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“パリ人肉事件”佐川一政のドキュメンタリー 『カニバ/パリ人肉事件38年目の真実』今夏公開

リアルサウンド

19/2/7(木) 13:28

 『イメージフォーラム・フェスティバル2018』で上映され話題を呼んだ映画『カニバ』が、『カニバ/パリ人肉事件38年目の真実』のタイトルで今夏公開されることが決定した。

参考:「繰り返しは嫌だった」 ルカ・グァダニーノ監督が明かす『サスペリア』オリジナル版との差別化

 第74回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門で審査員特別賞を受賞した本作は、1981年にフランス・パリで起こった「パリ人肉事件」で知られる佐川一政に焦点を当てたドキュメンタリー。日本人留学生であった佐川が、オランダ人女性を銃で射殺し、その遺体を食してしまった猟奇殺人事件「パリ人肉事件」から約30年後、2013年に脳梗塞で倒れ歩行が困難となり、実弟の介護を受けつつ年金暮らしをする佐川に、フランスの撮影クルーが2015年6月より約1カ月間密着。奇妙な弟との関係性を浮き彫りにしながら、過去の事件を通して佐川の心の奥にある“カニバリズム”について追求する。

 監督を務めたのは、ハーバード大学で感覚民族誌学研究所のディレクターを務め、2012年に発表した海洋ドキュメンタリー『リヴァイアサン』で第65回ロカルノ国際映画祭国際映画批評家連盟賞を受賞した、ヴェレナ・パラヴェルとルーシァン・キャステーヌ=テイラー。なお本作は、日本の全洋画配給会社が“あまりにも衝撃的な内容”だということで、買付けと配給宣伝を断念したが、出版社である(株)サイゾーのTOCANA編集部が自社で買付けを行った、第1回配給作品となる。

【(株)サイゾー TOCANA編集長 角由紀子 コメント】
本作は、「パリ人肉事件」という猟奇的な殺人事件と佐川一政をセンセーショナルに描いて消費することを目的とした作品ではなく、佐川一政の性的カニバリズム欲求や育ってきた環境及び家族との関係に迫り、事件の根幹にある心の闇を追求した貴重な作品です。ショッキングな事件が題材だからといって、日本でこの作品を上映しないという選択は、我々日本人がこの事件を知り、そこから学ぶ機会を奪ってしまうということに繋がってしまいます。事件が起きたフランスとイギリス人監督2人が撮影し、世界中で上映された本作は、加害者が生まれ育った国の日本人こそまさに観るべき作品であり、その上で、佐川一政とカニバリズムについて考える責任があるのではないでしょうか。人間の持つ狂気を知ることで、再びこうした凶悪事件が起きないよう、教訓にしていきたいものです。

【(株)サイゾー 代表取締役 揖斐憲 コメント】
佐川一政の名前を出版業界で聞かなくなって長い時間がたちました。彼には異端の文筆家として一定の評価を得ていた時代がありました。一部でタレント的な扱われ方をしていたこともありました。が、2000年代半ば以降、表舞台から姿を消します。晩節を迎えた佐川氏はあの事件をどう振り返り、自身をどう総括しようとしているのか。かくいう私も、一時期彼と仕事をした身として純粋な興味を持ちました。心神喪失状態だったと判断された犯行時の自分と向き合おうとする強い意志を持ちながらも、社会的にも経済的にも、その過ちに苦しめられ続けているという現実とのジレンマに苛立ちを見せることもあった佐川氏。その後、味方であり続けた両親を失い、健康も損ない、困窮生活を強いられてきたと聞きます。そんな佐川氏が行き着いた「今」を届けることは、かつて彼にスポットを当てた出版業界の人間に課された、ひとつの役割だと考えています。

(リアルサウンド編集部)

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