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Jodeci、Savage Garden、Yes……『ジョジョの奇妙な冒険』歴代洋楽EDを振り返る

リアルサウンド

18/10/20(土) 10:00

 10月5日からスタートしたTVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』(TOKYO MX)のエンディングテーマがJodeci「Freek’N You」に決定し、第2話よりオンエアがスタートした。オンエア直後、Twitterのトレンド2位に「JODECI」がランクインし、iTunes Store「R&B/ソウル」トップソングにおいては、連日1位を獲得。総合チャートにおいても、最高63位にまでジャンプアップしていることを確認している。

(関連:アニメ『ジョジョ』と洋楽の深い関係ーーサヴェージ・ガーデンが新EDに起用された背景を探る

 1987年より連載を開始した『ジョジョの奇妙な冒険』は、2017年に30周年を迎えた。昨年は、作者・荒木飛呂彦氏の出身地であり、第4部の舞台・杜王町のモデルとされる宮城県・仙台市にて2012年以来、国内2度目となる原画展『荒木飛呂彦原画展 ジョジョ展 in S 市杜王町 2017』を開催。そして、今年は30周年の集大成として、東京・国立新美術館にて『荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋』を開催。これは、現役漫画家としては国立新美術館で初の展示会となる。すでに東京での開催は終了しているが、11月からは大阪文化館・天保山に場所を変え、ジョジョの祭典は続いていく。その東京と大阪のインターバルの熱狂を埋める役割を果たすのが、第5部のアニメである。

■洋楽のイメージが息づくジョジョの世界
 ジョジョと洋楽の関係性は限りなく深い。今回の原画展開催にあたり、荒木氏は多くのメディアの取材に答えていたが、その中でも印象的だったのが『news zero』(日本テレビ系)でのインタビュー。ジョジョの魅力の一つ、コマに振られる擬音の中の「ドドド」は、ドラムのリズムをイメージしているということだった。「『ジョジョ』の連載を始めた当時、プリンスの曲とかを聴いていたんですけど、ピュンピュンピュンピュンとか、何かヘンな音が入っているんです」(『JOJOmenon』(集英社ムック)より)とも、過去のインタビューで擬音について答えている通り、漫画の発想の原点には荒木氏がこよなく愛する洋楽のイメージが息づいている。

■ジョースター家とDIOの因縁をどこかイメージさせるYesの「Roundabout」
 ジョジョのアニメシリーズがスタートしたのは、2012年10月。荒木氏の洋楽好きを思ってか、これまでのエンディングテーマには、全て洋楽が起用されている。第1部、第2部のエンディングテーマに選ばれたのは、イギリスのプログレッシブロックバンド、Yesの「Roundabout」だ。「Roundabout」を収録したアルバム『こわれもの(Fragile)』は、TVアニメのオンエアが始まった10月から1月末までのセールスが、通常時の約20倍を記録している(参考:イエスの“ラウンドアバウト”、『ジョジョ』効果で売上が20倍に)。「Roundabout」は、プログレの特徴である8分36秒と長尺曲のため、アニメのストーリー展開に合わせて、異なる曲のパートがオンエアされた。それに合わせて、アニメも少しずつ変化していったのだが、一貫していたのは、ジョースター家の血統、交錯していく登場人物たち、運命を決定づける石仮面、エイジャの赤石という重要アイテム。変拍子、転調が多く、曲調も明暗分かれる「Roundabout」だが、タイトルや歌詞からはジョースター家とそのライバルであるDIOの因縁をどこかイメージさせる。

■The Bangles&Pat Metheny Group起用の第3部
 空条承太郎を主人公に、DIOの潜むエジプトを目指す第3部では、The Banglesの「Walk Like an Egyptian」、エジプト編にはジャズ/フュージョンバンドのPat Metheny Group「Last Train Home」が起用された。The Banglesに至っては、タイトルがそのままジョースター一行の旅の目的を示しており、Pat Metheny Groupは原作の扉絵に主人公達が列車に乗っている描写があることからの選曲だと思われる。承太郎たちの束の間の休息を想起させるインスト曲だ。

■東方仗助が口ずさむ映像にニヤリのSavage Garden「I Want You」
 2016年より3クールにおいて、第4部のエンディングテーマを務めたのは、Savage Garden「I Want You」。登場キャラが点在する杜王町の名所を巡っていくというアニメーションで、途中から漫画家・岸辺露伴、ラスボス・吉良吉影の描写が追加されるなど、段階的にアップデートされていった。特徴的なのは、歴代エンディングとしては初めて〈I need to, I want to〉という歌詞を第4部の主人公・東方仗助が口ずさむこと。第4部の年代が1999年に対して、「I Want You」のリリースが1996年と言う、時代背景の一致にもニヤリとさせられる。ちなみに、第6部にはサヴェジ・ガーデンという物語の重要な役目を担う伝書鳩が登場しており、杜王町の空を滑空していくエンディングは、その鳩が迷い込んだパラレルワールドのようでもある。

■Jodeci「Freek’N You」が花を添える第5部の物語
 そして、今回第5部エンディングに起用されたのは、Jodeci「Freek’N You」。Jodeciは、90年代を代表するR&Bグループであり、ヒット曲の一つ「Freek’N You」は、YouTubeの再生回数においても4100万回と驚異的な数字を記録している。スタンド使いはスタンド使いにひかれ合うように、第5部とJodeciの間に共通してあるのは、煌びやかな世界観。官能的な歌詞と甘美なムードの曲調は、Yesから始まった歴代のエンディングテーマの中でも一線を画す。というのも、第1部から第4部まではジョースター家の血統が脈々と継承されるジョースター一族の物語であるが、第5部の主人公・ジョルノ・ジョバァーナはDIO(身体はジョナサンの肉体)の息子。横にスクロールしていくエンディングアニメーションは、幾重にも輝くクリスタルの奥にジョルノたちが佇む。「Freek’N You」MVの華やかな世界観ともマッチした映像だ。そして、Jodeciのボーカルを担当するのは、K-Ci & JoJo兄弟というのも、運命の奴隷の中にあることを感じさせる要素だ。

 第5部は3クールの放送がすでに確定している。全てのクールでJodeci「Freek’N You」が使用されるかは定かではないが、エンディングアニメーションで、途中からジョルノたちが護衛することとなるトリッシュ・ウナの脇にスペースがあることなどからしても、これまで同様アップデートされていく余白は十二分にある。また新たな層に聴かれ始めている「Freek’N You」が、ジョルノたちの夢と敬意、そして覚悟の物語に花を添えていくだろう。(渡辺彰浩)

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