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ぴあ

Red Velvet、魅惑の世界へ誘う“ひとときの夢” ポップ&セクシーを体現した横浜パシフィコ公演

リアルサウンド

18/7/7(土) 18:00

 6月7日、Red Velvet初の日本ツアー『Red Velvet Hall Tour in JAPAN “Red Room”』の最終公演、パシフィコ横浜・国立大ホールでの1日目が開催された。タイトルからも分かる通り、この『Red Velvet Hall Tour in JAPAN “Red Room”』は、初の単独ライブとして韓国で2017年8年に行なわれ、その後日本でも2日間で約2万人を動員した「Red Room」の延長線上にあるライブツアー。メンバーの部屋を舞台にして、映像も交えたストーリー仕立てのコンセプチュアルなパフォーマンスでグループの魅力を伝える「Red Room」の世界観を、7月の目前となるこのタイミングに、ホール公演ならではのより臨場感のある雰囲気の中で楽しめるものになっていた。

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 この日の冒頭、暗転したステージに設けられたスクリーンでストーリー仕立ての映像がスタート。末っ子的なポジションのイェリが家族と家でくつろいでいると、イェリにしか見えない他のメンバーが次々に登場し、お菓子を食べたり、家族の後ろを歩いたりと、様々ないたずらを繰り広げる。そしてイェリがベッドに入り、就寝したところから、イェリの夢の中で繰り広げられる5人の楽しげなストーリーがはじまっていく――。まずは冒頭、ステージ上に置かれたベッドでイェリが目を覚ますと、部屋のドアや引き出しから次々に他のメンバーが登場し、5人揃って「Red Dress」でライブをスタート。続く「Happily Ever After」ではさらに4人のダンサーを加えた9人でベッドを生かしたパフォーマンスを繰り広げる。

 この冒頭からもうかがえるのは、各メンバーの歌やダンスの高い技術を生かした圧倒的なエンタメ力。これまで様々な人気K-POPアーティストを輩出してきたSMエンターテインメント所属の女性グループの中でも、Red Velvetは振り幅の広さがひとつの特徴だろう。その雰囲気は「強烈で魅惑的な色=“Red”と、女性らしい“Velvet”のイメージのように、色があり洗練された音楽とパフォーマンスで世界を魅了する」というグループ名にも表われていて、「ポップ」と「セクシー」とを自在に行き来できるのも5人ならではの持ち味だ。序盤に感じられたのは、いわばそんな彼女たちのポップサイド。撮影スタジオを模した「Rookie」やレーザーが会場を覆った「Huff n Puff」など、エレクトロを基調にした華やかな楽曲で会場を盛り上げていく。

 以降は徐々に、そうした彼女たちのポップサイドと「Red Room」ならではのストーリー性とがタッグを組んだ展開に。スクリーンに投影された映像でメンバーが窓からこっそりとイェリの部屋に入り、キャンディやマシュマロを食べながら盛り上がるルームパーティーがスタート。続いて電話の着信音とともにはじまった「Lady’s Room」では、「どこに行こうか?」と相談をしながら、ガウン姿のメンバーが電話片手にステージに登場した。「Talk To Me」では美容院のセットにメンバーが座り、ハサミやドライヤーを手にしたダンサーと出掛ける支度を進めていく。この辺りの楽曲はエレクトロやベースミュージックを通過したアーバンなR&Bで、彼女たちの楽曲のプロダクションの充実度を伝えるようだった。

 その後は「Oh Boy」でデートをするため外に繰り出すと、「一緒に海に行きましょうか?」というMCからはじまった「Hear The Sea」で5人は夕暮れの海へ。ここでは観客のペンライトが左右に揺れて波を表現する姿も印象的だった。続く「Campfire」で海辺のキャンプファイアを楽しむと、「Zoo」で舞台はジャングルに。それもそのはず、この「Zoo」は動物や恐竜などのモチーフを楽曲に取り込むEDMのサブジャンル=ジャングルテラーを下敷きにした楽曲で、映像でも恐竜や鳥などが映し出されるなど、音楽と映像のリンクも工夫されている。そう、イェリの夢の中ではじまった物語は、5人のパフォーマンスと映像が融合した物語を辿ることで、いつしか日常を飛び出した冒険に変わるのだ。

 本編終盤には「Little Little」でふたたびベッドが登場してステージが部屋を思わせるセットに戻り、ここからは一転してグループのエレガントな側面を打ち出していく。「Last Love」ではメンバーでも屈指の歌唱力を誇るウェンディがひとりで情感豊かなバラードを熱唱し、「Be Natural」ではスーツでキメた各メンバーが次々にキレのあるソロダンスを見せた。。そして「Cool Hot Sweet Love」や「Automatic」では引き続きフォーマルな衣装のまま、ダンサーも加えた9人でセクシーなパフォーマンスを披露。キュートにもエレガントにもなれるRed Velvetの振り幅が全編を通して表現されていく様子は圧巻の一言だった。

 最後は会場一体となって盛り上がれるアンセムを連発。今回のツアーで初披露され、最大の目玉となった7月4日発売の「#Cookie Jar」では手でハッシュタグを表現する振り付けや日本語詞のボーカルで盛り上げ、イントロで湧き上がるような大歓声が生まれた「Russian Roulette」では中盤から四つ打ちが鳴り響いて会場が一気にダンスフロアに変貌。ビッグルームハウス風のEDMバンガー「You Better Know」やエレクトロ~ヒップホップをポップに昇華した「Red Flavor」「Peek-A-Boo」などでは観客の大合唱が発生した。最後は長い夢から覚めるような演出を経て、メンバーが観客に今回のツアーへの感謝を伝え、歌詞にファンへの感謝を込めた日本語詞の「’Cause it’s you」でライブを終えた。

 公演タイトルの「Red Room」とは、この公演がRed Velvetの今をひとつのライブに詰め込んだ、グループの自己紹介的な役割を果たすものであることの証なのだろう。実際、「ダンス」「歌唱」「ステージ演出」「映像」といった様々な要素で観客を唯一無の世界に引き込む高いエンターテインメント性は、それぞれがソロでも活躍できそうな技術やパフォーマンスを持つこの5人ならではのものだった。また、そうして作り上げた夢のような空間が、同時にメンバーの“ひとときの夢”でもあるというライブ全体の構成も、ときに魔法のような瞬間を生み出すポップミュージックそのものの魅力を伝えるかのようだった。(杉山 仁)

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