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上野樹里×時任三郎は“震災”をどう背負っていくのか 『監察医 朝顔』は新しい法医学ドラマに?

リアルサウンド

19/7/9(火) 6:00

 上野樹里が主演を務める月9ドラマ『監察医 朝顔』(フジテレビ系)が、7月8日よりスタートした。

参考:『監察医 朝顔』の見どころは? 上野樹里、時任三郎、風間俊介の不思議な関係にも注目

 『週刊漫画サンデー』(実業之日本社)に連載された医療漫画を原作とした『朝顔』は、新米法医学者の万木朝顔(上野樹里)と、その父であり刑事の平(時任三郎)が、遺体の謎を解き明かすと同時に、遺体から見つけ出された“生きた証”が生きている人たちの心を救っていくヒューマンサスペンスだ。

 上野にとっては、『のだめカンタービレ』(フジテレビ系/2006年)以来、13年ぶりの月9主演であり、単独主演としては初めてだ。上野と時任は、大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』(NHK総合)でも親子役を演じたものの、上野演じる江が生まれた直後に父・浅井長政は自害していることから、本作にて“実質の初共演”となる。

 本作の最大の見どころは、父娘が事件の死の真相を解き明かしていくという異例の設定だろう。法医学者とは、事件性の有無に関わらず、死因を究明する医師のことを指す。第1話では、平の異動先が自身の管轄であることを朝顔が知ることになる。これまで上野は、『グッド・ドクター』(フジテレビ系/2018年)で小児外科医を演じ、時任は『過保護のカホコ』(日本テレビ系/2017年)で父親役を好演してきた。しかし、それぞれ同じ医師であり、父親ではあるが、立場は全く違う。時任は過去に『ヴォイス~命なき者の声~』(フジテレビ系/2009年)で法医学教室の教授を演じたことからも、本作で父親役を担う必然性を感じさせる。

 その2人の間に割って入ることになるのが、桑原(風間俊介)。朝顔の恋人であり、平とバディを組むことになる新米刑事だ。義理の父親になるかもしれない平とコンビを組む心優しい桑原は「お義父さん!」と平を呼び、「君のお義父さんじゃないから」と定番の返しをくらう始末。朝顔と平との3人での現場検証では、威勢良く返事をする桑原だが、本心は疲労困憊。朝顔伝いで、平からの印象が「ふつう」だと知り、眠れなくなるという板挟みの関係性も面白い。どこか冷たい素振りだった平も、桑原が事件の手がかりとなる水没しかかった紙袋を発見すると、サムズアップ。その姿に満面の笑みを浮かべる桑原を見て、朝顔、平、桑原という3人の関係性が今後どのように変化していくのかが楽しみになった。

 そして、『朝顔』ではもう一つ「震災」という大きなテーマが描かれている。朝顔は東日本大震災で母・里子(石田ひかり)を亡くした被災者。第1話のラスト10分弱は、朝顔と平が8年ぶりに岩手県釜石市に帰省する様子が描かれる。直接的な描写はないものの、地区に流れるサイレンを聞き、当時の情景がフラッシュバックする朝顔、彼女の回想にて体育館に広がるブルーシートは、8年前の悲しい出来事を生々しく呼び起こさせる。事件解決後、桑原の「遺された方はつらいですね」という言葉に平が言う「遺した方だってつらい」というセリフや、故郷の駅で朝顔に告げる「お母さん捜してないと、どうしても駄目なんだ」という言葉からは、いまだ3月11日に留まり続けている平の心情が見える。亡き母の“生きた証”を探す日々を通し、父娘が過去をどのように背負っていくのかがこれから描かれていくだろう。

 法医学のドラマと言えば、主演の石原さとみが法医解剖医を演じた『アンナチュラル』(TBS系/2018年)が絶大な人気を誇る作品として君臨し、今期クールでも大森南朋が解剖医で主演を務める『サイン―法医学者 柚木貴志の事件―』(テレビ朝日系)がスタートする。今後、この2作品と比較されることは避けられないだろう。「震災」というテーマが、法医学ドラマにどのような色を加えていくかが、真の見どころとも言えそうだ。(渡辺彰浩)

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