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千葉涼平(w-inds.)×KENZO(DA PUMP)特別対談「ダンスの魅力に触れやすい時代に」

リアルサウンド

19/3/12(火) 15:00

 長年同じライジングプロダクションに所属し、親交の深い千葉涼平(w-inds.)とKENZO(DA PUMP)。共に日本のダンス&ボーカルシーンをリードするグループをダンス面から支える2人が、5月から新番組『千葉KENZOの踊ってますか?』(CS「ダンスチャンネル by エンタメ~テレ」/スカパー!プレミアムサービス、スカパー!プレミアムサービス光、スカパー!オンデマンド、J:COMほか全国ケーブルテレビ、dTVチャンネル™にて視聴可能)をスタートさせる。実は同い年という2人のこれまでのダンス人生を振り返るようなロケやダンスセッションなど、ファン垂涎のコンテンツが満載の同番組。今回はそんな番組のスタートを記念して、2人がコラボしたステージの歴史や互いのダンススタイルについてなど、普段のグループの取材ではなかなか聞けないテーマのもと、じっくり語り合ってもらった。(古知屋ジュン)

■二人のダンス交流のはじまり

――番組の中で2人の出会いのエピソードなども紹介されると聞きました。お二人が仲良しだとご存知のファンの方も多いと思うのですが、初めてお仕事でがっつり組んだのは……?

涼平:『UNITED ~VISION DANCE FESTA~』(2010年~※のちに『UNITED ~RISING DANCE FESTA~』に名称変更し、計6回開催)というダンス&ライブイベントをやったときですね。ライジングプロダクションのメンズを中心に、アンダーグラウンドのダンサーたちをゲストに呼んでコラボしました。

KENZO:あとはw-inds.さんのツアー(2010年のFCツアーほか)で、涼平のコーナーの振付をさせてもらったこともありますね。でも元々知り合いで、その前から一緒に練習したりしてはいました。

涼平:DA PUMPに入るときにも「今度、DA PUMPに入るかもしれなくて……」みたいな話を聞いたりして。

KENZO:まさかのw-inds.さんに相談するっていう(笑)。

――そんな昔からのお付き合いだったとは! その『UNITED』は、今振り返ると豪華なイベントでしたね。

涼平:普段のライブとは違ってダンスに特化して、がっつりダンスを見せていく画期的なイベントでしたね。僕らのリスペクトしているダンサーを呼びつつショーを作って見せるというのと、アーティスト同士でメンバーをシャッフルして楽曲をパフォーマンスするという二部構成にして。

KENZO:あれはめちゃめちゃ面白かったよね!

――三浦大知さんのバックでLeadのメンバーが踊ったりとか、印象的なシーンがたくさんありました。

涼平:歌だけじゃなくて他のグループの振りを覚えて披露するというのも、ライジングではなかった試みだったので、ちょっとやってみたかったんです。

KENZO:振り返ると純粋に楽しかったです。ダンサーさんや他のグループと同じステージに立つことはもちろん、リハーサルの段階から学ばせてもらうことも多々あって、貴重な経験だったと思います。

――ライジングプロダクションにはお二方のグループはもちろん、職人的にレベルの高い歌&ダンスを誇るアーティストがそろっていますよね。他のアーティストの楽曲を踊ってみていかがでしたか?

KENZO:シンプルに“みんなすごいことやってるんだな”と感心しました。あと、実際に踊ってみていい振付してるなあ、とか気づかされることも多かった。

涼平:他人の振りって難しいですよね。それをすごく感じた。ダンサーズとのコラボも含めて、スケジュール的にもタイトな中でそれを作っていったので大変でした。今でもたまに『UNITED』を復活してほしいって言われたりしますけど。

KENZO:お客さんからもあのイベントは楽しかったし、内容が濃かったと感想をいただいて。ライジングのアーティストたちがいて、さらに一流のダンサーたちがいたら、表現できる幅が無限大になる。どれだけいろんなダンス&歌のエンターテインメントが、あの場に凝縮されていたかということですよね。

――そしてその『UNITED』のあと、本格的にお二人がタッグを組んだのがダンスショーケースの『The Shot』(2013年・2014年)になりますか?

涼平:あれはw-inds.が1年近く各自ソロ活動期間に入った時期で、僕は音楽以外のことをやってみたくて。ずっとダンスが好きで関わってきたから、ダンスで何かできないかな? と考えたんです。たとえば‟ダンス版ミュージカル”みたいな、ミュージカルなら歌で表現するその瞬間瞬間の気持ちを、ダンスで表現するような。その時点で僕は芝居をほとんどやったことがなかったんですけど、ダンスでの表現なら自分も抵抗なく入っていけるし。

 (ミュージカル映画の)『ハイスクール・ミュージカル』みたいな世界観が元々すごく好きで、見ていると楽しい気持ちになれるんですよ。ああいうものをダンスメインの舞台でできたらすごくいいなと思って。誰とどうやりたいかを考えたときに“KENZO、やんないかな?”と。でもストリートダンスのイメージが強かったから、そういう表現の仕方で一緒にやってくれるかな?と思いつつ「こういうのやりたいと思ってるんだよね、どう?」って投げかけたら……。

KENZO:それはもう、即答でOKですよ!

――演出や振付の方も参加したストーリー仕立てのステージで、ファンの方にも‟グループでは見られない一面が見られた”とすごく評判が良かったのを覚えています。

涼平:当時は今ほどダンス舞台が多くなかったこともあって、手探りの部分が大きかったのでやっぱり大変でしたね。自分がやりたいという気持ちだけでは難しくて、協力してくれる方がいたことが大きかったと思います。KENZOもそうだし、w-inds.のライブの演出をずっとやっていただいているMASAOさん(倖田來未やSUPER JUNIOR、Da-iCEなどのツアー演出等も手掛けている)のサポートもあったから。僕は伝えることが苦手だけど、MASAOさんならやりたいことをなんとなく言っただけでも伝わるようなところがあるので「協力してくれませんか?」と話したらのってくれて、最初の形にできたんですよね。

KENZO:さらに自分たちも練習しないと追いつかないようなレベルの高さでもあったんです。セリフじゃなくダンスだけで表現していくというのは、けっこう難しい部分もありましたし。でもやっぱりこれもやってよかった、いい経験になったという風には思いましたね。いちダンサーとして勉強になったのはもちろん、ああいう作品にカンパニーの一員として呼んでもらえること自体が幸せなことだと感じました。

涼平:大変だったけど楽しくて、‟やっぱこういうこと、好きなんだな”っていう自分なりの発見もあったんです。こういうエンターテインメントを続けていきたいなって思ったというか。

――その経験が、涼平さんがその後出演された植木豪さん(PaniCrew)演出の『WASABEATS』(2014年~)や、宮本亜門さん演出の『SUPERLOSERZ』(2015年)といったダンスをフィーチャーした舞台への出演につながっていったんでしょうか?

涼平:そうですね、そこから毎年出てます。今年に入ってからも梅棒の舞台『超ピカイチ!』がありましたし。

KENZO:いつの間にか舞台にめちゃめちゃ出るようになったよね(笑)。

■w-inds.とDA PUMP、それぞれのダンススタイル

――では、ここから話の切り口を変えて、w-inds.、DA PUMPのダンススタイルについて聞いていけたらと。w-inds.は、時期によってけっこうスタイルが変わりますよね。近年だと『INVISIBLE』(2017年)の頃には‟ダンスに特化したw-inds.を見せる”というテーマのもとに「We Don’t Need To Talk Anymore」などで振りの密度の濃いダンスを見せていましたが、『100』(2018年)の時期にはまた違って、抜きの美学を感じさせるものにシフトしていったというか。

涼平:変わりますね。出すアルバムのカラーにもよりますけど、パフォーマンス面でも1年を通してこういう感じにしていこう、というテーマがあるので、それに沿って作っていく感じです。元々“去年はこうだったから今年もそれを頑張ろう”という感じではないグループで、(橘)慶太がとにかく同じことをするのが嫌な人だから、どんどん移り変わっていく感じ。僕自身も同じスタイルは飽きちゃってすぐつまんなくなっちゃう。だからスタイルを変えていくのは楽しいですね。

――現状のw-inds.のダンスはどういうモードなんですか?

涼平:『100』は、『INVISIBLE』に比べたら振りが少なめで、だいぶフリースタイルが多くなりましたね。その代わりライブでは楽器をやったり、演出のみで見せたり、他の表現が増えました。ダンスが減っている分、踊るときにはそこにぎゅっと凝縮した見せ方のほうが多かったかもしれない。

――再び“すごい踊ってます!”モードのw-inds.を見れる日は来そうですか?

涼平:いつか来ると思うので楽しみにしていてください。振り返ると体感的に一番踊ってたのは、「NEW WORLD」(2009年)とかEDMをガンガンやってた時期かなと思います。ダンス的な目線でも、細かい振りを凝縮した隙間のない感じのダンスが流行っていた時期で。サウンドともリンクさせてそういうこともやってましたけど、最近はそうでもなくて、ちょっと抜いたダンスを考えたりしています。今後のダンススタイルはまあ、気分……でしょうね。

――なるほど(笑)。DA PUMPはフェスみたいな場だと、たとえばYORIさんが(筋肉をはじくような動きの)ポップ、TOMOさんが(動きが激しく挑発的な)クランプですとか、メンバーのみなさんの得意ジャンルをショーケース的に披露されることも多くて、ダンスの玉手箱的なグループというイメージがあります。KENZOさんはグループとしてのパフォーマンスのスタンスをどういう風に捉えていますか?

KENZO:全員が各ジャンルを専門には踊るんですけど、どのジャンルに特化していこうというのはないんです。総じてメンバーはみんな、ダンスが好きなので。強いていえばグループ全体のパフォーマンスとして振りを付けていくときに、その振りのスタイルに合わせてみんなで練習していく形です。その中でこの楽曲にはこういうジャンルのダンスがハマるかな? というあてはめ方もありますし、この曲の振りは誰々が作ってよとなった場合にその人が提示してきたスタイルになる場合もありますし、その時々でさまざまに変化していく感じかなと思います。

――1曲の振りを作るときには、全員の話し合いで? それともどなたかがベースを作る形ですか?

KENZO:うちは人数が多いから、全員で作ると7人それぞれの意見が出てくるんですよ。なので最初に大まかなテーマを決めて、そこから誰かがたたき台、骨組みを作ってみんなで肉付けしていくことが最近は多いですね。この表現にはこの人が合うんじゃないかな? みたいなところから始まって、自分たちで全体の演出までができている感じです。今はあうんの呼吸というか、こういう場面では誰に任せれば大丈夫、というのが手に取るようにわかる。そのくらい、グループ内では意思疎通ができてると思います。

――では、改めて、KENZOさんから見た、w-inds.、涼平さんのパフォーマンスについての印象を教えてください。

KENZO:楽曲的にもそうなんですけど、ダンス的な目線でもw-inds.はトレンドを取り入れるのがめちゃめちゃ早いですね。最先端のダンスとサウンドを組み合わせて提示できる、唯一無二のグループだなと思います。涼平個人に対しては、そういう流行りのダンスだけをやっていればいいんじゃないの? と思うところもあるんですけど(笑)。これはダンサーにしかわからないニュアンスかもしれないですけど、涼平のダンスは技術的な部分や細かいクオリティの部分が密で、それは一日二日ではとてもモノにはできないレベルで。長い年月の積み重ねがあるからこそ極められる動きだったり、洗練された動きを組み合わせているから、ダンス自体に説得力があるんですよ。「じゃあここでちょっとソロやってよ」と言われたときに、確実に予想を超えるクオリティのパフォーマンスを提示できるので、シンプルにすごいと思います。

――デビュー19年目の今でもダンスやアクロバットの技の練習動画をよくTwitterに上げていて、ほんとにダンスが好きで練習熱心な方なんだということは、よく知られているところかと思います。

KENZO:ファンの方は‟今日もダンスの練習やってるんだ、すごいな”みたいに思うのかもしれないですけど、こっちは‟またとんでもないことやってるぞ!?”とビビるわけですよ。“その動きをダンサーの何人が果たしてできるんだ?”というレベルのことまでやってますから。ダンスやってるヤツらからも確実にリスペクトを集めるような、日本でも数少ない‟ダンスで発信できる人”だと思います。

――では涼平さんから見たDA PUMP、KENZOさんのパフォーマンスはいかがですか?

涼平:すごく昔からDA PUMPというグループを見てきているんですけど、最近のスタイルはダンスをよく知らない人に対してもわかりやすくダンスの魅力を届けよう! という感じで、お客さんに寄り添っているなと思います。

KENZO:(無言で深くうなずく)

涼平:新曲の「桜」も、サビはマネしやすい振付になってますしね。それってすごく大事なことで、こだわりすぎてコアなところに行きすぎても、見ている人に届かなかったら自己満足で終わってしまうじゃないですか。テレビみたいな場ではそういう形でやっていますけど、ワンマンに行けば最新のダンスも見せてくれたり、逆によりオールドスクール感のあるマニアックなこともやってたりするんですよ。

 あと、ISSAくんが歌いながらヒット(注※筋肉をはじくような動き)を打ってたりして、‟なんでそれで声ブレないんだよ?”って新鮮にビックリしたりします。普通歌いながらやったら絶対ブレますからね。あれは化け物ですよ。僕的には、DA PUMPのそういうすごさももっと世間に伝わったらうれしいなと思います。「ISSAくん、歌上手いね」だけじゃなくて、なんであれだけ歌いながら踊って、声もまったくブレないのか。

KENZO:やってることが異次元なんですよね。ISSAさんは。技術的なことは企業秘密とかよく言ってますけど、あれも長年かけて洗練されてきた技術で。声の出し方ひとつとっても一年二年じゃ出せないような積み重ねがあって、マイクチェックだとか一つ一つの細かいこだわりから成り立っているもの。同じ現場でずっとやってきたけど、改めてこの人の後ろで踊りたい! といつも思います。

――加入して10年経っても、やっぱり歌って踊るISSAさんのカリスマ感は新鮮ですか?

KENZO:めちゃめちゃ新鮮ですね。長くやってきて少し感覚が麻痺しちゃってるとこもありますし、パフォーマーなので基本的には踊りに集中しているんですけど、一緒にステージに立っていてもふと俯瞰の目線で見たときに“この人は本物だな”って、肌で感じます。

――ISSAさんの話でつい盛り上がってしまいましたが、涼平さんから見たダンサーとしてのKENZOさんは……?

涼平:オールマイティ、ですね。多ジャンル踊れちゃうし、できないことないんじゃないかなって思っちゃう。

KENZO:うーん、バレエはそうでもない、かも(笑)。

涼平:でもストリート系ならできないものはなさそう。ジャンルだけじゃなくて、たとえば立ちのダンスが上手かったらフロア技が苦手、とかいうダンサーは多いですから。日本でKENZOみたいに器用なダンサーはそれほど多くないと思います。

KENZO:ジャンルで特化してやっている人も多いからね。自分の場合はいいなと思ったら自分もやってみよう、みたいな感じでダンスを好きでいたら、最終的にどんなジャンルも好きだ! になっちゃっただけで。

――グループでのパフォーマンスや、これまで出場したコンテストではロック(注※DA PUMPの振付にもよく用いられる、激しい動き→静止の流れが鍵(ロック)を連想させるダンス)がお得意なイメージがあったんですが。

KENZO:グループのときはグループの見せ方をするというのが好きなので、多ジャンル感みたいなものはあえて、出していないんですよね。でも自分がソロでやるときは今流行りのコレオグラフ(トレンドの曲を振り付けて踊ること)もやりますし。

涼平:そこもすごいなと思うんだよね。

KENZO:もともとヒップホップを始めたのが19歳くらいで、最初に受けたレッスンがLAスタイル(歌詞を連想させる動きなどを組み込んだなめらかな動きのヒップホップ)だったんですよ。このLAスタイルはコレオグラフに近い感じでそこから入っているので、ヒップホップに対しても、トレンドの曲でトレンドの振付を踊るっていうことにもあまり抵抗がないというのはあると思います。

■「今、すごくいい時代を生きてる」

――なるほど。お二人のダンススタイルに関しては番組の中でも垣間見られる部分があると思うので、そちらに期待しています。最後に、今の日本のダンスシーンに関して思うことはありますか? 教育の分野でダンスが必修科目になったり、歌番組でダンスや振付特集が組まれたりとここ10年くらいで結構変わってきたと思いますが。

KENZO:ダンスが好きだったり関心がある方が、メディア側にも増えたのかなと感じることはありますね。ストリートダンスが最初にテレビで取り上げられた頃って‟グルグル回るんだ”みたいな感じで、たぶん色物扱いだったと思うんですよ。でもそのうちダンスが好きな人たちが増えてきて、いろんな状況を変えていってくれたのかなと思います。たとえばアーティストの方がバックダンサーをリスペクトして名前を挙げるようになったり……DA PUMPに入る前のダンサー時代を振り返っても、涼平自身がダンサーへのリスペクトをすごく持っている人だったから、僕らのダンスに価値を見出して上へ上へと押し上げてくれるダンス愛みたいなものを、すごく感じてましたし。

涼平:(照笑)。明らかなシーン全体の変化みたいなものは感じますよね。この数年は特に、ダンサーもいちアーティストとして尊重されるようになってきたし、シンプルに一般の方からの注目度が違ってきたと思うので。やっぱりYouTubeとか便利なサービスが増えて、よりダンスの魅力に触れやすい時代になったというのもあると思うんですけど。

KENZO:たとえば映画の『フラッシュダンス』(1983年)からブレイクダンスブームに火がついて、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(1985~1995年)の高校生ダンス甲子園、『RAVE2001』(1998~2000年)や『少年チャンプル』(2004~2005年)、『スター☆ドラフト会議』(2011~2013年)とか、いろんなダンス番組があったじゃないですか? そのときそのときは一過性のブームだったと思うんですけど、そういう一つひとつの点が線になってきて、ディスコ世代からキッズ世代までに幅広く、ダンスの価値を高めていってくれたんじゃないかな。だから今、すごくいい時代を生きてるなって感じますね。

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