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小栗旬、綾野剛らの海外進出に見る、日本人俳優の持つ可能性

リアルサウンド

19/1/2(水) 10:00

 11月初旬、日本映画界にビッグニュースが飛び込んできた。小栗旬が、2020年公開予定のアメリカ映画『ゴジラVSコング(仮題)』でハリウッドデビューすることが決定したのだ。本作はハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』(2014)の続編で、レジェンダリー・エンターテインメントと東宝がタッグを組んで企画製作にあたる「モンスター・ヴァース」シリーズの第4弾。役柄は明かされていないが、重要な役どころでの出演になるという。今回の抜擢について小栗は、「ハリウッド映画に出演する事には、もちろん憧れがありました。それだけにそのハードルの高さも強く意識せざるを得ませんでした。しかし、本作の監督やプロデューサー、レジェンダリーの皆さんのこの作品に対する情熱に触れて、そのハードルにチャレンジしたいという大きな意欲が湧いてきました」とコメント。新たな挑戦に向けて意気込みも十分といったところだ。

参考:日本の芸能事務所とは大違い!? ハリウッドのタレントエージェンシーの役割

 この小栗のニュースとほぼ時を同じくして、綾野剛が中国映画『破陣子』で単独主演を務めることが発表されたり、女優の山崎紘菜も2020年公開予定の『モンスターハンター』でハリウッドデビューすることが決まるなど、にわかに盛り上がる日本人俳優の海外進出。2018年はほかにも忽那汐里が『デッドプール2』に出演したほか、森崎ウィンが『レディ・プレイヤー1』に、新田真剣佑は『パシフィック・リム:アップライジング』に起用されるなど、世界公開がなされるような大バジェットの作品で多くの日本人俳優が活躍した。よく知られたところでは、渡辺謙や真田広之らが2000年代初頭からハリウッドに拠点を移して活動しているが、彼らに続く人材となるか、今後の動向に注目が集まっている。

 日本人の俳優が海外作品に出演する経緯はさまざまだ。地道なオーディンションで役を掴み取る者もあれば、出演作を目にした監督やプロデューサーに見初められることも。小栗の場合は後者で、プロデューサーを務めるアレックス・ガルシアによると、『クローズZERO』シリーズや『銀魂』での仕事ぶりを高く評価して、とのこと。起用以前から注目していたことがわかる。また幼い頃から海外で育ち、俳優の道に進んだマシ・オカや、現地の演技学校で学んだ祐真キキら、キャリアの当初からハリウッドで活躍する日本人もいる。彼らは日本での知名度はそれほどないかもしれないが、海外の映画やドラマでは引く手数多。すでに現地での地位を確立していると言ってもいい。

 そして昨今はこんな変化も生まれているという。2006年にアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作『バベル』でハリウッドデビューを飾って以降、日本と海外を股にかけて活躍中の菊地凛子は、インタビューで「従来なら日本人俳優は、日本人であることがはっきりしている役と、ぼんやりとアジア系であるという役のどちらかを演じていましたが、最近は役名がまるで欧米人という役も増えています。つまり、アジア系であることを重視していない役まで演じられるチャンスが増えているように感じています」(NIKKEI STYLE|菊地凛子 米国ドラマの現場で求められるのは瞬発力)と語っている。これまで欧米人(もしくはそれ以外の人種)のみが演じられた役が、日本人にも門戸が開かれるようになった。これは人種のバイアスなしに演技で勝負できる環境ができたことと同義だ。しかし一方で それは“日本人”らしい芝居をしないことでもあり、語学力も一層問われることになる。こうした変化は今後海外進出を目指す日本人俳優たちにとって大きなチャンスであり、ハードルともなり得るだろう。

 大舞台に挑戦したい気持ちは役者のみならず表現を生業にする者なら誰でも持っているもの。日本の限られた制作現場を飛び出して、よりチャレンジングな環境で自分を試したいと思う俳優は今後もますます増えていくことと思う。中でも小栗は人気実力ともに、30代の俳優を代表する存在。その彼が海外へ目を向けたとなれば、後に続く面々も多いことだろう。そしてそういった人材が増えていけば、日本のエンターテインメント業界にも新しい刺激がもたらされるに違いない。(渡部あきこ)

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