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ぴあ

伊野尾慧と戸塚祥太が兄弟役を熱演 作り手や演者の気概感じる『トーキョーエイリアンブラザーズ』

リアルサウンド

18/8/6(月) 6:00

 月曜深夜シンドラ枠の第5弾となる『トーキョーエイリアンブラザーズ』(日本テレビ)の放送が開始された。原作は『週刊ビッグコミックスピリッツ』で連載されていた真造圭伍の同名コミックで、地球移住計画に向けて東京に潜入し、人間の生態を調査する宇宙人兄弟の日常を描く。Hey! Say! JUMPの伊野尾慧とA.B.C-Zの伊野尾慧がW主演し、人間に姿を変えた宇宙人兄弟、冬ノ介と夏太郎を演じている。

参考:『トーキョーエイリアンブラザーズ』夏太郎はハマり役? A.B.C-Z 戸塚祥太、役者としての資質

 放送開始前に原作を読み、このシーンはドラマではやらないだろう、あるいは、どう演出するのだろう、と想像していたことが初回で見事に映像化されていて驚いた。

 冒頭で冬ノ介(伊野尾慧)はひとりで花火を見ていた女性に声をかけてホテルに連れていき、バスルームで彼女の“代謝産物=尿”を味わう。冬ノ介の不可思議さが一目でわかるシーンだが、かわいい系男子の伊野尾がエロティックに演じていて衝撃的だった。

 もうひとつは、地球に来たばかりの夏太郎(戸塚祥太)が路上で出前の配達人とぶつかり、ラーメンを頭からかぶってしまうシーン。塩分濃度の高いものに触れないようにと冬ノ介から注意を受けていたが、アクシデントでラーメンをかぶり、夏太郎の顔がドロドロに溶けてしまう。こちらもまた、きれいな顔をよくぞ……!と大いに感心させられた。

 インパクト大のこれらのシーンをカットしなかったことに作り手や演者の気概が感じられ、一気にドラマに惹きつけられた。同時に作品全体の方向性がよくわかり、原作の世界観が壊されていないことにも安堵した。

 そして第2話。夏太郎に人間、殊に「愛」を教えるために街を探訪する兄弟と、ふたりの女性が物語を動かす。ひとりは冬ノ介と動物園でデートする同年代のゆか。もうひとりは飼っている犬を探している途中で遭遇する奇抜なファッションの秋子(余貴美子)だ。兄弟は他人に触れるとその人の思考が読み取れるため、冬ノ介は常に先回りして相手が望んでいる行動をするが、彼がよかれと思ってしたことが結果として2人の女性を怒らせてしまう。

 植木やたばこの吸い殻などとりあえず何でも口に入れようとする夏太郎と、地球暮らしに慣れてはいるが歯磨き粉を常飲している冬ノ介。そのあたりは人間離れした感覚ではあるが、冬ノ介がゆかと秋子を怒らせてしまったように、他人の気持ちを推し量ったつもりでも対応を間違えてしまうのは宇宙人でなくともよくあること。人と人との関係は「めんどくさい」の連続で、でも「だからこそおもしろいんだよね」。冬ノ介の核心を突くつぶやきにたびたび頷かされる。インターネットでこっそり「愛」を検索する夏太郎の気持ちもむろんわからなくもなく、兄弟の目を通して見る世界に新たな気づきがある。

 笑顔を絶やさない愛されキャラだがどことなく掴みどころがなく、心の奥底にはひやりとしたものを抱えていそうな冬ノ介。寡黙で不器用でとっつきにくいがもしかして人間に近い感覚を持ち主では?と思わせる夏太郎。対照的な性格の兄弟役が伊野尾と戸塚、まるで当て書きしたようにそれぞれにとてもよく合っている。今後、東京で暮らす人間たちと触れ合うことで兄弟の内面にどんな変化が生まれていくのか。伊野尾も戸塚も細かな心の機微をのびやかに演じてくれることだろう。

 『泣くな、はらちゃん』(日本テレビ系)や『トドメの接吻』(日本テレビ系)など多くのドラマを手掛けてきた菅原伸太郎と、松本大洋原作のアニメーション『鉄コン筋クリート』や『ヘヴンズ・ドア』のハリウッド出身、マイケル・アリアスが監督を務める。劇伴はアリアス作品に携わってきたPlaidが担当している。製作陣の過去作を見返してみると、共通点が見えてまた別の角度から楽しめる。

 夏太郎と冬ノ介、キッチュな本来の姿や研究用の資料として飼われているさまざまな動物、オープニングの映像など“かわいい”をたっぷり詰め込み、ときに際どい台詞やグロテスクな演出で鋭さを放つ。CGや特殊メイクを使った細部までこだわりが感じられ、見どころがたくさんある。たった30分のドラマなのが実に惜しい。(古閑万希子)

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