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ぴあ

間宮祥太朗と斎藤工、師弟関係の結末 『半分、青い。』鈴愛と涼次が遂に親に

リアルサウンド

18/7/29(日) 6:00

 『半分、青い。』(NHK総合)第17週「支えたい!」でメインに描かれたのは、映画監督として師弟関係にある、祥平(斎藤工)と涼次(間宮祥太朗)の物語。脚本を最後まで書ききることの出来なかった涼次が、ベストセラー作家・佐野弓子(若村麻由美)原作の『名前のない鳥』を2年がかりで脚色し、佐野本人も偉く気にいるのだが、立会いの場にいた祥平が「俺が監督しちゃ駄目でしょうか?」と2人きりの場で佐野に頼むところから、事態は思わぬ方向へと進んでいく。自責の念に駆られた祥平は自殺未遂。祥平が監督として『名前のない鳥』の映画を撮ることを了承した涼次は、壊れてしまう。

参考:『半分、青い。』第103話では、鈴愛(永野芽郁)が“ある人”に電話をかけ始める

 映画『追憶のかたつむり2』が大コケし、監督業の仕事もなくなった祥平は、底辺のような広告の仕事で食いつないでいた。その間2年がかりで書き上げた涼次の脚本は、原作の雰囲気を損なわずにうまく映画の脚本にした名作の予感がすると、祥平も絶賛するほどのものだった。そして、佐野も涼次の才能を認め、彼を監督に……というところで祥平が裏切りの交渉を始める。“愛し殺される”と3オバの家から祥平の家へと転がり住んだ涼次は、祥平にとって犬みたいで猫みたいな自然な存在。いつか映画の印税で涼次に借金を返し、監督として独り立ちをさせるという師匠としての立場もあった。祥平は自身の過ちを“魔が差した”と話していたが、きっと弟子に抜かされるという焦りもあったはず。コート・ダジュール国際映画祭「その視点部門」グランプリという過去の栄光にいつまでもぶら下がっている辺りは、涼次と似たり寄ったりの“ダメンズ”なのだが……。

 涼次は『名前のない鳥』の監督のチャンスをあっさり祥平へと譲ってしまったが、彼にも監督を目指す卵としてのプライドはあった。「自分の作る物語が終わるのが嫌」「エンドマークを打ちたくない」。物語の途中にいたいという涼次は、それ故に脚本を書くことができなかったわけだが、裏を返せばそれほどまでに深い愛の持ち主でもある。2年間という歳月の果てに描き切った誰もが認める脚本が涼次の才能の証であり、絵コンテまで切っていた監督への熱量、祥平に監督の権利を譲り壊れ、怠惰した成れの果ての姿が『名前のない鳥』にかけた思いの大きさを示している。

 その2年間、妻として涼次を支え続けた鈴愛(永野芽郁)にとっても、今回の一件は決して他人事でない。時給800円の大納言で働きながら、節約で切り詰めた生活。それに、漫画家で成功するという夢が途絶えてしまった鈴愛にとって、涼次が映画監督を目指す姿は、自分が飛べなかった空を羽ばたく美しい希望。人のために生きようと決心し、2年間尽力してきた結果が、祥平に監督を奪われるという現実。けれど、鈴愛も涼次にとって祥平が大切な人であることを痛いほど知っているため、直接怒ることができない。

 『名前のない鳥』の監督を巡る涼次と祥平の3分余りのやり取りで、鈴愛は一言も発することはないが、どこまでも甘く、祥平を前に頭が上がらない涼次が口を開く度に、疑念、諦めに満ちた表情になっていき、そのまま鈴愛のナレーションで「そして、涼ちゃんは壊れた」と告げられるシーンが何とも印象的だ。過去にも、第13週「仕事が欲しい!」で、秋風(豊川悦司)を前に、自分の描きあげたネームを見せる鈴愛の表情が虚無から落胆へと変わっていく様子に驚いたが、また新たな永野芽郁の表情の幅を垣間見たような気がした。

 鈴愛は、ボクテ(志尊淳)とユーコ(清野菜名)の支えもあり「生きれば生きるほどタフになる」と気持ちを切り替え、涼次も鈴愛の妊娠をきっかけに父親として子供の未来と鈴愛の今に生きることを誓う。第18週「帰りたい!」では、子供・花野が大きくなり、鈴愛も立派な母親に。しかし、そんなときに涼次は祥平に呼び出され、映画の脚本の打ち合わせに……。ブッチャー(矢本悠馬)、菜生(奈緒)夫婦から律(佐藤健)の夫婦生活が上手くいっていないことは話題に上がっていたが、次週久しぶりに律が登場する。このタイミングが意味するものとは一体。そして、涼次は今度こそ“ダメンズ”を脱却できるのか。(渡辺彰浩)

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