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菅田将暉、ギャップの演技で本領発揮! 弁護士・東の成長も『まんぷく』の見どころに?

リアルサウンド

18/12/22(土) 6:00

 朝ドラ『まんぷく』(NHK総合)の第12週「絶対何とかなるから!」から登場した東太一(菅田将暉)。脱税の容疑をかけられ、重労働4年、罰金7万円の実刑判決を受けた萬平(長谷川博己)を救うために福子(安藤サクラ)たちが出会う新人弁護士である。菅田は、シャイだが強い正義感のある青年・東を真摯に演じ、その存在感を存分に発揮させている。

 東は、事務所を開いて2年目の経験の浅い弁護士だ。初対面の相手とは目を合わせられないという一面があり、その頼りなさそうな表情に不安を感じた視聴者もいただろう。しかし東京帝大法学部を首席で卒業した優秀さと、資産整理の依頼は初めてだが、「やらせてください。僕が引き受けます」と福子の目をまっすぐに見つめ、はっきりと応えた姿から感じられる強い正義感に、彼なら理不尽な判決を受けた萬平を救い出せるかもしれないと期待が高まった。

 菅田は幅広い役をこなすことで知られている。映画『共喰い』では、性交中に暴力を振るう父親の血を引いているのではないかと恐れる青年を演じ、『海月姫』では女装する役柄のために、10kg以上の減量と骨盤矯正を行い、普段からハイヒールを履くことで女性らしい体型を作り、美しい女装姿を披露した。『帝一の國』ではいじめられっ子のガリ勉というキャラクターをユーモラスに演じきった。同一人物が演じているとは思えないほど、どの役柄も際立った個性がある。

 東の魅力は強い正義感だ。それが顕著なのが、萬平と面会するシーンである。萬平の身に起こった状況についてわかりやすく冷静に説明する東。東が考察した内容は、萬平や福子にとってあまりにも理不尽なものだった。萬平は悔しさと憤りから感情を爆発させ、絶望的な表情を見せる。しかし東はすっくと立ち上がり、萬平に向かって強く言葉を発するのだ。

「でも希望は捨てないでください!」
「法律もいつどう改正されるかわかりません」
「僕もお2人の力になれるよう全力を尽くします。だからどうか諦めないでください」

 萬平に向かって強く台詞を発するまで、彼は福子たちと目を合わせることなく淡々と現状を伝えていた。しかし「希望は捨てないでください!」というまっすぐな言葉は、絶望に打ちひしがれる萬平の心に届いた。その直前まで涙を浮かべていた萬平を一瞬にして「諦めない」という気持ちに引き戻したのだ。菅田の真摯な演技によって、東が、理不尽な出来事に直面する萬平の希望となるキャラクターだということがひしひしと伝わってくる。

 また東の正義感は決して押し付けがましくない。罰金や追徴課税の工面に対して、東が用意した最善策は「たちばな栄養食品を解散する」というものだった。社員たちとの別れを意味する策に、萬平は怒りをぶつける。そんな萬平に、東は家族がダネイホンに救われた話をする。そして「たちばな栄養食品を解散すれば、不当な追徴課税もなくなり、ダネイホンを守ることもできる」と伝える。しかし東はその策を押し付けようとはしない。最善策を実行するかどうかの最終決定は萬平に託すのだ。

 公式サイトで菅田は「ひとつも気が抜けない環境の中ですが、武力を捨て弁論で戦っていこうとする人たちを少しでも風当たりのよいところへ連れていってあげられるように、微力ながら頑張りたいと思います」と話している。菅田は、彼自身が“東太一”に感じた思いを大切にしながら演じているのではないだろうか。“微力ながら頑張りたい”という思いは、東演じる菅田自身だけでなく、萬平たちを救おうと奮起する東の言葉のようにも感じられる。

 菅田は昨年のNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』でも、カリスマ性とポンコツ性をもった井伊直政を好演。両極端の特徴を持っているからこそ、彼が虎松(幼名)から直政へと成長していく姿がなんとも魅力的に映っていた。本作においても、ファーストカットの頼りない姿から一変、正義感と情熱を内包した弁護士として、福子と萬平の希望の灯火となっている。マイナスな部分も難なく演じきれる菅田だからこそ、“本気”になったときの振れ幅に視聴者は圧倒されてしまうのだろう。福子と萬平の成功物語のサイドストーリーとして、東の成長も見守っていきたい。(片山香帆)

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