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いま、最高の一本に出会える

“異例”の『半分、青い。』から“王道”の『まんぷく』へ 平成最後の朝ドラへの期待

リアルサウンド

18/10/1(月) 6:00

 NHKの連続テレビ小説『まんぷく』が、いよいよ本日よりスタート。第99作目の朝ドラとなる本作は、安藤サクラがヒロインを務める。『半分、青い。』(NHK総合)とはガラッと変わった舞台、世界観で、来年の3月まで日本の朝を明るく彩る。それではここで、本作の見どころを少し覗いてみよう。

●安藤サクラが演じる王道ヒロイン
 安藤演じる今井福子は、三人姉妹の末っ子。食べることが大好きで、どこか楽天的な一面があるヒロイン。本作は、福子が女学校を卒業したばかりの18歳から第1週がスタートする。カンヌ国際映画祭でも世界からその演技が評価されたように、今や名実ともに日本を代表する女優である安藤。屈託のない笑顔、周りを元気にさせる明るい存在感、観ているだけでホッとする大らかなキャラクターといった、平成最後の朝ドラヒロインを飾るのにふさわしい魅力を、百戦錬磨の演技力で自然と放っていく。そんな福子のフレッシュな一面、優しさ、力強さ、ひたむきさに、一日の元気を貰えるような演技を楽しみにしていきたい。

●『まんぷく』ワールドの概説
 昭和13年、戦前の大阪から物語は始まる。女学校を卒業した福子は、ホテルの電話交換手として働き始める。そんな中、ある事がきっかけで、後の福子の夫となる青年実業家・立花萬平(長谷川博己)との出逢いを果たす。順風満帆な人生が開けていく……と思いきや、予想外なことに、その後はまさしく七転び八起きの連続。2人が大成功と大失敗を繰り返しながら、インスタントラーメンという世紀の大発明に至るまでを、笑いあり、涙ありの物語として描いていく。安藤、長谷川ともに、これまで演じてきた役柄とは違う、新たなイメージをわたしたちに見せてくれそうだ。

●『半分、青い。』から『まんぷく』へ
 2018年度の朝ドラは、1971年から始まる『半分、青い。』と、1938年から始まる『まんぷく』という極めて対照的な作品で飾られたと言えよう。『半分、青い。』は北川悦吏子氏の、朝ドラに“革命”をもたらすとの言葉が示したように、異例の展開、台詞、スピードの連続で、確かにある種の新風を吹き込んだドラマだった。バブル経済、金八先生、トレンディードラマ、100円ショップ、ガラケー、浅田真央、東日本大震災などなど。近現代と呼ばれる括りの中でも、比較的最近の“歴史”の中での物語であった。その中で、『半分、青い。』の主人公・鈴愛(永野芽郁)は、友情を育み、夢を追いかけ、恋をして、あるべき生き方を探り続けた。

 一方、『まんぷく』は戦前から幕を開け、戦中、戦後といった日本の激動期を生きるヒロインが描かれる。それゆえ、今井福子の人生は、鈴愛のそれとは幾分違った視点から映し出されることになるのであろう。鈴愛と福子では、何に価値を置くか、あるいは何を理想と思うかについては異なるところがあるかもしれない。だからこそ、恐らく主人公のキャラクター像にも(歴代のヒロインの中でも鈴愛はだいぶ“印象的”であったが)それだけ違いが表れることだろう。

 ただ、時代やキャラクターが違えどもヒロインの女性はいつも、汗を流し、葛藤し、思い悩み、夢を抱き、そして各々の一生の中でかけがえのない生き方を手に入れようとしてきたものだ。落語家を目指す女性であれ、漫画家の妻であれ、アイドルの女の子であれ、翻訳者であれ、自分なりに一生懸命になって波乱の人生を潜り抜けてきた。そして、今回の今井福子の生き方もまた、日本中の視聴者に感銘を与えていくことになるだろう。平成朝ドラの総決算として、どんな描かれ方がなされるのか、しっかりと見届けよう。

(國重駿平)

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