。

参考:AKB48 横山由依、松井珠理奈との久々の再会に喜び「ぎゅっと抱き締めてくれて元気でよかった」

 表題曲「Stand by you」は、活動休止から復帰した松井珠理奈がセンターを担当。SKE48の11年目のスタートをメンバーやファンのみんなで一緒に進んでいこうという思いが込められた楽曲となっており、“絆”をテーマにしたミュージカル調のMVには学校を舞台にした迫力のあるダンスシーンが収められている。

 松井は今年6月に開票イベントが行われた『AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙』にて悲願の1位を獲得。その後、6月14日から体調不良により長期休養していたが、9月6日にSKE48劇場で行われたチームS『重ねた足跡』公演の野島樺乃生誕祭にてグループに復帰した。

 リアルサウンドでは、グループと同じく、今年でアイドル活動10年目を迎えた松井珠理奈にインタビュー。休養期間から復帰までの心境をはじめ、グループと距離を取ることで気付けた気持ちの変化や後輩メンバーの頼もしさ、そして11年目へ突入するグループと自身の今後について語ってもらった。(編集部)

■「11年目のスタートで気持ちをひとつにできた」

ーー後楽園ホールでプロレスを観ていた時、珠理奈さんの取材が入るという連絡が来たんですよ。珠理奈さんといえばプロレス好きなので、すごいタイミングだなと思いました。

松井:アハハハハ! そうだったんですね。

ーー7月、8月の活動休止中もプロレスを観ていたんですよね。

松井:『新日本プロレスワールド』(動画配信サービス)で観てました。

ーー『G1 CLIMAX 28』の時期と重なってましたが、棚橋(弘至)さんの優勝にグッとくるものはありましたか?

松井:そうですね。『豆腐プロレス』(テレビ朝日系)で棚橋さんのハイフライフローを使わせていただいていて、ご本人から指導を受けたこともあったし、選抜総選挙でも応援してくださったので、私も応援しなきゃという気持ちでした。私のファンの皆様も棚橋さんを応援している方が多いんですよ。

ーー5月4日にオカダ・カズチカ選手とのIWGP戦で負けて。

松井:その試合、観に行ってました。

ーー棚橋さんはすでにベテランの域に入っているので、その試合で第一線からは退くと思われていたけど、G1優勝で復活したわけですよね。珠理奈さんもキャリア的にはベテランなわけで、棚橋さんと重なる部分もあったのかなと。

松井:そうですね。最近の棚橋選手ってケガでの欠場も多かったじゃないですか。復帰をする時のドキドキ感やステージに出ることができないもどかしさだったり、プロレスラーの方もこういう気持ちなのかなと思いました。私の場合は待ってくれるメンバーやファンの皆様がいることが分かって、そこに喜びを感じて不安を越えることができたんです。

ーープロレスでいえば王者が長期欠場した場合はベルトを返上する流れがありますが、24thシングルの「Stand by you」では珠理奈さんがセンターに立つわけですよね。

松井:覚悟を持って立たなきゃいけないと思いました。MV撮影の時、「ちゃんとできるかな」という不安があったんです。前に人がいないし、間違えられないから。休んでいる間に筋肉が衰えただけじゃなく、ダンスを覚える力も鈍って苦戦しました。撮影しながら勘を取り戻していった感じで。

ーー「Stand by you」のMVはアメリカのミュージカルっぽくて、楽しみながら撮影できたのかなと思いました。

松井:もちろん楽しさもあって。学生に戻ったような気持ちになりました。ダンスを揃えなきゃいけないシーンがいくつもあったんですけど、SKE48だから上手くいったのかなって。11年目のスタートで気持ちをひとつにできたと思います。

ーー「Stand by you」の歌詞には珠理奈さんへのメッセージのように感じる箇所がありますよね。

松井:みんなに言われるけど、そうなんですかね(笑)。ただ、Dメロの歌詞がSKE48だなと思いました。メンバー同士やファンの皆様とメンバーが愛で支え合っているから、「ひとりじゃない」と感じることができるんだなって。そもそも「Stand by you」の意味が「そばにいるね」なので、みんながそばにいてくれたから復帰できたと思ってます。これまではセンターになったら「ひとりで引っ張っていかなきゃいけない」と気負っていたけど、いまは私だけじゃなく、須田亜香里ちゃんや高柳明音ちゃんがみんなに声をかけて前に進むことができる。後輩メンバーに任せることで肩の荷が軽くなったんです。

ーー理解はしていたけど、活動休止前後でメンバーの支えを強く感じたと。

松井:そうですね。みんなが「『珠理奈がいないからダメになった』と言われないように」と危機感を持って取り組んで、それぞれに「引っ張っていかなきゃいけない」という自覚が芽生えたように見えました。前向きに考えたら、SKE48にとっていい夏だったのかなと思います。

ーー珠理奈さん自身は、「いままで力が入りすぎていたな」と思いましたか?

松井:はい。そのピークが総選挙(『AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙』)だったんです。SKE48が10周年で、地元であるナゴヤドームでの開催というプレッシャーがすごくて。どこに行っても「1位になりますよね?」と聞かれたし、SKE48をよくするためには自分が1位にならなきゃいけないという気持ちで力が入りすぎました。想いが伝わってファンの皆様が寝ずに投票してくれたから、私も3日間寝ないでいたら、やっぱり壊れてしまって(笑)。

ーーSKE48ドキュメンタリー映画『アイドル』では、ナゴヤドームで感情がむき出しになった姿も映し出されていました。

松井:怒って泣いてる時の私がブスすぎて恥ずかしかったです(笑)。ただ、映画の中で自分が言ったことは、いまでもそう思ってます。

ーー映画を観た方はその気持ちを理解したと思います。

松井:映画を観て「こういう気持ちだったんだ」と伝わったのは良かったと思います。SKE48で10年やってきた感謝の気持ちが強いので、恩返しをしたかったんです。AKB48あってのSKE48であることは当然なんですけど、ずっと2番手だと思われている現状があって。でも、自分たちはSKE48が1番だという誇りを持っていて。今年の総選挙はナゴヤドームで開催されて、やっとSKE48のほうを見てもらえると思ったので……。

ーー映画を観て、同期である大矢真那さん(2017年11月卒業)の存在の大きさを感じました。

松井:真那がいなかったら開票イベントに出ることができなかったかもしれません。ずっと会場にいてくれたことにすごく感謝してます。2016年に真那が総選挙を辞退して、1期生のなかで私ひとりが臨んだ時、一緒に喜び合えないことが辛かったんです。もちろん他のメンバーとも「よかったね」と言い合うけど、同期で喜びを分かち合うことは格別だから。今年もひとりぼっちの総選挙かと思っていたけど、真那がいてくれてすごく助かりました。

ーーそれこそ棚橋選手がG1の決勝で同期の柴田選手(長期欠場中)をセコンドに迎え入れたことと重なるんですよ。

松井:確かに似てますね(笑)。

ーー棚橋さんが優勝した理由のひとつじゃないですか。

松井:私もそう思います。精神的な支えって大事ですよね。

■「『センチメンタルトレイン』は泣きながら何回も観た」

ーーあるアイドルの方に取材していると、ライブの話になるたびにリハーサルの重要性を訴えていたんです。映画の中の珠理奈さんを見て、やっぱりリハに心血を注いでいるんだなと思いました。

松井:言うだけでは伝わらないので、自分がどれだけ疲れていてもリハから一生懸命にやらなきゃいけないと思ってます。そのうえで言葉で伝えることもあって。たとえばAKB48の曲を歌う時は、「チームKでは(大島)優子さんがこう言ってたよ」「たかみな(高橋みなみ)さんだったらこうしていたよ」と教えてあげれば、「珠理奈さんもAKB48の先輩を見て学んでいたんだな」と思ってくれるのかもしれない。それは私じゃないとできないことだと思ってます。

ーー映画では、3期生の松村香織さんから6期生へ、6期生の鎌田菜月さんからさらに若いメンバーへ、と厳しくも愛のあるメッセージが伝えられていきます。

松井:感動的でしたね。いままで鎌田ちゃんのそんな場面を見てなかったけど、大事なことを分かっているんだな、私たちの気持ちが届いてたんだなと、うれしくなりました。

ーー活動休止中はプロレスだけでなくSKE48の映像を観ていたそうですが。

松井:はい。とくに好きだったのが『いきなりパンチライン』の特典映像で、豊橋に行って10周年記念のシールをいろんなお店とかに貼ってもらう企画でした。楽しそうなみんなを観て元気になったし、復帰したら私もやってみたいなと思いました(笑)。

ーー一般的に休養する方は「グループの情報を入れないようにしました」と言うことが多いじゃないですか。

松井:「焦っちゃいけない」とは思っていたけど、SKE48の映像を観ていると心が穏やかになるんですよ。ただ、『センチメンタルトレイン』(総選挙による選抜シングル)のMVは観ることを躊躇しました。本来はいるはずの自分が出ていないMVを観てどんな気持ちになるんだろう、心が痛くなるかもしれないって。恐る恐る再生したら「自分の居場所はあるんだよ」と教えてくれるようなMVだったので、すごくうれしくて。泣きながら何回も観ました。

ーー歌番組や雑誌でも珠理奈さんにエールを送るような形になっていました。

松井:ありがたいですよね。ファンの皆様は「せっかく投票したのに」と、もどかしい気持ちだったと思うので、今後は感謝の気持ちを伝えられる場面を増やしていきたいです。

ーー須田さんの活躍も観ていましたか?

松井:もちろんです。もともとは泣き虫なのに、最近はすごく強くなったと思います。でも、映画ではセンターを任された時に思うようにいかずに泣いてしまう場面もあって。強くなった須田ちゃんでさえも涙を流してしまうような重圧があるんだなと、いろんな方に伝わったと思います。その重圧に耐えてきたから、私もすごく気持ちが分かるんです。いまのAKB48のセンターは、まわりを指原(莉乃)さんやゆきりん(柏木由紀)さんが固めてくれるから安心できるんだろうなって。でも、SKE48はセンターになりたいメンバーが多くてバチバチ感があるから、センターに立つプレッシャーが重くのしかかる。良くも悪くも、それがSKE48っぽいと思うんですよ。須田ちゃんの頑張りを見て、私も気が引き締まりました。

ーーメンバーの支えがハッキリ見えたと思いますが、それでも自分は強くなきゃいけないと思いますか?

松井:前よりは弱くなったというか、以前は「絶対に負けたくない」という気持ちが大きかったけど、いまはみんなが前に出てくれるので、一歩引いてまわりを見ながらセンターとしての役割を果たそうと思います。

ーー映画では6期生が頼もしい存在になったことが映し出されました。

松井:うれしいですよね。でも、自分のいない2カ月間を映画で観たら、みんな頼もしくてSKE48の色も出ていたんです。最近は5期以降のメンバーから「珠理奈さん、寂しくないですか?」と声をかけてくれて、私との距離を縮めてくれる。というか、「珠理奈さん」じゃなく、「おじゅり」とか「じゅりちゃん」と呼ばれるんですけどね(笑)。私にも話しかけやすいオーラが出てきたのかもしれません。休み明けから「優しい顔になったね」と言われるので。

ーー「柔らかさ」が珠理奈さんの新たな魅力になるといいですよね。

松井:怖い人というか、引き締める人がいたほうがいいとは思うんです。昔のAKB48でいえば(篠田)麻里子様みたいな。でも、それが自分じゃなくてもいいのかなと思いはじめて。私には向いてないことにいまさら気づいたんです。いまは須田ちゃんが引き締める役割を果たしてくれています。ソロで個人仕事をやっている分、言葉に説得力があるんですよ。須田ちゃんが仕事に対する心がまえをしゃべった後、私が「一緒に頑張ろうね!」と明るく話すようになりました(笑)。

ーーいい変化ですね。

松井:はい。

■「アイドルに10年間捧げてきたからいまの自分がある」

ーー復帰後も歌番組やステージは限定的に出演していましたが、今回のシングルから完全復帰ということになるのでしょうか?

松井:まだ詳しくは決まってないんですけど、少しずつ復帰していこうと思ってます。なるべく早くみんなに追いつきたいし、なにより握手会でファンの皆様に会って「ありがとう」と言いたいんです。それと、地元である名古屋での活動も頑張りたいなって。総選挙の公約が名古屋でのパレードだったんですけど、その理由は「ファンの皆様たちと盛り上がりたい」だけじゃなく、「名古屋の人たちを巻き込みたい」という気持ちがあったから。名古屋でもSKE48の名前は知っていてもライブを観たことない人やメンバーのことは知らない人が多くて。でも、直接会った人は必ず好きになってくれるんです。みんな明るくて、初対面の人にもグイグイいけちゃうから(笑)。名古屋の方たちからもっと愛されることができれば、ナゴヤドームでコンサートをした時に素敵な景色を見ることができると思うんです。

ーー10周年記念特別公演(10月4日、5日)でナゴヤドームでのコンサートが発表されるんじゃないかと期待したファンの皆様もいたと思います。珠理奈さんはいまも「ナゴヤドームでコンサートをしたい」と思ってますか?

松井:思ってます。10周年公演の時は発表されない可能性が高いと思っていたので悔しさはなかったんです。映画のインタビューでも、10年走ってこれたことやSKE48が続いたことのうれしさを明るく語りました。その後、高柳明音ちゃんや斉藤真木子ちゃんが泣きながら悔しさを訴えかけているのを見て、確かにあの場で発表されたほうがキレイな形だったとは感じたけど、ナゴヤドームという目標を掲げ続けることが大切なのかなと思ってます。

ーー映画では高柳さんのアイドルにすべてを捧げてきた想いを感じました。珠理奈さんは小学6年生からアイドルをやってきたわけで、「これでよかったのかな」と思うことはありませんでしたか?

松井:ありますよ。普通のことをやってこなかったから。学校から手をつないで帰るカップルを見て「うらやましいな」と思うこともありました。だから、SKE48を卒業した後は普通のことをたくさんしたいんです。それはもう決めてます。何を言われてもやります。アハハハハ!

ーーアイドルに捧げてきた10年間に後悔はないですか?

松井:後悔はないですね。恋愛は卒業してからもできるし、勉強だってやろうとすれば何歳からでもできる。アイドルに10年間捧げてきたからいまの自分があると思うし、ここまで熱くなれるものがあるってなかなかないことだと思うんです。すごく恵まれているなと感じています。

ーーこれからもSKE48を信じて進もうと。

松井:そう思えたのは総選挙で須田ちゃんと1、2フィニッシュできたことが大きくて。1トップは辛いんですよ。(松井)玲奈ちゃんがいた時は、比べられることで成長できた。いま、ファンの皆様は須田ちゃんと私をライバルのように見ているのかもしれないし、来年の総選挙で須田ちゃんが1位になってほしいと思ってるファンの皆様も多いはず。だから、私も燃えることができるんです。

ーー柔らかくはなったけど、魂は燃えているんですね。

松井:はい!

ーー最後に、2019年の展望を教えてください。

松井:SKE48に大切なことは新しいファンを取り入れることだと思うので、最近の私でいえばプロレスが好きになったことでプロレスファンの皆様にも応援してもらえるようになったように、新しい何かをつかむことができたらなと思います。

ーー今日はありがとうございました。

松井:ありがとうございました。最初、ずっとプロレスの話をするのかなと思いました(笑)。(取材・文=大貫真之介)

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