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ぴあ

『まんぷく』は“普通の人たち”揃いの朝ドラ? 福子と萬平が出会い、結婚式までたどり着いた1カ月

リアルサウンド

18/10/30(火) 6:00

 いつ福ちゃん(立花福子/安藤サクラ)は、あのオープニングの海に飛び込むんだろう……と思いながら観続けて、1カ月が経とうとしています。だって朝ドラのヒロインと言えば水に落ちるか高いところに登る、エネルギーにあふれた女の子で、成長するにつれ、周囲を引っぱるようになり事業で成功をおさめて終わり……というパターンじゃないですか。でも、どうやら福ちゃんは、そういう人ではないようです。

 福ちゃんはよくいるドジっ子ヒロインでもありません。ホテルに入社したての頃こそ電話交換係で失敗もしましたが、英語で謝罪したことがきっかけでフロント係に抜擢される大出世。パーティーでの接客でもお酒をこぼすなどのありがちな失敗を何ひとつしない。でも考えてみたら仕事をきちんとするのは当たり前ですよね。どうも私たちは、ヒロインが物語上無理やり失敗することに慣れすぎていたような気がします。

 無茶をしないし失敗もしない。福ちゃんは、朝ドラのヒロインらしからぬ、言ってみれば平凡な善人なんです。たぶん私たちとあまり変わらない。

 そして彼女の周囲にいる人たちも、ユニークではありますが、やはり善人ばかり。そんな普通の人たち揃いのドラマなのに……なんで毎朝こんなにおもしろいんでしょう。

 愛する萬平さん(立花萬平/長谷川博己)が牢に囚われた時も、彼らの平凡な弱い力だけでは助けられない。けれど、福ちゃんの嘆きが同僚の恵さん(牧恵/橋本マナミ)と友人たちを動かし、恵さんに恋していた牧(牧善之介/浜野謙太)と野呂(野呂幸吉/藤山扇治郎)を動かし、福ちゃんがフロント係として積み重ねた人脈と知識、そして萬平さんの“親友”世良(世良勝夫/桐谷健太)が、商工会の会長(三田村亮蔵/橋爪功)と元大将を動かし、萬平さんを助け出す。小さないくつもの平凡さがドミノ倒しをしていくように、最後に大きなものを動かしてしまう。この、カタルシス。

 これからもたぶん福ちゃんは、平凡な善人のままで、オープニングの行進のように、時には喜びで跳ね、たまに転び、でも笑いながらカメラの向こうの“あなた”を見つめて、一緒に前に進み、気づいたら何か大きなことを成し遂げてしまうのでしょう、あのくしゃっとした笑顔で。

 だけどそんなのんびりな行進で大丈夫なのかなと思いきや、初回に「私の結婚はまだまだ先!」と叫んでいた福ちゃんは1カ月も経たずに萬平さんとのステキな結婚式にたどり着いているので……平凡な善人たちのあゆみ、思ったより、スピーディーです。(文=渡辺裕子)

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