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LUNA SEAの歴史は現在、そして未来へ続いているーーレア曲披露した『LUNATIC X’MAS』レポ

リアルサウンド

18/12/30(日) 15:00

 来年結成30周年を迎えるLUNA SEAが12月22日、23日に埼玉県・さいたまスーパーアリーナで『LUNATIC X’MAS 2018 – Introduction to the 30th Anniversary-』と題してクリスマスライブを行った。22日公演にはメジャーデビューアルバム『IMAGE』を携えて行った全国ツアー『IMAGE or REAL』、23日公演にはメジャー2枚目となるアルバム『EDEN』を携えた全国ツアー『SERCH FOR MY EDEN』がそのままサブタイトルとしてつけられており、当時のツアーの再構築に期待が集まっていた。本稿ではその両日の模様をレポートする。

 まずは初日である22日。開演時間を少し過ぎたあたりから待ちきれないSLAVE(LUNA SEAファンの総称)が手拍子を始め開演を煽ると、会場が暗転し、映し出された『IMAGE or REAL』のモチーフになる少女の瞳が開くと流れたのはケイト・ブッシュの「Babooshka」。初期のLUNA SEAがライブの登場SEに使っていた懐かしのナンバーである。登場したメンバーの中でもRYUICHI(Vo)は当時を彷彿とさせる濃いアイメイクに白のエクステンションをつけた気合いの入りようで会場からは歓声があがった。SUGIZO(Gt/Vn)のギターがけたたましく音をあげたのを合図にライブは「Déjàvu」でスタートし、SUGIZOとJ(Ba)は勢いよく花道に飛び出していく。また、「MECHANICAL DANCE」を待ち侘びていたSLAVEは多く、Jが殴るように荒々しくイントロのベースを弾くとひと際大きな歓声があがる。さらに、SUGIZOは当時よりさらに凶暴に仕上がったギターソロを魅せた。

 MCではRYUICHIが「俺たちも約20年以上トリップして、昔のライブも見て、これ再現するの無理かも! とか思いながら(笑)」と話していたが、「IMITATION」ではSUGIZOとINORAN(Gt)が緻密なツインギターを披露、ランニングベースが心地いい「IN MIND」にいたっては25年ぶりの披露に歓喜の声があがり、会場を26年前にトリップさせていく。しかしながら、彼らはただ過去の再現で終わるバンドではない。重要なポイントは、進化した“2018年のLUNA SEA”の音で再構築していることだ。それは、「LUNA SEAも来年30周年だから、俺たちが通ってきた道、残してきた足跡、作品や色々なものを進化させながら30周年を迎えたい」というRYUICHIのMCでも明らかだった。「SANDY TIME」や「VAMPIRE’S TALK」において当時荒々しかったRYUICHIの声は、穏やかでいて内に狂気を秘めたような力強さをもって歌われていた。一方、真矢(Dr)の小気味いいドラムとブラッシュアップされたギター隊の音色で白い世界を構築した「WALL」のINORANの魂が浄化するようなアルペジオとSUGIZOの流麗なバイオリンのアウトロのアレンジは、まさしく25年前と変わらないものだった。

 そんな中、「今夜は20数年前に戻ったということで、僕もまだ22歳ということでよろしいでしょうか?」と笑いを取ることも忘れなかった真矢のパワフルなドラムソロと、シンプルなコールアンドレスポンスで会場をアジテートしていった永遠の悪ガキ・Jによるベースソロを挟み、ライブは終盤戦へと差し掛かる。『IMAGE』きってのハードコアナンバー「SYMPTON」になると、Jは腰を落としベースを低く構え臨戦態勢をとり、INORANはヘッドバンギングし、RYUICHIは別人のようにギラついた眼つきでシャウトする。さらに「PRECIOUS…」や「TIME IS DEAD」では、アイコンタクトを取り、楽しそうに笑い合いながらライブをする5人の姿を見ることもできた。本編ラストを飾ったのはアルバムと同じく「WISH」。無数の銀テープが舞い、多幸感あふれるなか大団円を迎えた。

 アンコールはSUGIZOのディレイサウンドが神秘的な「MOON」から。続いて演奏されたのは最新作『LUV』に収録されている“今のLUNA SEA”が詰まった「Hold You Down」だ。このセットリストに並べると異質に思えるが、〈キミは いつしか かけがえないもの〉〈つかまえていよう ずっとずっと キミを〉という歌を聴くと、当時から今まで彼らを支えてくれたファンへのメッセージなのだと感じずにはいられなかった。

 メンバー紹介の際に“ファンに愛の言葉を”と促されたINORANは「(92年の)『IMAGE or REAL』の時代は僕喋ってなかったんで」と言い、笑いを誘う。その後RYUICHIが「やっていくうちに当時を思い出して燃えました」「でも、まだみんな燃え足りないと思うんで」とオーディエンスをたきつけると、真矢のカウントからキラーチューン「ROSIER」を披露した。さらに畳み掛かるように「TONIGHT」が始まると、INORANは当時からは考えられないほど感情を爆発させる。そこには“静のINORAN”の面影はなかった。

 本公演では、もう聴けることはないと思った楽曲たちを聴ける喜びや想像もしなかった未来が訪れたことへの素晴らしさを実感できた。と同時に、明日はどんな想像もできないライブが見れるのだろうと考えながら帰路についた。

 ダークでゴシックでパンクな夜から一晩明けた23日も、さいたま新都心駅周辺は黒い人だかりに溢れていた。前日同様、しびれを切らしたSLAVEが手拍子を始めると、暗転した会場にケイト・ブッシュの「Rocket’s Tail」が流れ、割れんばかりの歓声があがる。その歓声をかき消すようなRYUICHIの「Jesus! Don’t you love me?」という声が響くと、それよりも大きな声がさいたまスーパーアリーナを包んだ。

 RYUICHIが「昨日も凄く懐かしくて新しいライブだったんだけど、今日もさらに進化したLUNA SEAを『SEARCH FOR MY EDEN』としてお届けしたいと思います。みんなもう(LUNA SEAの)全部を知ってるじゃん。だけど今日はきっと新しいLUNA SEAを感じられると思う」と話した後、披露されたのは「ANUBIS」。真矢のタイトで機械的なドラムとSUGIZOのエッジの効いたギターが独特な雰囲気を醸し出していく。また、「STEAL」では、ひと際大きな歓声があがる。同曲は、LUNA SEAでは珍しいシャッフルナンバーで、SUGIZOがフレットレスギターを弾くのも特徴だ。続けてアルバム『EDEN』と同様の展開で「LAMENTABLE」が流れる。この流れを期待していたSLAVEも多く、かくいう筆者もその一人。思わず声をあげてしまいそうなのをこらえるのに必死だった。

 RYUICHIは「過去の自分たちの足跡を振り返ると、すごい歴史があるんだよね。俺たちのやってきたことは無謀であったり、めちゃくちゃであったり、でもLUNA SEAっていう筋が通ってるのを感じて、めちゃくちゃ楽しいんですけど。これからもLUNA SEAの道を5人で行きたいと思います」と語ると、INORANがアコースティックギターを鳴らし始める。そして「これも久々かな」と前置きをして奏でられたのは「RECALL」だ。INORANの繊細で優しいアコースティックギターの音色とSUGIZOの伸びやかなギターが作り出す世界は白中夢のよう。当時よりも甘くなったRYUICHIの声が映える一曲だった。この日一番のハイライトとなったのは「Claustrophobia」だろう。カップリング曲でありながら、ダークで痛々しいまでの世界で、当時から根強い人気を誇っていた同曲。SUGIZOがフレットレスギターで紡ぐバイオリンのような音と、後半理性を失ったように声を荒げるRYUICHIのボーカルには、ただただ圧倒されることしかできなかった。

 一方ドラムソロは、こちらが音圧吹き飛ばされそうなほどパワフル。さらに、おなじみの“真矢コール”によって会場はひとつになった。Jのベースソロになると、会場のボルテージは再び高まりを見せた。RYUICHIが「俺たちにとってはこの23日というのは特別なルナティックなクリスマスだよね」と話すと、前日と同じく「White Christmas」と「I for You」をプレゼント。さらに「今日は今までの過去を全て超えてみない? 人間って本気になる瞬間ってあるじゃん。今それをやってみない?」とRYUICHIが投げかけて始まったのは「STAY」だった。25年ぶりの披露ということもあり会場からは悲鳴にも似た歓声が聞こえ、そのとびきりのポップさをもって会場を幸せな空気が包んでいく。その雰囲気は「IN MY DREAM」に引き継がれ、フロアが大きく手を振り、メンバーが楽しそうに戯れるシーンも見られた。また、本編ラストの「BELIEVE」では大合唱が巻き起こる。するとRYUICHIがこぼれそうな涙を堪える場面も。RYUICHIの涙は、会場の幸福感を象徴しているかのようだった。

 アンコールはLUNA SEA唯一のクリスマスソング「HOLY KNIGHT」から。ミラーボールが幻想的に会場を照らし、雪が舞う。さいたまスーパーアリーナは一足早いホワイトクリスマスとなった。そして最新作『LUV』に収録されているファンクチューン「BLACK AND BLUE」では、SUGIZOの小気味いいカッティングに、思わずオーディエンスはクラップハンズをする。前日の「Hold You Down」同様、“今のLUNA SEA”の象徴である同曲を過去の楽曲と共に披露することで、より彼らの“現在”が際立つ。さらに未来を歌うこの曲は、「LUNA SEAのこれまでの歴史は全て、“現在”、そして未来へと続いているのだ」ということを強く感じさせた。

 そして、LUNA SEAは来年5月29日にZepp TokyoでフリーチケットのSLAVE限定ライブを行うことをアナウンス。この告知についてRYUICHIは「これは俺たちからの感謝の気持ち」と明言。はやくもチケットは争奪戦が予想されるだろう。さらには30周年のスペシャルライブとして、5月31日と6月1日に日本武道館ツーデイズも行うという。RYUICHIは「30周年の始まりのライブになると思ってるので、特別な何かをみんなに届けられたらと思っている」と語った。新しい未来を告知した彼らは、ラストスパートとして「ROSIER」を投下。Jのブレーンバスターも決まり、会場の熱は最高潮に。最後に、この幸せな2日間の最後を締めくくったのは「WISH」。同曲で降り注ぐ銀テープを見ながら、“この景色こそ幸せと呼ぶのかもしれない”と思った。それほどまでに美しいエンディングだったのだ。

 LUNA SEAの5人は25年以上経ってもロックに魅せられた“ロックキッズ”のままだった。過去の楽曲たちをただ再現するだけでなく、進化した今のLUNA SEAサウンドで聴かせようとする彼らの美学に敬意を払うとともに、これまでの全ては“現在”へ繋がっていること、その“現在”は未来へと繋がっていることを教えてくれた2日間だった。そして、その未来は明るいということも、この2日間でLUNA SEAが教えてくれた。いよいよ始まろうとしている彼らの30周年アニバーサリーイヤーに期待しつつ、今はまだこの2日間の余韻に浸っていようと思う。

(取材・文=オザキケイト/写真=LUNA SEA Inc.)

■セットリスト
2018年12月22日(土)
01. Déjàvu
02. MECHANICAL DANCE
03. IMITATION
04. IN MIND
05. Image
06. SANDY TIME
07. WALL
08. VAMPIRE’S TALK
09. Dr.Solo & Bass Solo
10. FATE
11. White Christmas〜I for You
12. SYMPTOM
13. PRECIOUS…
14. TIME IS DEAD
15. WISH
<ENCORE>
01. MOON
02. Hold You Down
03. ROSIER
04. TONIGHT

2018年12月23日(日)
01. JESUS
02. Déjàvu
03. ANUBIS
04. STEAL
05. LAMENTABLE
06. RECALL
07. Providence
08. Claustrophobia
09. Dr.Solo & Bass Solo
10. BLUE TRANSPARENCY
11. White Christmas〜I for You
12. STAY
13. IN MY DREAM
14. TIME IS DEAD
15. BELIEVE
<ENCORE>
01. HOLY KNIGHT
02. BLACK AND BLUE
03. ROSIER
04. WISH

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