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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

『映画 少年たち』で発揮されたジャニーズJr.の底力 “名バイプレイヤー”関ジャニ∞ 横山裕にも注目

リアルサウンド

19/3/31(日) 10:00

 1969年の初演から半世紀。ジャニーズの伝説の舞台が映画化ーー『映画 少年たち』が3月29日より公開されている。

 本作はジャニー喜多川製作総指揮の元、本木克英監督を迎えて、東西のジャニーズJr.が集結。演技はもちろん、歌とダンスを織り交ぜて魅せるミュージカル作品に仕上がっている。公開が始まったばかりの今、作品のみどころを紹介していこうと思う。

■映画『少年たち』の原作はジャニー喜多川

 原作はジャニー喜多川。1969年の初演から50年の時を経て映画化されるというジャニーズの歴史に残る記念すべき作品だ。1975年以降、上演が途切れていたが2010年に大阪松竹座、東京日生劇場で復活。これまでにKis-My-Ft2やA.B.C-Z、ジャニーズWESTが出演してきた。

 今回、映画化にあたって出演するのは、ジャニーズJr.のSixTONES、Snow Man、関西ジャニーズJr.のなにわ男子(西畑大吾)、向井康二(現・Snow Man)、室龍太、Aぇ! groupのメンバーを中心に、HiHi Jets、美 少年、5忍者、宮近海斗、中村嶺亜。さらに、A.B.C-Zの戸塚祥太、関ジャニ∞の横山裕も加わり、これぞジャニーズ映画! という豪華さだ。

 物語は2012年の少年刑務所。奈良県にある重要文化財・旧奈良監獄で撮影が行われた。心に深い傷を負い、それぞれの事情で収監された少年たちの葛藤や抵抗、衝突、友情といった若さゆえの衝動と、心の動きを描いている。

 赤房をSixTONES、青房をSnow Man、黒房をなにわ男子の西畑大吾、関西ジャニーズJr.の室龍太、彼らを中心にストーリーが展開する。もはや主演という概念が崩れるほど、これでもかという数のキャストJr.が登場する。

■ジャニーズJr.の底力

 このところ大きな変革期を迎えたジャニーズのアイドル。一部報道では、若手が育っていないと懸念するコメントも度々耳にした。普段、ステージを観ているファンからすれば、全く見当違いなコメントだが、世間からすれば目に触れる機会は少ないわけで、そうした意見が飛び出すのも致し方ない。

 しかし、本作品を観ることで、それは杞憂に終わるはず。アイドル特有の華やかさはもちろん、これまで数々の舞台や作品への出演を通して下積みを重ねてきた彼らならではのダンスパフォーマンスは圧巻だ。ユニットごとに特色が色濃く出ており、例えばSixTONESのオシャレでパワフルさを武器にしたパフォーマンスもあれば、Snow Manの精巧かつダイナミックなダンス、ユニットごとに観ても、一人にフォーカスを当ててもよし。何度でも観ていられる。

 「ここで踊りだす!?」という唐突な設定にジャニーズらしさを感じつつ、そんな驚きもつかの間。視界いっぱいに広がるダンスパフォーマンスにくぎ付けにされる。

 中でも特に、冒頭の1カメ1カットで撮影された8分間のダンスシーンは見もの。失敗が許されない緊張感は観客席にも伝わってきた。スクリーンに映し出されるキャスト、画角から外れていくキャストからも目が離せず、8分があっという間に過ぎていった。見落とした部分があるはず、と気になって繰り返し観たくなる。

 本作で演技の面から後輩たちを牽引しているのは、関ジャニ∞の横山。少年刑務所の看守長という役どころで、まるで何かが憑依したかのような演技でストーリーを引き締めていた。名バイプレイヤー・横山としての仕事ぶりにも注目だ。ドラマ『絶対零度 ~未然犯罪潜入捜査~』や『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』(ともにフジテレビ系)で刑事役を演じてきたが、セリフがない場面でも目を引く存在感を発揮していた。本作でも、少年たちとの対峙を通して感情をぶつけられるのだが、横山の威圧感たっぷりの演技があるからこそ、彼らの演技が鮮やかに映っていた。

 このところ増加傾向にある純愛ストーリーやラブコメディとは一線を画す、硬派な仕上がりとなった『映画 少年たち』。ジャニーズJr.が多数出演し、ジャニーズの魅力がギュギュっと詰まった作品であり、ここまでジャニーズの世界にどっぷりと浸れる作品も珍しい。

 舞台作品とは違った角度から楽しめ、初演から50年たった今映画化される意義を感じる作品に仕上がっている。(文=柚月裕実)