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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

第4回

ユーミン自身が語る“アルバムとその時代”

『ダイアモンドダストが消えぬまに』1987年

全8回

18/12/8(土)

 80年代は1年に1~2枚のアルバムを出していましたが、「このまま続けていたら、いつか壊れる」と思っていました。1年に1枚、というレギュレーションがいまの音楽業界に影響を与えているとしたら、後輩たちがかわいそう。レコード会社の人たちは「できるはずだ」と思っているかもしれないけど、普通はできません。
 私自身、曲のアイデアには、いつも困っていました。でも「もうダメだ」と思ってから、3発は出てくるんです(笑)。たとえば「ノーサイド」という曲は、ラテンのバラードを聴ながらテレビを観ているときに、たまたま花園(東大阪市・花園ラグビー場)の高校ラグビーを中継していたのがきっかけでした。試合が終わって、選手たちが泣いていて。その感動的なシーンとバラードは合うなと思い、「ノーサイド」を書いた。ラグビー好きの人たちがまわりにいたので、その影響もあるかもしれません。
 「ノーサイド」のヒットによって、女性たちがラグビー場に足を運ぶようになったという話がありますが、当時の私はとにかく馬車馬のように働いていたので(笑)、世間のことはよくわかっていませんでした。自分が何かの影響を与えたということではなくて、“世の中とチューニングが合っている”という感じだったのかな。でも、どこかで「チューニングが合わなくなるときも来るだろうな」とも思っていたんですよ。恐れというよりも、諦念といったほうがいいのかな。その気持ちが出ているのが『ダイアモンドダストが消えぬまに』。このアルバムは、「このきらびやかな美しい風景もいつかは消える」という内容ですから。いま振り返ると、確信犯的なタイトルだなと思います。

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