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桑田佳祐 & The Pin Boys、唯一無二の“ボウリング賛歌”にある遊び心満載のショーマンシップ

リアルサウンド

18/12/10(月) 18:00

 サザンオールスターズの40周年イヤーが盛り上がる中、また新たなトピックが登場した。それが、桑田佳祐 & The Pin Boys名義で発表されるシングル『レッツゴーボウリング』である。この曲は、桑田が企画し、2019年2月に決勝トーナメントが行われる一大ボウリング大会『KUWATA CUP 2019』と連動している。いわばタイアップの企画モノであると同時に、彼の遊び心満載のショーマンシップが全面に出た楽曲ともいえる。

 ただ、ボウリングをテーマにしているのが桑田ならでは。というのも、ファンの間では有名だが、彼とボウリングの付き合いは非常に深い。中高生の頃は地元茅ヶ崎のボウリング場では有名なジュニアボウラーとして活躍し、アマチュア大会では297という高得点が公式記録に残っている。さらには非公式での最高得点が299であり、実際に、プロボウラーになりたいという夢もあったようだ。その後、交流があったプロボウラーの矢島純一から還暦祝いにマイボールとマイシューズをプレゼントされたことによってボウリング熱が再燃。毎週のようにスタッフとボウリング場に通い、昨年は279を獲得した動画がYouTubeにアップされ大いに話題を呼んだ。

 そういった流れで発表された今回の「レッツゴーボウリング」は、まさにボウリング賛歌といえるような楽曲になっている。まず、歌詞を見るだけでも、桑田のボウリング愛が伝わるだろう。〈ボウリングが好きなんです〉というストレートなフレーズから始まり、「ストライク」や「テンピン」といったボウリング用語も散りばめつつ、最終的には〈幸せ探しに来ませんか 素敵な仲間が待ってます〉というメッセージで締めている。本当にボウリングが好きじゃないと書けない歌詞ではないだろうか。また、再燃のきっかけを作った矢島純一を筆頭に、岩上太郎や中山律子といったプロボウラーの名前を織り込んで歌っているのもユニークであり、ボウリングファンならではの視点といえる。

 楽曲自体は、ボウリングが持つノスタルジックなイメージに合ったテイストとなっている。セカンドライン風のビートに乗せてコーラス、ピアノ、ハモンドオルガン、ハンドクラップなどを組み合わせ、往年のリズム&ブルースやサザンロックを彷彿とさせるサウンドに仕立てている。ファンキーかつレイドバックした演奏に乗せたメロディも、とことん軽快で覚えやすく、非常にキャッチーなナンバーに仕上がっている。聴いているだけで、本当にボウリングに行きたくなるような作品といってもいいだろう。

 また、ボウリングのピンが倒れる音も効果音として入っているのも、ボウリングファンにはたまらないだろう。笠置シヅ子の「ホームラン・ブギ」から大滝詠一の「恋のナックルボール」まで、野球をテーマにしたノベルティソングの傑作はいくつかあるが、ボウリングに関しては唯一無二の存在かもしれない。しかも、『KUWATA CUP 2019』の公式ソングであると同時に、日本ボウリング競技 公式ソングにも認定されている。オリンピックやワールドカップなどの公式ソングは過去にも多数あるが、日本のボウリング関連団体全てから正式に認定を受け、スポーツそのものの公式ソングとして扱われることになったというのは桑田佳祐にしかなし得ない非常に珍しい事例といえる。

 1月1日にリリースされる『レッツゴーボウリング』は、完全生産限定盤にオリジナルピンズがついており、ボウリング場限定パッケージもあるため、楽曲だけでなくアイテムとしても楽しいものになりそうだ。先日は『桑田佳祐 Act Against AIDS 2018「平成三十年度! 第三回ひとり紅白歌合戦」』をパシフィコ横浜で終えたばかりの桑田は、来年春に始まるサザンの大規模なドーム&アリーナツアーも控えている。その多忙な時期なのに、こんなにほっこりする歌を発表するのも桑田佳祐ならでは。この正月休みには、全国のボウリング場で「レッツゴーボウリング」を口ずさみながらプレイする風景が見られそうだ。(栗本 斉)

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