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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

(C)Yuji Hori

加古隆 作曲家として、そしてピアニストとして

〜再渡仏とソロ・ピアノ〜

連載

第7回

19/5/7(火)

 再渡仏したのは、1978年12月の終わり頃でした。まずやりたかったことは、ジャズ・ピアノ・トリオTOKの活動を広げることでしたね。パリではもちろん、ドイツやポルトガルにも演奏しに行きました。その中で、一番の成果と言えるのは名門レーベルECMでのレコーディングです。当時まだECMでレコーディングを行った日本人は居なかったのです。そのECMからレコーディングのオファーがあったことはとても嬉しかったですね。1979年6月に、ドイツ・シュトゥットガルト近郊にあるECMの「トーン・バウアー・ストゥージオ」で録音を行いました。アルバムタイトルは「PARADOXパラドックス」。このアルバムは全世界で発売されたのです。これが完成したことによって、僕自身グループとしての到達点に達したという手応えを感じたのです。もちろん更に続けていけば、また別の側面が見えてきた可能性もありますが、こればかりは誰にもわからないことでしょう。私の中ではとりあえず十分に満足できて結果も残せたということです。アルバム自体の発売は1980年に入ってからですので、日本でTOKのツアーを始めてから2年後のことですね。私自身、TOKとしてやるべきことをやり遂げた感が強く、これ以上続けていくことへの強い欲求を持たなくなっていたのです。

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