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ぴあ

TUBE、通算30回目の横浜スタジアム公演 シーンの最前線を走り続けるバンドの記念すべき1日

リアルサウンド

18/9/13(木) 18:00

 毎夏恒例となっているTUBEの横浜スタジアム公演が、今年で通算30回を迎えた。8月25日、『TUBE LIVE AROUND SPECIAL 2018 夏が来た!~YOKOHAMA STADIUM 30 Times~』と題された、記念すべき公演を振り返ろう。

 一昨年は台風の接近、昨年は予期せぬ雷雨と、困難に見舞われながらも、満員の観客を熱狂させた本公演。この日の横浜は、30回という節目を祝福するような快晴だ。列島を悩ませ続けた酷暑は爽やかな風に緩和され、これ以上ないライブ日和になった。デビュー翌年の1986年から、現在まで31年間連続、計128回の単独野外ライブを開催し、約280万人の観客を動員してきた夏の王者、TUBE。そのキャリアのなかでも特別な1日が、晴れないわけがないーーという予感は、幸運なことに的中した。

 横浜スタジアムの最寄駅=みなとみらい線・日本大通り駅の構内から、近隣のコンビニエンスストアに至るまで、BGMはTUBE一色。嫌が応にもライブへの期待は高まり、3万人の“TUBEコール”が、スタジアムに鳴り響く。そのなかで、前田亘輝(Vo)は、気負いもなくふらりと、「アイスキャンディー売り」に扮してステージに登場。さっそく涼と笑いを届け、1曲目から浴衣姿のダンサーたちを従えて「夏だね」を披露した。「Beach Time」ではタオルが回り、早くも盛り上がりは最高潮だ。

 春畑道哉(Gt)が、「30回目の横浜スタジアムライブへ、ようこそいらっしゃいました、TUBEです! 今日はみんなで目一杯盛り上がれるように、たくさん曲を準備してきました」と観客を沸かせ、前田は「今年は30回目のスタジアム。いろんな人からそれを聞くたびに我々メンバーは“ちゃんとしなきゃ”というプレッシャーに駆られています。今までで一番緊張していたよね」と、舞台裏を明かす。続けて、「30回目ということは、1回目があるということで。1回目のオープニングナンバーって、みんな憶えている? 僕たちは忘れていました(笑)」と前田がおどけて見せ、演奏されたのは「夕方チャンス到来」だ。まさに夕暮れが訪れる時間帯、その粋なシチュエーションに、オーディエンスも〈You’ve gotta chance all right〉のコールで応える。角野秀行のベース、松本玲二のドラムには、初期の名曲を瑞々しく届ける軽快さがある。

 1986年リリースの言わずと知れた大ヒット曲「シーズン・イン・ザ・サン」から、昨年産声をあげ、すでにライブに欠かせない一曲となった「My sunny day」まで一気に駆け抜けると、陽もさらに傾き、風はより涼やかに。そんななかで、角野がウクレレを持ち、「ちょっと座って、水分補給をしましょう」と、観客をクールダウンさせる。ここからは、メンバー四人だけのアコースティック編成で、しっとりとしたステージが展開された。「夏を抱きしめて」に、バーラウンジ風にアレンジされた「青いメロディー」。心地よく聴き入る時間が流れ、その後は、スタジアム恒例の“大噴水バラード”として、前田がずぶ濡れになった「灯台」、そして春畑のエモーショナルなギターが観客の心を震わせたサッカー・Jリーグのオフィシャルテーマソング「J’S THEME 25th ver.」と、バラエティ豊かな楽曲が披露されていく。

 ライブも後半に差し掛かり、ここで大きなサプライズがあった。“湘南サウンド”の大先輩で、TUBEメンバーも敬愛してやまない若大将・加山雄三が、名曲「海 その愛」を熱唱しながら登場したのだ。観客も〈海よ 俺の海よ〉の大合唱で、これに応える。加山は「30回目だと聞いて、思わず駆けつけて来ちゃった」と語り、2011年のホールコンサートツアー『若大将・湘南 FOREVER』でカバーした「湘南My Love」、また加山が14歳の時に作ったという「夜空の星」を共に演奏し、記念すべきライブに花を添えた。

 その後、前田がベスパに乗って再登場し、最新曲「夏が来る!」が届けられる。すでに陽も暮れ、また夏も終わりに差し掛かっているが、そんな中でも、青い空と海が目の前に広がるような、爽快な一曲だ。本編の最後は「恋してムーチョ」で締めくくられ、スタジアムはこれから夏本番を迎えるかのような、熱気に満たされたのだった。

 アンコールでは、怒髪天のTUBE愛が溢れる「夏番長」が印象的だった。〈30年間夏番長 春秋冬など目もくれず 30年間夏番長 今年も夏に留年決定!〉と、夏バンドとしての矜持を歌い、応援団のように背筋を伸ばし、真顔で楽曲を盛り上げる春畑の姿がスクリーンに映ると、観客の笑いと声援がスタジアムを満たした。本編最後の曲「You’ll be the champion」では、ガメラのように火を吹きながら宙を舞うゴンドラに乗った前田が熱唱し、打ち上げ花火も交えたド派手な演出で、ファンを驚かせた。

 盛りだくさんのライブの最後に、前田は「横浜スタジアムのライブは最高だ、と言ってくれるみんなの気持ちがうれしくて、ここまで続けてこられました」と、ファンへの感謝を語り、「この曲をやらないと、夏は終わらないでしょう!」と、日本の夏を象徴するアンセム「あー夏休み」を熱演。そして、まさにこの日のステージのような、情熱的な夏の夜を歌ったライブの定番曲「Hot Night」で、大団円を迎えた。

 30回目という節目にふさわしく、まさに見どころ満載のライブだったが、これでひと段落……とならないのが、常にシーンの最前線を走り続けるバンド=TUBEだ。来年の夏、さらに開催が続けば2020年には30年連続の横浜スタジアム公演となり、平成最後の夏を充実のライブで締めくくった彼らが、どんな風景を見せてくれるのか。残暑も厳しいなかだが、早くも来夏の到来が待ち遠しい。

(文=橋川良寛)

■リリース情報
春畑道哉Jリーグ25周年記念アルバム
『J’S THEME ~Thanks 25th Anniversary~』
発売:2018年8月22日(水)
初回生産限定盤(CD+DVD+PHOTOBOOK)】
通常盤(CD)】
※この商品は、公益社団法人 日本プロサッカーリーグの承認を受け製造したものです。
アルバム特設サイト

オフィシャルHP

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