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[ALEXANDROS]、『Sleepless in Brooklyn』アナログ盤リリースの意義 作品背景などから考察

リアルサウンド

18/12/19(水) 17:00

 11月21日に、力作であり傑作である7thアルバム『Sleepless in Brooklyn』をリリースした[ALEXANDROS]。このたび、12月19日に同作のアナログ盤もリリースされた。今作に限らず、日本国内において、アナログ盤のリリースが増加傾向にあることは、ここ数年のニュースなどで知る人も多いだろう。マニアックなコレクターや熱心な音楽ファンには愛され続けてきたアナログ盤だが、最近では、遊びに行ったクラブでDJがプレイする姿に惹かれた人や、大きなサイズのジャケットをポスター感覚で飾る人など、アナログ盤をカジュアルに親しむ人が増えてきているところが大きい。Instagramで魅せるアイテムや、おしゃれなインテリアとして取り入れるリスナーも、多数いるのだ。また、世界に視野を広げてみると、それ以前から、アーティストの主導もあって、アナログ盤のリバイバルムーブメントが起こっており、毎年4月に行われるレコードの祭典「RECORD STORE DAY」の輪も各国に広がっている。この点から見ると、結成当初から大きな野望を持ち、それを音と活動で着実に形にしてきた[ALEXANDROS]にとって、今作をアナログ盤でリリースしたことは必然ともいえる。

 また、それに加えて、『Sleepless in Brooklyn』が、アナログ盤になること、そしてアナログ盤として聴かれることに相応しい作品であるというところも重要である。まずは、作品が生まれた背景。アルバムタイトルも示唆しているが、今作は主にアメリカ・ニューヨークで制作された。刺激的な音楽、アートに触れられる街の空気を吸い込んだ今作は、自然に世界中に並んでいることが想像できる仕上がりになっている。そう、“かたち”として、あんな国にもこんな国にも置いてある“絵”が見えるのだ。それは、ニューヨークで撮影されたというアートワークも含めて。今やサブスプリクションで音楽を聴くことが当たり前ではあるが、そこには“かたち”がない。同じフィジカルメディアとしては、まだまだCDも日本では主流ではあるが、アートワークも楽曲も世界観も音質も含めて、そこには収まりきらない広さと深さが表現されているように感じられる。彼らや今作をとりまく状況や漠然としたイメージからいっても、アナログ盤というサイズ感がしっくりくるのだ。

[ALEXANDROS] – アルペジオ (MV)

 もっと詳しく掘り下げていくと、今作は、[ALEXANDROS]の枠をグッと広げ、“ロックバンド”という根深いイメージを引っこ抜き、この時代、今の自分たち、というものをただひたすら正直に反映させたように聴こえる。エレクトロもヒップホップも、他の様々なアートも楽器も、これまでの[ALEXANDROS]にくっ付けたというよりは、今の[ALEXANDROS]が昇華した、と言えるくらいの溶け込み方で息衝いているのだ。そこに気付くと、彼らのそもそものパート――ボーカル・ギター・ベース・ドラムが、プレイや音色でどういうアプローチをすることによって、それを成しえているのか? ということを探りたくなり、一音一音をディープに聴き込みたくなる。そうすると、細やかなギターのカッティングや、胸にズンズン響くビート、そして澄み切ったハイトーンボイスなど、楽曲に寄り添ってピュアにパッケージされた音色の数々がクリアに聴こえてきて、耳に優しく染み渡り、心身を芯から踊らせる。聴けば聴くほど、プレイヤーに針を落として、向き合いたくなる、洗練されたクオリティが感じられるのだ。

 現在は自身最大規模となるライブハウス&アリーナツアーを行っている彼ら。今作に収録されている楽曲も、ライブではまた違った躍動感ある輝きを放っているはずだが、ライブバンドに留まらない彼らの魅力や才能を味わうためには、この機会にアナログ盤を手に取ることをおすすめしたい。彼らが、アーティストとして、音楽家として優れていることを実感できるはずだ。

■高橋美穂
仙台市出身のライター。㈱ロッキング・オンにて、ロッキング・オン・ジャパンやロック・イン・ジャパン・フェスティバルに携わった後、独立。音楽誌、音楽サイトを中心に、ライヴハウス育ちのアンテナを生かしてバンドを追い掛け続けている。一児の母。

■リリース情報
『Sleepless in Brooklyn』
アナログ盤発売日:2018年12月19日(水)
【アナログ盤/完全生産限定】<アナログ盤2枚組>¥4,000(税抜)+税

<収録曲>
LAST MINUTE
アルペジオ(PlayStation®4用ソフト「JUDGE EYES:死神の遺言」主題歌)
Mosquito Bite (映画「BLEACH」主題歌)
I Don’t Believe In You (MINI 3 DOOR/5 DOOR TVCMタイアップソング)
ハナウタ (東京メトロ「Find my Tokyo.」CMソング)
PARTY IS OVER
MILK (映画「BLEACH」挿入歌)
spit!
KABUTO
Fish Tacos Party
Your Song (PlayStation®4用ソフト「JUDGE EYES:死神の遺言」挿入歌)

Encore Tracks
SNOW SOUND (JR東日本2016-2017 JR SKISKI CMソング)
明日、また (2017 クロレッツタイアップソング)

■関連リンク
New Album『Sleepless in Brooklyn』特設サイト
[ALEXANDROS]オフィシャルHP

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