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PerfumeとBLACKPINKが『コーチェラ』出演を果たした意義 両者のパフォーマンスを振り返る

リアルサウンド

19/5/5(日) 8:00

 先月2週間に渡って開催された世界最高峰の音楽フェスティバル『コーチェラ・ヴァレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバル2019(以下、コーチェラ2019)』に日韓のガールズグループが出演したことが話題になった。コーチェラは1999年から毎年アメリカ・カリフォルニアの砂漠地帯であるコーチェラ・ヴァレーにて行われている大規模の野外音楽フェスで、ロック、ヒップホップ、ポップ、EDMなどジャンルを問わず世界的なアーティストが揃うビッグイベントだ。今年もアリアナ・グランデ、チャイルディッシュ・ガンビーノ、Tame Impalaなどの大物アーティストたちが集まった。その象徴的なステージにPerfumeとBLACKPINKがそれぞれ日韓の女性グループとして初出演を果たしたのだ。

(関連:Perfumeが次に越えるのは“世界”への境界線? 挑戦の1年振り返りと2019年への期待

 14日と21日のステージに登場したPerfumeは、日本でも独特な存在感を放つグループだ。テクノサウンドをベースにした音楽性やキレのある特徴的なダンス、音楽をビジュアライズしたようなステージ演出とパフォーマンス、そのどれもがPerfumeしか見せることのできない魅力ばかり。しかし彼女たちが初めから今の立ち位置にいたのかと言うとそうではない。2000年当時、まだ小学生だった彼女たちは自らグループを結成して広島のローカルアイドルとして活動を始め、2002年にインディーズでデビューした。ところが今のPerfumeが誕生したのは彼女たちがさらなる成功を求めて上京し、2003年にプロデューサーの中田ヤスタカと出会ってからだ。中田ヤスタカはPerfumeに新たな音楽性とコンセプトを与え、一般的な女性グループとは違った独自性を追求し、2005年にメジャーデビューを果たした。2007年には「ポリリズム」「チョコレイト・ディスコ」などがヒット。しかし彼女たちはここでさらに高みを目指す。2012年にユニバーサルミュージック・ジャパンに移籍して海外進出に挑んだのだ。その後はアジアやヨーロッパでツアーをするなど活発に海外活動を増やし、2014年には待望のアメリカデビューを果たした。今年も北米ツアーなど海外活動に集中している。そのようなチャレンジが重なり、今回『コーチェラ2019』に出演するという快挙を成し遂げたのだ。

 一方、12日と19日に『コーチェラ2019』のステージに上がったBLACKPINKは、恐ろしい勢いでK-POPガールズグループのグローバル記録を塗り替えているチームだ。多くのK-POPスターを誕生させたYGエンターテインメントから2016年にデビューした彼女たちは、“可愛い(PINK)が、それだけではない格好良さ(BLACK)もある”という意味を持ったグループ名にふさわしい“ガールクラッシュ(同性である女性が憧れるような格好いい女性の魅力)”をコンセプトにし、デビューして間もなく韓国トップクラスのアイドルになった。さらに最先端のヒップホップやエレクトロニックのサウンドを取り入れた音楽、歌とラップ、ダンスをひとつに合わせたK-POP的なパフォーマンスが世界中で注目されてグローバルにブレイク。1stミニアルバム『SQUARE UP』は世界44カ国でiTunesアルバムチャート1位を獲得し、リードトラック「DDU-DU DDU-DU」は韓国の女性グループとしては初めて米ビルボードのソングチャート「Hot100」にランクインした。今年リリースした「Kill This Love」は自らの記録を更新して41位を獲得。去年10月にはユニバーサルミュージックグループ傘下の<インタースコープ・レコード>と契約し、本格的な海外進出を発表。現在北米ツアーを敢行しており、続いてヨーロッパツアーも予定されている。グローバル活動に集中するK-POPアイドルとして、今回の『コーチェラ2019』への出演は重要なチャンスだっただろう。

 Perfumeの『コーチェラ2019』出演はファンの間ではもちろん、現地のメディアでも大きな話題となった。『Billboard』は彼女たちを「未来的でエレガントなエレクトロポップからもう一歩踏み出した『Future Pop』をリリースした」と紹介しながら、「Perfumeは体験そのものだ」と語ってその期待感を示した(参照:https://www.billboard.com/articles/news/international/8493620/who-is-perfume-coachella)。本番ではPerfumeならではの派手なスクリーンビジュアル、リアルタイムエフェクト、そして3人のダンスがパワフルな電子音と完璧にひとつになり、鮮烈な“Perfume体験”を披露した。日本の大衆には「FUSION」や「edge」などの楽曲はハードな音楽性だと思われたかもしれないが、EDM音楽に慣れている現地のオーディエンスにとっては、それこそが野外フェスのレイブパーティーにとっておきのトラックだ。『Rolling Stone』はPerfumeを「コーチェラ2019」のベストアクト16組に選出し、「日曜日の夜にとびきりのレイブパーティーで盛り上げてくれた……まるで蜂が蜜へと群がるように、好奇心旺盛な観客たちがステージに吸い込まれていく」と会場の雰囲気を描写した(参照:https://rollingstonejapan.com/articles/detail/30585)。

 BLACKPINKの『コーチェラ2019』出演も、発表されるや否や話題となった。チャートでの好成績やYouTubeの再生回数などからも分かるように、すでにアメリカにもBLACKPINKのファンベースは存在していたが、今回の出演は既存のファンベースを超えてアメリカの一般大衆にアピールできるチャンスだ。

『Forbes』も今回の出演に関して「BLACKPINKの出演はアメリカの一般大衆のレーダーにK-POPを映らせる最新のケースだ」と語った(参照:https://www.forbes.com/sites/caitlinkelley/2019/01/04/blackpink-history-coachella-debut-kpop-age-streaming/#6244b71b79de)。本番のステージで、BLACKPINKはバンドセットでアレンジしたセットリストでさらにパワフルなパフォーマンスを披露。代表曲の「DDU-DU DDU-DU」「Kill This Love」を含めた計13曲を約1時間にわたって歌って踊り、オーディエンスを盛り上げた。その日のパフォーマンスは高い注目を集め、Twitterのワールドワイドリアルタイムトレンドランキングで「BLACKPINK×コーチェラ」というワードが1位になるほどだった。観客とメディアの両方から絶賛を浴び、『Vulture』は今回のパフォーマンスを「K-POPと音楽の未来に歴史的な瞬間だ」と評価した(参照:https://www.vulture.com/2019/04/coachella-2019-blackpink-set-was-historic-moment-for-k-pop.html)。

 PerfumeとBLACKPINKの『コーチェラ2019』出演は彼女たち自身にとってもマイルストーンとなったはずだが、同時に各国の音楽シーンにも大きな影響を与えただろう。まずJ-POPシーンにとっては、欧米でマニア層を中心に消費されてきたJ-POPが一般の音楽ファンにアピールする方法のヒントが得られただろう。また、すでに日本でトップクラスの人気を誇る彼女たちがさらにグローバル市場へと挑戦したことは、J-POPシーンにとっても大きな刺激となったのではないだろうか。一方でBLACKPINKは、グローバルなK-POPファンダムだけに依存せず積極的なアプローチを取ったことで、裾野を広げる役割を果たした。K-POPがアメリカのメインストリーム入りを現実化しつつある今、BLACKPINKの『コーチェラ2019』出演はその流れを一押ししただろう。これから海外進出を目指すK-POPグループの音楽性や進出方法にも影響を与えるはずだ。PerfumeとBLACKPINKのこの一歩が両国の音楽シーンに与えた新たな刺激が、今後どのような形で現われていくのか楽しみでならない。(soulitude)

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