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「2018年 第92回キネマ旬報ベスト・テン」表彰式の様子。

木竜麻生、寛一郎、川瀬陽太がキネ旬表彰式に出席、内田也哉子が生前の樹木希林語る

ナタリー

19/2/11(月) 11:02

「2018年 第92回キネマ旬報ベスト・テン」の表彰式が2月10日、東京・文京シビックホールにて開催された。

新人女優賞を手にした木竜麻生は「『菊とギロチン』『鈴木家の嘘』に出演させていただき、思ってもみなかった出会いがあったことで、自分は今までこんなふうに思っていたんだ、こういうものが好きなんだと気付くことができました。この賞は2作品に関わっていただいた皆さんでいただけた賞だと思います」と目にうれし涙を溜めながら感謝する。ここで「鈴木家の嘘」の監督を務めた野尻克己がサプライズで登壇し、花束を手渡す。野尻は木竜に対して「すごく真面目な子で人間のことを知ろうという根性もある。僕自身も新人監督で、親子ほどの年の差があるんですが映画を撮る同士だと思っていました。新人女優の彼女とがんばれてよかったです」と述べ、受賞を祝福した。

「菊とギロチン」で新人男優賞を獲得した寛一郎は「賞をいただけるとわかったとき、支えてくれている方々が喜んでくれたので、自分のやったことが顕著に形になるというのは、周囲の人への報恩なんだなと解釈してます。新人賞というのは期待値だと思っているので、映画に邁進していきたいです」と意気込みを語る。司会が父・佐藤浩市から祝福の言葉はあったかと聞くと「『おめでとう』とLINEがありました」とはにかんだ。

日本映画監督賞を受賞した瀬々敬久は撮影のため欠席。代理で出席したキャストの川瀬陽太が瀬々からのメッセージを読み上げる。「『菊とギロチン』の公開時には、風穴を空けるなどと大層なことをうたい文句にしたのですが、結果、状況はそうはならず。『当たり前だ、映画ごときで』と言われそうですが、観ていただいた方の心の中に思いはどこか滓のように溜まっていってくれたのではと思います。ですから、“映画ごとき”をもっともっとがんばっていきます」とコメント。川瀬も「菊とギロチン」の撮影を振り返り「気合が入りまくって、叱咤叱咤の毎日。一丸となって作ったという気持ちが強いです」と語った。

今回から設立された特別賞には、2018年9月に死去した樹木希林が選出。代理でトロフィーを受け取った娘・内田也哉子は「自宅では母の顔しか見せなかったので、こういう場に来て初めて母は役者だったんだなと実感しています」とコメントする。続けて「子供の頃、私は母が役者であることを恥じていまして、人に聞かれたらうちは普通のお母さんだよと嘘をついていました」と明かし、「大人になりいろんな映画を観るようになって、映画というのは毎日食べるごはんぐらい大切なんだなという気持ちになりました。母は自宅では仕事の話はほとんどせず、話すことと言えば食卓でその日あったニュースの話題。母は役者特有の見方をするのかもしれませんが、物事は簡単に白黒や善悪で割り切れない、それが人生であることを憂いていたような気がします。白黒つけられない人生のほころびや、人の心の揺らぎを映画が表していると気付いたときに、それに関わる母は誇りに思える親なのかもしれないと思いました」と述べた。

是枝裕和がメガホンを取った「万引き家族」の撮影時、樹木はすでに余命宣告をされていたと明かす内田。撮影中の樹木の姿を「口ぐせのように『是枝監督とはこれが最後の作品だから』と笑いながら言っていました。母は長い役者人生の中で是枝監督と出会えたことによって、また1つ違う世界が広がったと思います」と述懐。そして「個人的には、母が入れ歯を外して全編出ていたということはとても恥ずかしかったです(笑)。でもヌードより恥ずかしいことを率先してやり、最後まで自分をさらして役に挑んだのはカッコいいなと思います」と誇らしげに語った。

「キネマ旬報ベスト・テン」は、1924年度に当時の編集同人の投票によってベストテンを選定したことを発端とする映画賞。受賞作品および受賞者の詳細は以下の通り。

2018年 第92回キネマ旬報ベスト・テン

日本映画ベスト・テン

1位「万引き家族」
2位「菊とギロチン」
3位「きみの鳥はうたえる」
4位「寝ても覚めても」
5位「孤狼の血」
6位「鈴木家の嘘」
7位「斬、」
8位「友罪」
9位「日日是好日」
10位「教誨師」

外国映画ベスト・テン

1位「スリー・ビルボード」
2位「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」
3位「シェイプ・オブ・ウォーター」
4位「ファントム・スレッド」
5位「ボヘミアン・ラプソディ」
6位「15時17分、パリ行き」
7位「顔たち、ところどころ」
8位「1987、ある闘いの真実」
9位「ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ」
10位「判決、ふたつの希望」

個人賞

日本映画監督賞:瀬々敬久「菊とギロチン」「友罪 」
日本映画脚本賞:相澤虎之助、瀬々敬久「菊とギロチン」
外国映画監督賞:マーティン・マクドナー「スリー・ビルボード」
主演女優賞:安藤サクラ「万引き家族」
主演男優賞:柄本佑「きみの鳥はうたえる」「素敵なダイナマイトスキャンダル」「ポルトの恋人たち~時の記憶」
助演女優賞:木野花「愛しのアイリーン」
助演男優賞:松坂桃李「孤狼の血」
新人女優賞:木竜麻生「菊とギロチン」「鈴木家の嘘」
新人男優賞:寛一郎「菊とギロチン」
読者選出日本映画監督賞:是枝裕和「万引き家族」
読者選出外国映画監督賞:マーティン・マクドナー「スリー・ビルボード」
キネマ旬報読者賞:立川志らく(連載「立川志らくのシネマ徒然草」)
特別賞:樹木希林

文化映画ベスト・テン

1位「沖縄スパイ戦史」
2位「ニッポン国VS泉南石綿村」
3位「ぼけますから、よろしくお願いします。」
4位「奇跡の子どもたち」
5位「獄友」
6位「武蔵野 江戸の循環農業が息づく」
7位「春画と日本人」
8位「蒔絵 中野孝一のわざ」
9位「夜明け前 呉秀三と無名の精神障害者の100年」
10位「まだ見ぬまちへ ~石巻・小さなコミュニティの物語~」

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