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『おっさんずラブ』は一つのジャンルとして確立? ファン殺到する公式展覧会の担当者が語る

リアルサウンド

18/12/13(木) 19:00

 放送終了からおよそ半年が経った現在も、ドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)のブームが過熱し続けている。

 2016年の年末深夜に単発ドラマとしてスタートした『おっさんずラブ』は、2018年に連続ドラマ化され、主演に田中圭、ヒロインに吉田鋼太郎、恋のライバルに林遣都を迎えた、男性同士の恋愛を描いた作品。今年4月期に放送された、たった7話の短いドラマであったが、回を増すごとにSNSを中心に反響を呼び、土曜日の23時15分スタートという深夜ドラマながら、第6話、最終回の第7話では「おっさんずラブ」というワードがTwitterの世界トレンド1位をマークするほどの、圧倒的なファンの熱を示す形でフィナーレを迎えた。

参考:『おっさんずラブ』28歳若手Pが語る、大反響の裏側

 その人気に応え、8月には「土曜ナイトドラマ『おっさんずラブ』公式ブック」(文藝春秋)を刊行。予約殺到の緊急重版で累計発行部数は15万部を記録している。最近では、12月3日に発表された「2018ユーキャン新語・流行語大賞」のトップテンに「おっさんずラブ」が選出され(参考:https://www.jiyu.co.jp/singo/)、そのニュースに続くように7日には2019年夏『劇場版 おっさんずラブ(仮)』の公開が発表となったのは記憶に新しいところだろう。

 放送後、ファンの思いの一つのはけ口として9月に始まったのがドラマの公式展覧会『おっさんずラブ展~君に会えてよかった。~』。ドラマの撮影で使用された小道具、名シーンの場面写真の展示、グッズの販売など、ドラマの世界観を存分に味わえる空間となっている。東京・GALLERY X BY PARCOを皮切りに、大阪・hmv museum 心斎橋、愛知・パルコギャラリーを巡り、現在は東京凱旋会場としてタワーレコード渋谷店 SpaceHACHIKAIにて、12月16日まで開催されている。展覧会にはドラマ内で春田創一(田中圭)が着ていた天空不動産のマスコットキャラクター・てんくぅんの着ぐるみがお出迎え。天空不動産のデスクやホワイトボード、春田と黒澤武蔵(吉田鋼太郎)の結婚式に用意されたウェルカムボード、春田家を再現したセットなど、放送を思い出させる数多くのアイテムが展示されている。今回、展覧会には劇場版が発表される前の平日、日中に訪れたのだが、その時間帯でも多くのファンが展覧会を楽しんでいたことに驚かされた。

 なぜ、『おっさんずラブ』はこれほどまでにファンを惹きつけ離さないのか。SpaceHACHIKAIの展覧会担当であり、販売担当専任部長の月足敦人氏に反響を聞いた。

「最も刺さっている年齢層は30~40代の女性で、その次に20代、親子連れで来ている40代のお母様と10代の娘様も見受けられます。チケットも平日の昼間、10時30分~13時までが一番売れていて、これまでの展覧会にはなかった動きです。夕方以降に忙しくなるいわゆる主婦層の方が多いのが理由かもしれません」

 展覧会にはリピーターも多く、ほぼ毎日訪れているファンや1日3回観に来る方もいるのだとか。月足氏は2003年、日本に韓流ブームを巻き起こしたドラマ『冬のソナタ』を例に挙げ、ファンの熱量や作品の掘り下げ方について、「作品も違いますし、10年以上経っているので世代も違いますけど、それに匹敵するほどに『おっさんずラブ』という一つのジャンルみたいだなと感じます」と話す。

 『おっさんずラブ』は8月刊行の公式ブックに始まり、9月には展覧会の全国巡業がスタート。10月1日にはNetflix、Huluなどでのストリーミング配信が解禁になり、同月5日にはDVD&Blu-rayが発売。11月1日にコミカライズとして女性マンガ誌『BE・LOVE22号』が連載スタートし、7日に流行語大賞ノミネートと、毎月何かしらの発表があり、ファンには嬉しい日々が続いていた。

「ファンの熱が冷めない状況を狙いつつプラスオンもあり、『おっさんずラブ』について気にしていられる状況がずっと続いていましたね。GALLERY Xで開催していた時は前売り券が2時間くらいで完売して行きたくても行けない方が多かったと聞いていたので、今回、東京での展覧会は2回目でしたけどやっと行けるという声も多く、すごく強いコンテンツだなと認識しています」

 公式ブックには、脚本家の徳尾浩司とプロデューサーの貴島彩理による「おっさんずラブ 制作秘話」が対談形式で掲載されているが、後半では撮影の際の画角や細かなアイテム演出、愛の溢れた脚本と、ファンにも負けないスタッフの“おっさんずラブ愛”が展開されている。それは、展覧会で販売しているグッズにも表れているという。

「今回の展覧会からグッズでオリジナルシュシュを3種類販売しているのですが、制作チームの方がものすごくこだわって作っていて、牧くんの実際に着ていた衣装と同じ生地を探してきて作ったシュシュなんです。春田さんのは全く同じ生地は見つからなかったんですけど、ほぼ同素材のものを見つけてきました」

 ファンの熱量に比例するように、スタッフの作品への思い入れも増しているようだ。Twitter Japanが発表したテレビ部門の「もっとも使われたアカウント」には『おっさんずラブ』の公式アカウントが1位を制した。Twitterの世界トレンド1位は、日本のみで局地的に盛り上がっていたわけではなく、韓国、台湾、香港の各配信プラットフォームで、放送クールにおける日本ドラマの視聴数ナンバーワンを記録するなど、アジア圏を巻き込む人気を獲得していたのだ。

 来年1月には、映画化を記念して全話一挙放送『おっさんずラブ 映画化決定記念!新春イッキ見SPだお』(テレビ朝日系)のオンエアも決定。来夏の公開に向け、少しづつ劇場版の詳細も明らかになっていくだろう。『おっさんずラブ』のブームは、まだまだ熱を帯びていきそうだ。

(渡辺彰浩)

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