Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

ぴあ

いま、最高の一本に出会える

SWAYが1stアルバム収録曲から明かす、アーティストとしての歩みとヒップホップへの情熱

リアルサウンド

18/8/28(火) 12:00

 SWAY(from DOBERMAN INFINITY)が名門ヒップホップレーベル<Def Jam Recordings>からメジャー1stアルバム『UNCHAINED』をリリース。ソロデビューシングル曲「MANZANA」、先行トラック「Perfect Love」を含む本作には、AK-69、HIROOMI TOSAKA、EXILE SHOKICHI、SALUが参加。さらにOLDMANWILDIN’(P-CHO、JAY’ED、NAOtheLAIZA)、TEE、KM-MARKIT、THE BACK COURT(Matt Cab×TOMA)、SUNNY BOYなどのクリエイターとのコラボレーションにより、ヒップホップの最前線とSWAYの個性が融合した充実作に仕上がっている。

 アルバムのコンセプト、参加アーティストとのつながり、ソロアーティストとしてのビジョンなどについて、SWAY自身に語ってもらった。(森朋之)

(関連:DOBERMAN INFINITYが語る、“DOGG YEAR”で培ったチーム力「新しい扉を開いた」

■SWAYというブランドをデザインしてもらう感覚

ーー1stアルバム『UNCHAINED』が完成しました。SWAYさんのキャリアにとっても重要な作品だと思いますが、まずは手応えを教えてもらえますか?

SWAY:出来上がったときは「ホントによくやったな」と思いましたね(笑)。ここ数年はDOBERMAN INFINITYとして活動させてもらって、辛いことはメンバー5人で分かち合ってきたし、何かを達成したときはみんなで祝杯を上げてきたんですが、ソロの場合はすべて自分ですからね。当たり前ですが、自分がやらないと終わらないし、自分が折れたら先に進まない。制作中は大変なことも多かったし、最後の曲が完成したときは「夢が叶った」ではなくて、「良かった」とホッとしました。

ーー昨年11月に1stシングル『MANZANA』をリリース。その時点でアルバムの構想はあったんですか?

SWAY:シングルを制作しているときから、アルバムのことはずっと考えていましたね。シングルには4曲入っていたんですが、いろいろなアーティストとセッションを組んで曲を作っているうちに、曲がどんどん溢れてきて。結局、シングルからは「MANZANA」だけを収録して、あとの12曲はすべて新曲になって。たくさんの人たちに支えてもらって完成したアルバムです。

ーー参加しているアーティスト、クリエイターは以前からつながりがある人たちなんですか?

SWAY:そうですね。いままでは(ソロとして)レーベルに所属していたわけではなかったし、「一緒に何かやろうよ」という話をしても、リリース先がない状態だったんです。去年、Def Jamというステージに上がらせてもらったことで、「何かやろう」を話だけで終わらせず、実際にカタチにできるようになって。「ようやくやれる」という喜びがありました。

ーートラック、アレンジだけではなく、リリックもほぼ全曲、他のクリエイターが書いていますね。

SWAY:はい。インディーズの頃は自分で書いていたし、DORBERMAN INFINITYでもHONEST BOYZでも自分で書いているんですけど、メジャーという舞台に上がってからは、いろんな方に書いてもらいたいと思うようになって。16歳のときに自分でSWAYという名前を付けたとき、自分のブランドを持ったような感覚があったんです。トラックやリリックを作ってもらうのは、SWAYというブランドをいろんなクリエイターにデザインしてもらっているような感じなんですよね。

ーー海外のヒップホップアーティストに近い感覚なのかも。

SWAY:そうなんですよね。USのビッグアーティストは、たくさんのプロデューサーやトラックメイカーと組んでることが多いじゃないですか。そのやり方を日本でできないかな、と。そのほうが自分自身もおもしろいし、学べることも多いんです。たとえばリリックにしても、自分で書くと、どうしても自分好みのラインを取ろうとするじゃないですか。他の人に書いてもらうと「こういうフレーズは自分では書かないな」と感じることも多いし、それを歌うことで成長できる部分もすごくあって。今回の制作中、人生で初めてボイトレに通ったんですよ。どうしても届かない高さのキーがあって「この音を出すためにはトレーニングしなくちゃいけない」と感じて。DOBERMAN INFINITYのライブを3日続けてやって、その次の日に自分のレコーディングがあるなど、スケジュール的にもタイトでした。それをやり切るためには、喉に負担をかけない、正しい発声が必要だった。いままではストリートのやり方というか、完全に自己流だったので、そこはぜんぜん違いますね。

■SHOKICHI、TEE、AK-69……収録曲から紐解く“仲間”との関係

ーー楽曲についても聞かせてください。まずは「Be a Beast」。プロデュースはOLDMANWILDIN’ですね。

SWAY:アルバムの入り口について考えているときに、僕の音楽人生に大きな影響を与えてくれたDOBERMAN INFINITYのメンバーと、ソロでも何かやりたいと思ったんですよね。ちょうどP-CHOさん(DOBERMAN INFINITY)がJAY’EDさん、NAOtheLAIZAさんとOLDMANWILDIN’を結成したタイミングでもあったし、ぜひ一緒にやりたいですと声を掛けさせてもらって。その後に「MANZANA」が来ることもイメージしながら、1曲目の「Intro」と2曲目の「Be a Beast」でアルバムの世界観を作ってもらった感じですね。

ーー「Never Say Goodbye feat.EXILE SHOKICHI & SALU」にはSWAYさんの盟友であるSHOKICHIさんが参加。

SWAY:知り合ってから15年くらい経ちますからね。僕のソロデビューをいちばん喜んでくれたのもSHOKICHIだし、お酒を飲んでるときだったら「愛してる」って言えるくらいの関係です(笑)。本当に仲間思いだし、ピュアに優しいんですよ。LDHという場所で戦うチャンスを作ってくれたのも彼だし、今回、「一緒に曲を作りたいんだけど」と言ったときも二つ返事で「もちろん!」って答えてくれて。

ーーSHOKICHIさんのソロ1stシングル「BACK TO THE FUTURE」にSWAYさんが参加していることを考えると、このアルバムのクレジットにSHOKICHIさんの名前があるのは必然ですよね。

SWAY:はい。ただ、自分としては「一緒にやるのはもうちょっと先かな」という気持ちもあったんです。ラッパーとしてしっかり確立できて、ここぞ! というときにやるべきかなって。でも、「Never Say Goodbye」のトラックを聴いたときに、「ここにSHOKICHIの声があったらすごくいいだろうな」と感じて。曲を良くするためにも、彼に参加してもらおうと思いました。SALUくんも北海道出身で、昔からつながりがあるんですよ。僕は19歳から21歳までカナダにいたんですけど、ちょうどその頃にSALUくんは札幌のクラブで活動していて。僕が帰国したときにはSALUくんは厚木に移っていて、初めて会ったのは東京だったんですけどね。北海道出身というだけですぐに仲良くなったし、今回もいい意味で友達と遊んでるような感覚でやれて。一緒に音楽をやると、その才能のすごさを改めて思い知らされますね。

ーーそして先行リリースされた「Perfect Love」の歌詞はTEEさんが担当。TEEさんとは“カナダつながり”だとか。

SWAY:これもちょっとおもしろい話で。TEEくんは僕が行く前からカナダで生活をしていたんです。僕がカナダに行ったときにはすでに日本に帰ってきていましたが、僕がトロントでいろんなミュージシャンとセッションやジャムをやっていると、「おまえ、TEEってヤツとノリが似てるな」と言われることがよくあって。TEEくんも「日本からおまえに似てるSWAYってヤツが来てるよ」という話を聞いてたみたいなんですよ。そこからしばらくmixiで連絡を取ったりしていて、TEEくんの「ベイビー・アイラブユー」がヒットした後、札幌のライブのときに初めて会いました。そのときから「すごくいいラブソングを書く人だな」と思っていたし、今回のアルバムの制作中に「純粋なラブソングがほしい」という話になったときに、「TEEくんしかいないな」と。

ーーR&B系のラブソングは本当に上手いですよね、TEEさん。

SWAY:TEEくんって、ふだんから本当に愛がある人なんです。現場で会うたびに「SWAY、元気?」って優しい声で話し掛けてくれて。だからこそ、TEEくんの書くフレーズには嘘がないんですよね。〈君との時間はPerfect Love〉〈死ぬ気で守ってやんぜ〉もそうですけど、この人じゃないと書けないなという歌詞ばかりだし、そこにまったく嘘がないからこそ、自分で歌うときも「嘘がない表現にしたい」と思えるというか。もし自分で書いていたらもっと遠回しな表現になったと思うし、TEEくんにお願いして本当に良かったと思います。

ーーちなみにSWAYさんがカナダに行った理由は何だったんですか?

SWAY:もともとはアメリカに行こうと思ってたんです。僕は飛行機が苦手で、12時間も乗ってるのはつらすぎるから、「1回向こうに行ったら、できるだけ長く滞在したい」と思って。ビザのことを調べてみたら、カナダのほうが長くいられるから「じゃあ、そっちにしよう」と決めました(笑)。当時はなぜか「JAY-Zのライブ以外でアメリカには行かない」と思ってたんですけど、なかなかチャンスがなくて。結局、初めてJAY-Zのライブを観たのは日本のサマソニでした(笑)。

ーーJAY-Zのどんなところに惹かれていたんですか?

SWAY:すべてですね。音楽はもちろん、ビジネスの考え方だったり、自分をブランドにするやり方だったり。めちゃくちゃたくさんの人が「JAY-Zと仕事をしたい」とがんばっていたと思うし、自分もそういう人間になりたいな、と。まわりの人たちを動かせるアーティストというか……日本でいうとAK-69さんがそうですよね。

ーーAK-69さんはアルバム収録曲の「XXX feat. AK-69 & HIROOMI TOSAKA」に参加してますね。

SWAY:はい。SHOKICHIと同じで、このコラボもまだ早いと思っていたんですよ。でも、EYELANDというフェスでご一緒したときに、打ち上げの席で「SWAY、アルバム作るんでしょ? 何で俺を呼んでくれんの?」と言われて。「え、いいんですか?」って言ったら、「やろうよ。リリックも書かせてよ」と。そうなったらNOとは言えないですからね。翌日「お酒の席の話じゃないですよね?」って確認の電話を入れさせてもらいましたけど(笑)。登坂くんは僕がLDHに入る前からSHOKICHIに紹介してもらっていて。同い年というのもあるし、すぐ意気投合して「何かやれたらいいね」って言ってたんですよ。この曲ではタイトルにある3つの「X」ーーAKさん、登坂くん、僕の3人のクロス(X)ポイント、その地点をゼロとしてゴールを示す10(X)、そしてゴールにたどり着くXデーを表現しています。

ーーSWAYさんにとって、AK-69さんのすごさとは?

SWAY:とにかく、めちゃくちゃ影響を受けてるんですよね。最初に知ったのはDJ PMXさんのアルバムだったんですけど、「最初のヴァースは歌、2番目のヴァースはラップ」という二刀流のスタイルで「とんでもない人がいるな」と衝撃を受けて。カナダに行っていたときも、親に頼んでCDを送ってもらってました。地元の名古屋をレペゼンしながら活動しているところも影響を受けてますね。ずっと東京に憧れていたんだけど、AKさんを知ってからは、札幌出身であることに誇りを持つようになりました。Def JamにつないでくれたのもAKさんだし……。今回書いていただいたリリックもすごかったです。〈イモってちゃゴールないぞ〉というフレーズは、自分自身に向けられてると思ってますね。

ーーアルバムのタイトルチューン「Unchained」はSALUさんのリリック。トラックはSALUさん、JIGGさんが担当しています。

SWAY:僕の“夢ノート”に「いつかJIGGくんと曲を作る」という項目があって、それがやっと叶いました。ミーティングの場で“Wireless”というテーマが出てきて、それをSALUくんに伝えたら「“Unchained”はどう?」と提案してくれて。僕はDOBERMAN INIFINITYのグッズのデザインをやらせてもらってるんですが、チェーンをモチーフにしたものが多いんです。“解き放たれる”という意味も今の自分に合ってるなって。

ーー逆に、何かに繋がれてしまって、思うように動けない時期もあった?

SWAY:めちゃくちゃあったし、常にあると思います。たとえば活動が忙しくなれば、時間にしばられる場面もあるだろうし。でも、それは自分の捉え方次第だと思うんです。“しばられている”と考えるのではなくて、その鎖をつたって、綱渡りように進んでいこうと思えばいいわけだから。そういう強い気持ちは、「Unchained」のSALUくんの歌詞からも受け取りましたね。たとえば〈お前が俺に何を言ってこようが I just don’t care〉というフレーズは歌うたびに強くなれる気がするし、〈この太めのチェインは飾る為じゃなく/己の価値を感じる為さ〉というラインもヤバいなって。やっぱりすごいですよね、SALUくん。

■ヒップホップに興味を持ってもらうきっかけになれば

ーー「Camouflage U」はアルバムで唯一、SWAYさんが歌詞を書いた楽曲。

SWAY:作曲はSUNNY BOYくんなんですけど、彼も同い年で、以前からつながりがあって。僕は札幌から、SUNNY BOYくんはハワイからトランク一つで東京に来て、会えば必ず「ここで成功しよう」と話していたんです。今回も曲をお願いしたら、すぐに「いつあいてる?」って連絡をくれて。歌詞に関しては、このトラックを聴いた瞬間にイメージが湧いてきて、「“Camouflage U”というテーマで書いてみよう」と思ったんですよね。けっこうすらすら書けたんですけど、2番のサビの最後のほうだけ思いつかなくて、そこだけ空けてあったんです。その前のラインが〈舐め合うように〉だから、同じように韻を踏みたいんだけど……ってSUNNYくんに相談したら「“眠れない森”はどう?」とアイデアをくれて、〈抜け出せない 眠れない森〉というフレーズになって。そこだけ共作です(笑)。

ーーこの曲、青山テルマさんも参加してるんですね。

SWAY:あ、そうですね。一緒に曲を作っていた時期、SUNNYくんはテルマのアルバムの制作も重なってたんですよ。テルマが「Camouflage U」のトラックを聴いて、「めっちゃいいじゃん。歌わせてよ」って言ったみたいなんです(笑)。そのボーカルがすごく良かったから、そのまま残すことにして。お互いにつながりがあるからこそ実現した“隠れコラボ”ですね。

ーーこのアルバムが完成したことで、ソロアーティストとしての展望も見えてきたのでは?

SWAY:そうですね。「これが自分です」と言えるアルバムになったし、求められる限りは絶対に続けたいなと。死ぬまで歌いたい楽曲ばかりなので、ぜひパフォーマンスもやりたいです。人に書いてもらったリリックを覚えるのは大変なんですけど(笑)、がんばります。

ーー優れたヒップホップアルバムだし、この作品を入口にしてヒップホップに興味を持つ人も多そうですね。

SWAY:僕の役割はそこだと思ってるんですよね。僕は役者やデザインもやらせてもらっていて。それらはもともとは生きていくためのツールだったり、表現の幅を広げるために始めたものでもあるんですけど、すべての活動を通してSWAYという存在を知ってもらえるきっかけが増えたことで、ヒップホップに興味持ってくれる人もいるんじゃないかなって。このアルバムを聴いて、AKさんやSALUくんのすごさに初めて触れる人もいるだろうし、「ヒップホップはヤバい音楽で、そのなかにはヤバい人がたくさんいるんだ」と気付いてもらえるかもしれないなと。実際、「DORBERMAN INFINITYをきっかけにしてヒップホップにハマりました」というファンの方もいますからね。

ーーフジロックにケンドリック・ラマー、サマーソニックにチャンス・ザ・ラッパーが出演する年ですからね。

SWAY:すごいですよね。ファッション界でも、ヴァージル・アブローがルイ・ヴィトンのアーティスティック・ディレクターになったり。世界的にヒップホップに対する注目が集まっているタイミングなので、僕らにとっても大きなチャンスだと思っています。

Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play