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細野晴臣と安部勇磨が語り合った『HOCHONO HOUSE』の魅力「宝物を開けた感覚でした」

リアルサウンド

19/3/25(月) 20:00

 細野晴臣がMCを務めるラジオ番組『Daisy Holiday!』(InterFM、3月17日O.A.)、never young beachが水曜日のナビゲーターを担当する『THE KINGS PLACE』(J-WAVE、3月20日O.A.)で、細野と安部勇磨(never young beach)が細野晴臣の新作『HOCHONO HOUSE』について語り合った。

 『Daisy Holiday!』には安部がゲストとして出演。1973年にリリースされた『HOSONO HOUSE』を細野自身がリアレンジ、新録した『HOCHONO HOUSE』制作の直接のきっかけが安部の言葉だったこともあり、オープニングで「感動というか感謝しかなくて。まだこんなすごいものを聴かせてくれるか! と」と感想を伝えた。

 「音もすごく新しくて、“これ、どうなってるんだろう?”と宝物を開けた感覚でした」という発言に対し、細野は「『恋は桃色』なんて、ピコピコいってるでしょ? (アレンジしているとき)安部くん、どう思うかな? って。驚いてもらえたら成功」とコメント。

 続いて「『HOSONO HOUSE』のアナログ盤を聴いたら、すごくいい音だったって言ってたでしょ? どこが良かったの?」と細野が質問すると、安部は「きれいに鳴ってるのがいい音ではなくて、過程が音に出ていたり、魔力みたいなものが宿ることがあるんだなと」と回答。「こうなんだとはっきりわからないことがおもしろいんだよね」と細野が返すと、安部は「わからないからこそイメージをかきたててもらえる。それがすごく魅力的で」と感慨深そうに話した。さらに『HOSONO HOUSE』のデモ音源がいまも残っていて、それが『HOCHONO HOUSE』のアレンジのもとになったという話から、「え、デモが残ってるんですか?! 聴きたいです!」と安部が興奮気味に詰め寄る(?)場面も。

 その後、安部が「『僕は一寸・夏編』」の〈嵐の中を歩くのが好き/坂を登れば/きっと景色が変わる〉という歌詞を聴いて泣いたと告白。「若いのに……。だんだん恥ずかしくなってきた」「でも、作ってよかったよ」と苦笑いする細野とのやりとりも印象的だった。

 また、アルバムのブックレットに掲載されているセルフライナーノーツに歌詞のことにあまり触れられていないことを指摘されると、「歌詞については触れないようにしてるんだよね。恥ずかしいし、はっぴいえんどには大作詞家(松本隆)がいたからね。でも、密かにね、自分の詞は捨てたもんじゃないと思ってるけどね」と答えた。

 一方、『THE KINGS PLACE』には細野がゲストとして登場。ここでは安部が『HOCHONO HOUSE』制作に関するマニアックなトークを展開。まず「細野さんの声のエア感、響きの豊かさ、これは一体なんでなんだろう? と。歌うときのマイクの距離感はどうなんですか?」と質問。細野が「場合によって違うけど、大体近いかな」「今回はリボンマイクを使うことが多かったかな。『僕は一寸・夏編』はコンデンサー(マイク)だったけどね、珍しく。ちっちゃい声だったから、かなり近いところで歌った」と答えると、安部はすかさずメモを取る。

 さらにテーマは使用した機材について。「基本的には20〜30年前の機材なんだよ。これが必要だと思ったのは、ミックスするときのアプリケーション。iZotopeという会社のOzoneなんだけど、それを今回、途中でダウンロードして。もうひとつ、Studio Oneというアプリも使った」「ただ、『HOSONO HOUSE』は70年代のアルバムだから、その雰囲気を残しつつ、変えていきたいと思って。まあ、これは後付けの理屈なんだけど(笑)」と興味深いエピソードが続いた。

 続いては「恋は桃色」のアレンジについて。「これは打ち込みですが、他の選択肢もあったんですか?」と聞かれ、「いや、“打ち込みでやる”って小山田(圭吾)くんに言っちゃたから。他の曲は安部くんの顔が見えていたんだけど、この曲や小山田くんの顔が見えてたかな。驚かせたくなっちゃって」と回答。さらに「いまのハリウッド映画、ヒップホップなどの音はすごいと思う。自分がそれをやるかっていうと、ちょっとわかんないけどね」「自分なりの音を編み出したいというのはあるね」とコメントした。

 番組後半では、細野のデビュー50周年について言及……と思いきや、なぜか細野の幼少期の話へ。「みんなは野球をやってたけど、僕は見てただけ。チームプレーが好きじゃない。キャッチボールは好きだったんだけど」「一人遊びが好きだったよ。崖から飛んだり。『少年ケニア』が大流行していて、そのマネをしてたんだけど」という話で盛り上がり、「細野さんの音楽のフィジカル感、筋肉が動いている感じは、そこから来てるのかも(笑)」と安部も嬉しそうにトークを展開した。

 最後はnever young beachの新作『STORY』の楽曲を聴き、細野に「ちょっと大人になってきた」「素直で素朴で“はっぴいえんど”みたい」と言われた安部は「嬉しいです!」と大感激。

 ラジオ収録の後、安部は「野暮かもしれないけど、聞きたいことどんどん聞こうと思って。マイクの距離とか使ってる機材とか。ラジオを聞いていてわからないことがあれば、調べてもらえれば」と話し、細野も「そうだよね。ふだん聞かれないことが多かったから、おもしろかった」とコメント。30才以上離れた細野、安部の音楽的なつながりが感じられる貴重なプログラムとなった。

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

■リリース情報
『HOCHONO HOUSE』
発売:2019年3月6日(水)
価格:¥3,000(税抜)
<収録曲>
1. 相合傘~Broken Radio Version~
2. 薔薇と野獣
3. 恋は桃色
4. 住所不定無職低収入
5. 福は内 鬼は外
6. パーティー
7. 冬越え
8. 終りの季節
9. CHOO CHOO ガタゴト・アメリカ編
10. 僕は一寸・夏編
11. ろっかばいまいべいびい

■ライブ情報
『Circle’19』
5月19日(日)福岡・海の中道海浜公園

『Haruomi Hosono Concerts In Us』
5月28日(火)Gramercy Theatre, New York, NY
5月29日(水)Gramercy Theatre, New York, NY
6月3日(月)Mayan Theater, Los Angeles, CA

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