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ビートたけし、生田斗真、峯田和伸……『いだてん』回を重ねるごとに魅力を増す登場人物たち

リアルサウンド

19/2/4(月) 15:00

 2月3日に放送された『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(NHK総合)第5話では、主人公・金栗四三(中村勘九郎)がオリンピック予選大会で激しいデッドヒートを繰り広げる回となった。

参考:宮藤官九郎は過去と現在をどう繋ぎ合わせるのか “疾走”する大河ドラマ『いだてん』を読む

 高座に上がったほろ酔いの志ん生(ビートたけし)は、オリンピックの噺(はなし)を始める。明治44年、オリンピックへの参加選手を決める羽田の予選会で、金栗は、10里およそ40キロメートルという未だ体験したことのない距離に挑む。

 今作では、主人公・金栗を取り巻く個性豊かな登場人物がたくさん登場する。そんなキャラクターの中から、第5話で登場する印象深い人物をピックアップした。

 第5話で清々しい笑顔が印象深かったのが、四三と同じ日本初のオリンピック選手となる三島弥彦を演じる生田斗真だ。第4話では羽田の予選大会には選手として参加せず、審査員として協力すると言っていた弥彦だったが、全国からやってきた健脚の選手たちに感化され、短距離走に参戦することになる。

 審査員として選手たちを見つめる顔は険しく、何か悶々とした感情を心に秘めているようだった。短距離走に参戦すると名乗りをあげる前、うずうずと足を動かしているシーンでは、スポーツ社交団体「天狗倶楽部」のメンバーらしい、やんちゃさと血気盛んな若者らしさが伝わってくる。短距離走の結果は堂々の1位。胸から下げた金メダルを誇らしげに掲げる清々しい笑顔は「運動会の覇王」と呼ばれるに相応しい表情だった。審査員に名乗りをあげながらも「走りたい」という思いを押し殺す姿、そして「走りたい」という気持ちを解放させたときの清々しさによって、子爵の名家に生まれながらスポーツに打ち込む弥彦の苦悩と自信が伝わってくる。四三と共に日本初のオリンピック選手となる弥彦は、今後どのように四三と関わるのか。

 羽田の予選大会には清さん(峯田和伸)も出場していた。清さんは若き日の古今亭志ん生である美濃部孝蔵(森山未來)と腐れ縁の人力車夫である。小学校しか出ていないにも関わらず足に自信のある清さんは、羽田の予選大会にこっそりと出場する。自分と同じく足袋を着用して走ろうとする四三に気さくに話しかけたり、足袋が脱げかけている四三に声をかけたり、下町風情溢れる人懐っこさが印象的な登場人物だ。峯田の自然体の演技は、肩肘張らずに人々と付き合う清さんを体現している。予選大会では早々に棄権してしまう清さんだが、第5話では予選大会の場で四三と絡み、前話では直接絡みはしないものの、四三と長い付き合いとなる足袋の播磨屋店主・黒坂辛作(ピエール瀧)との対話シーンがあったりと、毎話何かと登場人物たちをつなげる役回りを演じている。

 最後に、ビートたけしが演じる古今亭志ん生について紹介する。家族から注意されているお酒を飲み、ほろ酔いのまま高座に上がってしまった志ん生。落語「芝浜」を噺していたつもりが、四三のオリンピック予選大会を語り出してしまったり、噺の最中に居眠りをしてしまったりとかなりいいかげんだ。しかし、噺を聞きに来た客からは「寝かせといてやれよ!」と声がかかり、他の客たちがドッと笑うシーンがある。いいかげんにも関わらず、観客から、そして家族や弟子から愛される姿が印象深い。「落語の神様」とも呼ばれる古今亭志ん生だが、孝蔵時代の”悪童”っぷりを時折醸し出すことで、ビートたけし演じる志ん生にはどこか茶目っ気がある。それは、長年お笑い芸人としてお茶の間をわかせてきたビートたけしだからできる演技なのではないだろうか。

 豊かな出演者で溢れる『いだてん~東京オリムピック噺~』。回を追うごとに、主人公・四三と登場人物たちが複雑に交錯していく。今は接点の少ない登場人物たちの動向も気になるところだ。(片山香帆)

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