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ぴあ

「大いなる闇の日々」記者会見の様子。左からマキシム・ジルー、マルタン・デュブレイユ。

チャップリン芸人の旅路描くカナダ映画、監督と主演俳優の関係は“老夫婦”

ナタリー

18/11/1(木) 13:50

第31回東京国際映画祭コンペティション部門に出品されたカナダ映画「大いなる闇の日々」の記者会見が、本日11月1日に東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われ、主演を務めたマルタン・デュブレイユ、監督のマキシム・ジルーが出席した。

第2次世界大戦下、徴兵を逃れアメリカ西部に避難したカナダ・ケベック出身のフィリップを主人公とした本作。チャーリー・チャップリンのモノマネ芸人として生き延びる彼は、故郷への長い旅路の中で、戦争の破滅的な狂気にさらされた人々と出会っていく。

20年ほど前に知り合ってから、これまでに手がけた短編、長編すべての作品でデュブレイユを起用しているジルー。「大いなる闇の日々」は「マルタンの存在なしに作ることは不可能だった」ほどの作品だそうで、「たくさんの予算はないし、スタッフも12人と少ない。撮影も極寒の中で走り回るような肉体的につらいもの。彼には感謝しかありません」と語る。一方のデュブレイユが「彼をイラつかせることもあったけど、いいチームワークを築けたと思う」と顔を向けると、ジルーは「僕らは老夫婦のように愛し合い、憎しみ合っている。彼が現場で苦しむのを見るのが好きなんです」とニヤリと笑った。

映画ではチャップリンの影響で“アカデミー比”とも呼ばれる「1.375:1」のスタンダードサイズのアスペクト比が選択された。そのほかにもさまざまなオマージュが捧げられており、冒頭には「独裁者」のセリフが引用されている。ジルーは「世界が地獄に向かっているから」と制作理由を明かしつつ「第2次大戦の頃、チャップリンは葛藤しながらも世の中を批判した。しかし私たちはいまだに同じことで悩んでいる。70年以上経っても状況はあまり変わっていない」と述べた。

一方でチャップリンが資本主義に加担していた点に触れ、「自由や寛容さについて語った彼が、お金を生む機械になっていたのは皮肉。自分が這い上がるためには、他人を蹴落とさなければならないのです」と、本作でも描かれるアメリカンドリームの暗部について言及する。そしてジルーは「私はCMも撮っています。ある意味、資本主義に餌を与えているのと同じなのです」と続けた。

第31回東京国際映画祭は11月3日まで開催される。

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