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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

『DEVILMAN crybaby』 (C)Go Nagai-Devilman Crybaby Project

第8回

全11回

短期集中連載 水先案内人による東京国際映画祭ガイド

杉本穂高が選ぶ3本/アニメーションの世界&アニメ

18/10/12(金)

近年、本映画祭が力を入れているのが日本が世界に誇るアニメーションの数々。今年は“天才”とも称される湯浅政明監督の特集を中心に、誰もが知る名作アニメーションもスクリーンで上映されます。


『DEVILMAN crybaby』
2018年/日本

人間の心と悪魔の力を持ってしまった男の苦悩と闘いを通して、人間の悪性とは何かと問いかけた永井豪の不朽の名作を初めて結末まで映像化した野心作。原作ゆずりのハードなバイオレンスやセックスもしっかり描写し、人の醜さや脆さ、そして愛など原作が描いたテーマを現代的な問題意識とともに忠実に描いている。

湯浅政明のトリップ感ある独特のテイストも抜群に活かされており、原作の魅力を損なうことなく映画監督としての作家性も存分に発揮した。原画で中心的存在を果たした小島崇史の乗りに乗った作画も見所だ(特に9話)。本作は暗い夜のシーンが多いので、PC画面や家庭のTVモニタよりもスクリーンの方が間違いなく映える作品だろう。
https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31ANM04

「湯浅政明 自選短編集 1992-2014」TM & ©2018 Cartoon Network. A WarnerMedia Company. All Rights Reserved.

「湯浅政明 自選短編集 1992-2014」

今、最も注目を集めるアニメーション作家の1人である湯浅政明の原点から最近作までを一挙に観られるお得な特集。原画と演出を担当した『さくらももこワールド ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌』より「1969年のドラッグレース」「買物ブギー」や、『クレヨンしんちゃん』の「ぶりぶりざえもんの冒険」シリーズ3作など、同監督のキャリア初期の作品から、海外TV用に制作された『フードチェーン』、クラウドファンディングで熱い支持を集めた2012年の短編『キックハート』など、湯浅氏の変遷を一息で見せる豪華なプログラムだ。湯浅氏の作家性がいかに独創的かつ、多様なジャンルに適性があるのかがよくわかる貴重な特集だ。
https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31ANM21

『太陽の王子 ホルスの大冒険』(C)東映

『太陽の王子 ホルスの大冒険』
1968年/日本
監督:高畑 勲

巨匠高畑勲の長編劇場映画の監督1作目であり、宮崎駿や大塚康生など東映動画の当時の中心的存在が一堂に会した記念碑的作品。冒険活劇としての楽しさと深遠なテーマ性が同居した野心的な作品で、冒頭の狼とのバトルシーンなど、アニメーションとして見応えたっぷりのシーンも満載だ。

心に闇を抱えたヒロイン、ヒルダのキャラクター造形の奥深さはいまだにファンの間で語り草である。他にも人と自然の共生など、後のジブリ作品にも見られるエッセンスがすでにここで発揮されている。日本アニメを代表する2人の巨匠、高畑勲と宮崎駿の原点であり、これなくして後のジブリ、そして日本アニメ界の隆盛はなかったと言っても過言ではない。
https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31SPP04

その他作品

特別招待作品
『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1 罪と罰 & Case.2 First Guardian』
2019年/日本
監督:塩谷直義
https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31SPS08

現実社会がこのアニメの提示した世界にますます近づく中、4年ぶりにどのような物語を紡ぐのか、期待大。

日本映画スプラッシュ
『21世紀の女の子』
2018年/日本
https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31JPS09

新時代の天才、山戸結希がプロデュースする、女性監督たちのオムニバス。気になる作家が多く参加しているが、特に枝優花に注目している。他にもまだ見ぬ才能に出会えるかもしれないとワクワクしている。

特別招待作品
『華氏119』
2018年/米
監督:マイケル・ムーア
https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31SPS06

トランプとマイケル・ムーアは似た者同士ではないかと思う。彼らの扇動的な手法と印象操作はほとんど同じものではないかと感じる。それゆえにムーアは政治的立場は正反対でもトランプのことを誰よりも理解できるのかもしれない。そんな彼がトランプをどう見せるのか、とても気になる。

プロフィール

杉本 穂高

映画ライター
ミニシアター系作品とアニメをこよなく愛しています

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