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ぴあ

特別招待作品にA・キュアロン『ROMA/ローマ』も 第31回東京国際映画祭全ラインナップ発表

リアルサウンド

18/9/25(火) 20:30

 第31回東京国際映画祭のラインナップ発表記者会見が、本日9月25日、東京・虎ノ門ヒルズフォーラムにて行われ、阪本順治監督、今泉力哉監督、岸井ゆきの、湯浅政明監督、松岡茉優が登壇した。

 この会見では、第31回東京国際映画祭の全作品ラインナップ、全イベントの概要、そして審査委員が明らかに。また、松岡が同映画祭のアンバサダーに就任したことも発表された。

 昨年の第30回東京国際映画祭では、主演映画『勝手にふるえてろ』がコンペティション部門の観客賞に輝き、期待の若手俳優に贈られる東京ジェムストーン賞を受賞した松岡は、アンバサダー就任を受け、「この東京国際映画祭に華を添えられるように、そして若手の力を示せるように頑張りたいな」と挨拶。続けて、「昨年、せっかく第1回の賞に選んでもらったからには、今後この賞がもっと華やいだものになるように頑張ろうと1年まい進してきました。その1年後にアンバサダーというのは、なかなかいいタイミングで進んでいるんじゃないかなと思います」とその思いを語った。

 昨年、『勝手にふるえてろ』が観客賞を受賞した際の特別上映には、ドラマの撮影が早く終わったこともあり、自ら足を運んだという松岡。「観客賞を受賞した作品ということで、観てくれる方の熱気もありましたし、笑いであったり悲しい吐息が漏れてきたり。東京国際映画祭ですから、国際色豊かな意見が聞けるのは素晴らしい時間でした」と昨年の様子を振り返り、「自信を持って、『地元の大好きな映画祭です』と言えることもうれしい」と、東京都出身の松岡ならではの思いを述べた。

 今年は、出演した『万引き家族』がカンヌ国際映画祭パルムドールに輝いたことに話題が及ぶと、松岡は「しかしながら、私の初めての国際映画祭は東京国際映画祭。自分が生まれ育った東京で国際映画祭を経験しているから、レッドカーペットだって歩けるぞと思って行ったんですけど、寒さと緊張で足がガタガタ震えちゃって。やっぱりカンヌはすごかったです」とカンヌでのレッドカーペットを回顧。「映画が大好きだぞという人たちが肩を組んでいるような熱量は、カンヌに負けてないなと思いました」と東京国際映画祭の良さをアピールした。

 一方、『万引き家族』で共演した、故・樹木希林さんについて問われた松岡は、「樹木さんとの思い出は、それはそれは宝物なのですが、悲しいなという気持ちはあまりなくて。映画の中でお別れをしているんですけど、そこでありがとうもたくさん言えたし、私の中では二度目のお別れのような感じがしています。樹木さんと同じ時代に生まれたんだという誇りを持って、さらに勉強して樹木さんのようになりたいし、樹木さんを生で見た人間として、次の世代の人に渡せるような存在になりたいと強く決意しています」と力強く語った。

 オープニング作品の『アリー/ スター誕生』、今年新設されたGALAスクリーニング作品の『人魚の眠る家』、クロージング作品の『GODZILLA 星を喰う者』など一部発表済みの作品もあったが、この会見では全てのラインナップが発表に。2018年1月以降に完成した長編映画を対象に、世界各国から応募があった作品の中から厳選した16本が賞を競うコンペティション部門には、ミカエル・アース監督の『アマンダ』、フルーツ・チャン監督の『三人の夫』、マイケル・ノアー監督の『氷の季節』のほか、阪本順治監督の『半世界』、今泉力哉監督の『愛がなんだ』を含む全16作品がラインナップ。プログラミング・ディレクターの矢田部俊彦氏は、例年以上に監督の作家性や個性を重視をしたと言い、「激動する世界の中で、個人と世界をどう繋げるか、世界との距離を測る作品が目立つ」と話した。

 『半世界』の阪本監督は「華やかな場所は苦手なので、レッドカーペットを歩くのは不安」と言いつつも、「今年で監督30年目なので本当に嬉しい」とコンペ部門選出の喜びを語り、『愛がなんだ』の今泉監督も「1年に1本作品を作るたびに東京国際映画祭でお披露目できてきましたが、コンペ部門は他の国の方の作品と並んで観ていただるので、また違う。やっとたどり着いたんだなと」と常連ならではの言葉を述べた。『愛がなんだ』で主演を務める岸井も「こんなに映画愛に溢れた皆さんにコンペ部門に選んでいただいてすごく嬉しい」と喜びをかみしめた。

 なお、本年度のコンペティション部門の審査委員長は『ローサは密告された』で知られるブリランテ・メンドーサ監督が務め、審査委員にはプロデューサーのブライアン・バーク、女優のタラネ・アリドゥスティ、監督/プロデューサーのスタンリー・クワン、女優の南果歩が名を連ねた。

 そのほか、山下敦弘監督らが審査委員を務めるアジアの未来部門には、『密偵』のハン・ジミンが主演を務める児童虐待がテーマの『ミス・ペク』など8作品、入江悠監督らが審査委員を務める日本映画スプラッシュ部門には、武正晴監督の『銃』などがラインナップされた。

 さらに、特別招待作品として、アルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA/ローマ』など、ワールド・フォーカス部門で、オリヴィエ・アサイヤス監督の『ノン・フィクション』、カルロス・レイガダス監督の『われらの時代』、パオロ・ソレンティーノ監督の『彼ら』などが上映されることも発表された。

 アニメーション特集『アニメーション監督 湯浅政明の世界』と題した特集が組まれる湯浅監督は「大きな映画祭で光栄でありがたく思っています。まだまだ観られていない作品やなかなか観る機会に恵まれない作品も多いので、こういう機会に恵まれて本当に嬉しい」とコメントした。会見終盤の質疑応答では、松岡が湯浅監督に「俳優に求めるアニメーション映画への起用理由」を直接聞く場面も。湯浅監督は「ネームバリューとかもあると思う」と正直に答えながら、「その人が持っているものが画面に出るといい。その人にしかできない表現になると」と話し、松岡も納得の表情を見せた。

 第31回東京国際映画祭上映作品一覧は以下のとおり。

第31回東京国際映画祭 ラインナップ

オープニング作品

『アリー/ スター誕生』ブラッドリー・クーパー監督

GALAスクリーニング

『人魚の眠る家』堤幸彦監督

クロージング

『GODZILLA 星を喰う者』静野孔文監督・瀬下寛之監督

コンペティション部門

『アマンダ(原題)』(フランス)ミカエル・アース監督
『堕ちた希望』(イタリア)エドアルド・デ・アンジェリス監督
『ブラ物語』(ドイツ)ファイト・ヘルマー監督
『ホワイト・クロウ(原題)』(イギリス)レイフ・ファインズ監督
『氷の季節』(デンマーク)マイケル・ノアー監督
『ヒズ・マスターズ・ヴォイス』(ハンガリー)パールフィ・ジョルジ監督
『大いなる闇の日々』(カナダ)マキシム・ジルー監督
『ヒストリー・レッスン』(メキシコ)マルセリーノ・イスラス・エルナンデス監督
『翳りゆく父』(ブラジル)ガブリエラ・アマラウ・アウメイダ監督
『シレンズ・コール』(トルコ)ラミン・マタン監督
『テルアビブ・オン・ファイア』(イスラエル)サメフ・ゾアビ監督
『ザ・リバー』(カザフスタン)エミール・バイガジン監督
『詩人』(中国)リウ・ハオ監督
『三人の夫』(香港)フルーツ・チャン監督
『愛がなんだ』(日本)今泉力哉監督
『半世界』(日本)阪本順治監督

アジアの未来

『冷たい汗』(イラン)ソヘイル・ベイラギ監督
『母との距離』(フィリピン)ペルシ・インタラン監督
『はじめての別れ』(中国)リナ・ワン監督
『海だけが知っている』(台湾)ツイ・ヨンフイ監督
『ミス・ペク』(韓国)イ・ジウォン監督
『ソン・ランの響き』(ベトナム)レオン・レ監督
『トレイシー』(香港)ジュン・リー監督
『武術の孤児』(中国)ホアン・ホアン監督

日本映画スプラッシュ

『あの日々の話』玉田真也監督
『海抜』高橋賢成監督
『銃』武正晴監督
『鈴木家の嘘』野尻克己監督
『月極オトコトモダチ』穐山茉由監督
『僕のいない学校』日原進太郎監督
『漫画誕生』大木萠監督
『メランコリック』田中征爾監督
特別上映『21世紀の女の子』山戸結希企画・プロデュース

特別招待作品

『あまのがわ』(日本)古新舜監督
『えちてつ物語~わたし、故郷に帰ってきました。~』(日本)児玉宜久監督
『華氏119』(アメリカ)マイケル・ムーア監督
『ギャングース』(日本)入江悠監督
『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1 罪と罰 & Case.2 First Guardian』(日本)塩谷直義監督
『jam』(日本)SABU監督
『女王陛下のお気に入り』(アイルランド/イギリス/アメリカ)ヨルゴス・ランティモス監督
『旅猫リポート』(日本)三木康一郎監督
『ハード・コア』(日本)山下敦弘監督
『パッドマン 5億人の女性を救った男』(インド)R・バールキ監督
『Merry Christmas! 〜ロンドンに奇跡を起こした男〜』(アメリカ)バハラット・ナルルーリ監督
『ROMA/ローマ』(メキシコ)アルフォンソ・キュアロン監督

ワールド・フォーカス部門

『カーマイン・ストリート・ギター』(カナダ)ロン・マン監督
『ある誠実な男』(フランス)ルイ・ガレル監督
『世界の優しき無関心』(カザフスタン/フランス)アディルハン・イェルジャノフ監督
『ノン・フィクション』(フランス)オリヴェエ・アサイヤス監督
『われらの時代』(メキシコ/フランス/ドイツ/デンマーク/スウェーデン)カルロス・レイガダス監督
『イングマール・ベルイマンを探して』(ドイツ)マルガレーテ・フォン・トロッタ監督
『彼ら』(イタリア)パオロ・ソレンティーノ監督
『まったく同じ3人の他人』(アメリカ)ティム・ウォードル監督
『トゥー・ダスト』(アメリカ)ショーン・スナイダー監督
『それぞれの道のり』(フィリピン)ブリランテ・メンドーサ監督、ラヴ・ディアス監督、キドラット・タヒミック監督
『世界はリズムで満ちている』(インド)ラージーヴ・メーナン監督
『プロジェクト・グーテンベルク』(香港)
『家族のレシピ』(日本/シンガポール/フランス)エリック・クー監督
『サラとサリームに関する報告書』(パレスチナ/オランダ/ドイツ/メキシコ)ムアヤド・アラヤン監督
『十年 Ten Years Thailand』(タイ/香港/日本)アーティット・アッサラット監督、ウィシット・サーサナティヤン監督、チュラヤーンノン・シリポン監督、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督

【イスラエル映画の現在2018】
『彼が愛したケーキ職人』(イスラエル/ドイツ)オフィル・ラウル・グレイツァ監督
『靴ひも』(イスラエル)ヤコブ・ゴールドワッサー監督
『赤い子牛』(イスラエル)ツィビア・バルカイ・ヤコブ監督
『ワーキング・ウーマン』(イスラエル)ミハル・アヴィアド監督

Japan Now

『カメラを止めるな!』上田慎一郎監督
『菊とギロチン』瀬々敬久監督
『きみの鳥はうたえる』三宅唱監督
『サイモン&タダタカシ』小田学監督
『パンク侍、斬られて候』石井岳龍監督
『ペンギン・ハイウェイ』石田祐康監督
『万引き家族』是枝裕和監督
『モリのいる場所』沖田修一監督
『リバーズ・エッジ』行定勲監督

【映画俳優 役所広司】
『孤狼の血』白石和彌監督
『キツツキと雨』沖田修一監督
『CURE キュア』黒沢清監督
『うなぎ』今村昌平監督
『Shall we ダンス?』周防正行監督

国際交流基金アジアセンター presents CROSSCUT ASIA

『BNK48: Girls Don’t Cry』(タイ)ナワポン・タムロンラタナリット監督
『ブラザー・オブ・ザ・イヤー』(タイ)ウィッタヤー・トーンユーヨン監督
『めくるめく愛の詩』(インドネシア)ガリン・ヌグロホ監督
『カンボジアの失われたロックンロール』(アメリカ/カンボジア)ジョン・ピロジー監督
『輝ける日々に』<『サニー』ベトナム版>(ベトナム)グエン・クアン・ズン監督
『音楽とともに生きて』(カンボジア)ヴィサル・ソック監督、ケイリー・ソー監督
『リスペクト』(フィリピン)トレブ・モンテラスII監督
『悪魔の季節』(フィリピン)ラヴ・ディアス監督

【ピート・テオ特集】
『15Malaysia』(マレーシア)

日本映画クラシックス

『女は二度生まれる』[4Kデジタル修復版]川島雄三監督
『雁の寺』[4Kデジタル修復版]川島雄三監督
『しとやかな獣』[4Kデジタル修復版]川島雄三監督

ユース

【TIFFチルドレン】
『ロイドの要心無用』(アメリカ)フレッド・ニューメイヤー監督、サム・テイラー監督
『大当り空の円タク』(日本)加藤禎三監督
『ぼくの名前はズッキーニ』(スイス/フランス)クロード・バラス監督

【TIFFティーンズ】
『蛍はいなくなった』(カナダ)セバスチャン・ピロット監督
『ジェリーフィッシュ』(イギリス)ジェームズ・ガードナー監督
『いい意味で小悪魔』(カナダ)ソフィー・ロレイン監督

【TIFFティーンズ映画教室2018】

アニメーション監督 湯浅政明の世界

『夜明け告げるルーのうた』
『夜は短し歩けよ乙女』
『マインド・ゲーム』
『DEVILMAN crybaby』
『湯浅政明 自選短編集 1992-2014』

アジア三面鏡

『アジア三面鏡2018:Journey』(日本)デグナー監督、松永大司監督、エドウィン監督

トリビュート・トゥ・コメディ

『お熱いのがお好き』[4Kレストア版](アメリカ)ビリー・ワイルダー監督
『黄金狂時代』(アメリカ)チャールズ・チャップリン監督
『スペースボール』(アメリカ)メル・ブルックス監督
『ホーム・アローン』(アメリカ)クリス・コロンバス監督
『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(アメリカ)トッド・フィリップス監督

ミッドナイト・フィルム・フェス!

WOWOW映画工房「ファッション・ドキュメンタリー・セレクション」 in 東京国際映画祭
GOAL! GOAL! GOAL! -フットボール映画ベストセレクション-
『アリー/ スター誕生』オープニング記念 歌姫たちの夜
『DEVILMAN crybaby』
金曜洋画劇場 in ’80s

(取材・文=宮川翔/写真=安田周平)

■イベント情報
第31回東京国際映画祭 
開催期間:10月25日(木)~11月3日(土・祝)
会場: 六本木ヒルズ、EXシアター六本木(港区) 、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場(千代田区)
公式サイト:www.tiff-jp.net

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