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『後妻業』男同士の対決からも目が離せない 高橋克典が黒幕・柏木役で見せる“余裕”

リアルサウンド

19/2/13(水) 6:00

 木村佳乃が“後妻業”(=資産家の老人を狙う遺産相続目当ての結婚詐欺)をなりわいとする悪女を演じるドラマ『後妻業』(カンテレ・フジテレビ系)。その第4話が2月12日に放送された。

 小夜子(木村佳乃)の次のターゲットは、大手外食チェーンの会長・富樫幹夫(佐藤蛾次郎)。小夜子は幹夫に遺言公正証書にサインをさせようと動き出すが、幹夫が認知症を患っているため、思うように話が進まない。そのころ、本多(伊原剛志)は後妻業の黒幕である柏木(高橋克典)に接触。本多は朋美(木村多江)に雇われた探偵だと身の上を明かし、小夜子について問いただす。当然柏木は口を割らないが、本多が只者ではないと察し、次の手を考えている。そんな矢先、刑務所から出所したばかりの小夜子の弟・黒澤博司(葉山奨之)が訪ねてくる。

 第4話では、小夜子と柏木を淡々と追い詰める探偵・本多と後妻業の黒幕・柏木の対決が見ものだった。柏木が運営する「ブライダル微祥」で対峙した2人。自らの正体を偽ることなく、小夜子について問いただす本多と、飄々とした態度で白を切る柏木。この2人のシーンは、小夜子VS朋美のコミカルなシーンとは対照的に、重厚感のある緊迫したものとなった。

 伊原の演技が印象的なのは、本多がとにかく動じることなく冷静に、淡々と小夜子たちを追い詰めることである。元大阪府警のマル暴刑事である本多は、表情を崩すことなく、小夜子たちと関係する人物に近づき、彼女たちの素性を暴こうとする。後妻業の調査を依頼した朋美が、小夜子の生い立ちを知り、同情しそうになったときも「相手は悪人だ」と冷静に彼女を諭す。そんな本多にも、世話を焼いていたシングルマザーに家を出て行かれたという、傷心する出来事が起きている。大学のゼミの後輩である朋美は、本多に生じた微妙な変化に気づくが、冷静さを崩さない本多の様子からその傷ついた心を察するのは難しいはずだ。

 今作で伊原は感情的な表情をほとんど見せない。しかし、だからこそ小夜子たちの巧みな“後妻業”の裏側や焦る彼女らのコミカルな様子を引き立たせることができるのだろう。また感情的な表情を見せず、本多の本心が見えにくいからこそ、夫の不倫現場に居合わせてしまった朋美との関係が今後どうなっていくのか、視聴者の期待と不安が駆り立てられる。

 一方、柏木は本多とは対照的だ。本多と対峙した際にはどっしりと構えていた柏木だが、本多が立ち去った後、彼は厳しい顔をすると上着を脱ぎ、その場に叩きつけた。小夜子に探偵が来たことを伝えたときには、その口調から焦りが伝わってくる。小夜子と共に余裕綽々な態度をとってきた柏木が動揺する姿を見ると、本多の調査力が凄まじいことが伝わってくる。だが、バディである小夜子と共に、4人もの老人から金を奪い取っている柏木にはやはり余裕がある。ドラマ終盤に小夜子と会話する柏木からは、もう焦りの表情は見られない。

 高橋は柏木のキャラクターを崩すことなく、表情や態度だけを対峙する人や状況によって変えていく。小夜子に対して焦りを見せたかと思いきや、博司に対しては保護者のような寛大さを見せつける。ドラマ終盤、夫の不倫現場に居合わせ涙する朋美が柏木にぶつかってしまうのだが、朋美の涙に気づいた柏木は彼女に優しく声をかける。その姿からは本多の言う「悪人」の一面は伝わってこない。また柏木は小夜子に対して、時折彼女を慰めるような言葉を発する。厳しい生い立ちを歩んできた小夜子とどのように出会ったのかは定かではないが、彼女にだけ見せる柔らかな表情がある。その表情は2人にバディ以上の関係があることを予期させる。未だ謎の多い柏木の素性だが、果たして本当にただの「悪人」なのだろうか。

 動じない姿勢を崩さない本多と、人によって表情や態度を柔軟に変える柏木。小夜子や朋美と関係を深めることで、この2人にも変化が生じるかもしれない。男同士の対決からも、目が離せない。(片山香帆)

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