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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

『世界はリズムで満ちている』

第3回

全11回

短期集中連載 水先案内人による東京国際映画祭ガイド

夏目深雪が選ぶ3本/ワールドフォーカス

18/10/11(木)

世界各地の映画祭で注目を集めた話題作や人気監督の最新作が揃う部門。日本では公開が決まっていない貴重な作品が揃うほか、今年は部門内特集としてイスラエル映画を上映。世界の話題作をイチ早くチェックできます。


『世界はリズムで満ちている』
2018年/インド
監督:ラージーヴ・メーナン

インド映画音楽を代表するA・R・ラフマーンが作曲を担当した音楽ドラマ。不可触民だが音楽の才能のある青年が、インドの打楽器ムリダンガムのマエストロに師事する機会を得る。が妨害はひどく、彼は志半ばでマエストロの元を去らざるをいけなくなる…。

実在するミュージシャンからインスパイアされたというだけあって、青年の挫折や苦悩がリアルに迫ってくる。だがインド映画らしい夢見るような飛躍もあり、それがラストのテレビでのライバルとの演奏合戦で一気に弾ける。「生きる躍動感」そのもののようなラフマーンの音楽と、リズムに乗って縦横無尽にメロディを奏でる主役のG・V・ブラカーシュ・クマールにスタンディングオベーションを!
https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31WFE11

『十年 Ten Years Thailand』

『十年 Ten Years Thailand』
2017年/タイ=香港=日本 監督:アーティット・アッサラット、ウィシット・サーサナティヤン、チュラヤーンノン・シリポン、アピチャッポン・ウィーラセタクン

返還後、中国政府の有形無形の圧力に喘ぐ香港。10年後を描いた香港版『十年』は5作のオムニバス作品で、言論統制など未来への絶望を描き高い評価を得た。日本版『十年』は是枝裕和監督の指揮のもと、原発や徴兵制などを同じく5作のオムニバス作品で表現し、11月に公開予定だ。

あわせて観たいのがこのタイ版で、タイも政府による検閲など表現規制の問題について、監督の一人であるアピチャッポンが言及してきた。タイのアントニオーニと呼ばれるアッサラット、国民的ホラー『ナンナーク』で大ヒットを飛ばしたウィシット、ドキュメンタリーやビデオアートを手がけるチュラヤーンノン。バラエティに富んだ才能がタイをどんな風に描くのか楽しみだ。
https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31WFA15

「イスラエル映画の現在 2018」©All rights reserved to Laila Films Ltd.2017

「イスラエル映画の現在 2018」

10月はサミュエル・マオズ、ヨセフ・シダーなど、カンヌ等三大映画祭常連のイスラエルの監督の公開作が続く。WF部門3作品、コンペ部門1作品に跨るこの特集がそれらを締めくくる。

文化政策として国が映画制作を支援し層が厚いイスラエル映画は、戦争従軍体験をもとに国家に対する皮肉を込めた優れた作品を発表し、国際的に評価されるというのが王道であった。近年の作品は、洗練されたLGBT作品など新しい波が窺える。質の高さはお墨付きなので、パレスチナ問題で国際的に非難されることが多いところ、LGBT支援や最近注目の「#MeToo」などの女性問題とリンクし、自らの立場を良くしようとしているのでは?などと穿った見方をするのも一興。
https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31WFA16

その他作品

『それぞれの道のり』
2018年/フィリピン
監督:ブリランテ・メンドーサ、ラヴ・ディアス、キドラット・タヒミック
https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31WFE10

オムニバス作品は可もなく不可もなくといったものが多いが、メンドーサ、ラヴ・ディアス、タヒミックらフィリピン新旧の巨匠は短篇や中編も面白いものが多く、必見。

『プロジェクト・グーテンベルグ』
2018年/香港
監督:フェリックス・チョン
https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31WFA12

香港アクションの質を一気にあげた「インファナル・アフェア」シリーズの脚本家フェリックス・チョン監督のアクション大作。チョウ・ユンファの雄姿に今から胸高まる!

『家族のレシピ』
2017年/日本=シンガポール=仏
監督:エリック・クー
https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31WFA13

現代シンガポール映画の礎を築いたといっても過言ではないエリック・クーの新作。斉藤工と松田聖子の共演という話題性だけで食いついても絶対美味しいはず!

『われらの時代』
2018年/メキシコ=仏=独=デンマーク=スウェーデン
監督:カルロス・レイガダス
https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31WFE05

大画面で観るTIFF仕様作家No.1のレイガダス。五感をフルに稼働させながら頭の中のクエスチョンマークと闘う醍醐味はまさに「本能と知性のせめぎ合い」

『彼ら』
2018年/伊
監督:パオロ・ソレンティーノ
https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31WFE07

ゴージャスな画が特徴のソレンティーノもTIFF仕様作家の一人。今回は悪名高いベルルスコーニ元首相を名優トニ・セルヴィッロが演じるということで期待大。

プロフィール

夏目 深雪

著述・編集業
アジア、中東、欧州の話題作・問題作を

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