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いま、最高の一本に出会える

吉沢亮は徐々に自信をつけ、杉野遥亮はその逆をいく 『あのコの、トリコ。』2人の違った魅力

リアルサウンド

18/10/17(水) 10:00

 映画『あのコの、トリコ。』は、吉沢亮と杉野遥亮の違った魅力が交錯するラブストーリーだ。吉沢といえば、小栗旬に「すげぇキレイな顔」、伊勢谷友介に「この顔で女の子だったら好き」と言わしめるなど、芸能界屈指の美顔の持ち主。そんな吉沢が、本作で演じる鈴木頼は、地味で冴えないメガネ男子。物語は、頼が幼い頃に大好きだった立花雫(新木優子)と、高校生になって再会するところからスタート。頼は女優を目指して奮闘を続ける雫に再び恋に落ち、「雫のためならなんだってできる」と自分の殻を打ち破り、カッコよく変貌を遂げていく。

 先述の通り、吉沢の美貌はお墨付き。となれば、やはり注目すべきは、いかにして“冴えない頼”を作り出したのか、だろう。初日舞台挨拶の際に新木が「何もしないとキラキラがあふれてしまうんですけど、それを隠しているところにキュンとしました」と話していたが、たしかにメガネをかけた程度では、吉沢の美しさは漏れてしまう。むしろ、イケてるメガネ男子として、母性を刺激することだって大いにあり得ることなのだ。

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 だが吉沢は、常に猫背でリュックのベルトを握りしめ、周囲を気にしながらオドオドと歩き、瞳を左右に細やかに動かすなど、持ち前の演技力で本来の魅力を抑え込む。そうして、メガネを外して美顔を放出する瞬間にやってくる、最上級の「キター」感。演技がうまいだけではダメ、顔が美しいだけでもダメ。これは、その両方を持つ吉沢だからこそ表現できたギャップといえるだろう。

 そんな吉沢の恋敵となる、もう1人の幼なじみ・東條昴を演じるのは杉野遥亮。昴は幼いころからスマートで、今では大人気の若手俳優。すらりと伸びた手足に高身長、切れ長な瞳も眩しい、こちらも文句なしの容姿端麗さである。

 注目したいのは、移りゆく感情の見せ方。ファンや記者の前に立つ人気俳優としての昴は、キラキラと輝き、自信に満ちていて隙がない。ところが雫の前では、どこか“強くてカッコイイ自分を演じている”ようにも見える。それは、雫の中で頼の存在が大きくなっていくことを感じれば感じるほど顕著になり、自信と不安が共存するような表情へ。一方、頼に見せるのはいつだってクールな態度。原作とは異なる設定だが、これによって頼と昴の対比が際立つように。そして、頼と昴が対峙する長回しのシーンでは、頼への呆れたような、それでいて焦りを感じているような声色も印象的だ。

 徐々に自信をつけていく頼と、その逆をいく昴。違った強さと弱さを持つ2人をたっぷりと堪能できるのは、間違いなく映画の大きな醍醐味といえる。そして、どちらに転んでも超絶イケメンが待っているという、うらやましき雫を演じる新木もまた、至るところでかわいらしさが炸裂。笑顔がチャーミングな新木が扮するからこそ、「僕の全部は、あのコの笑顔のためだから」という頼の心の声にも納得するのみ。物語が男性(頼)目線で進むのも新鮮で、それにより喜怒哀楽がわかりやすい雫の愛らしさが、さらに引き立つのだろう。

 王道のラブコメだが、自分の思いにまっすぐに生きる頼の奮闘記という側面もある『あのコの、トリコ。』。頼を「がんばれ」と応援しながら、内気な彼が思わぬところで繰り出す男気ある行動やパワーワードに、心が持って行かれるというのも作品の魅力である。正直なところ、昴好きの筆者としては、もう少し昴の“チャラさと愛嬌”が伝わるエピソードを描いてほしかったという思いはあるが、得も言われぬ3人の関係性はすべて、エンドロールに凝縮されているとも思えた。ただの幼なじみではなく、同じ芸能界で夢を追う頼、雫、昴の関係性は物語の要。エンドロールの最後の最後まで、しっかりと見届けることをおすすめしたい。

(nakamura omame)

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