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星野源、アルバムタイトル『POP VIRUS』の真意 ジャケットにも言及した『ANN』を聞いて

リアルサウンド

18/10/25(木) 7:00

 『星野源のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)が10月23日に放送。同日早朝に発表されたばかりの新アルバム『POP VIRUS』や、5大ドームツアー『星野源 DOME TOUR 2019「POP VIRUS」』について語った。

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 星野は「来られなかった方が、前回のツアーであまりにも多かった」「もっとたくさんの人にお届けしたいなと」とドームツアーの経緯を話し始めた。星野は、前回のツアー『星野源 LIVE TOUR 2017「Continues」』で体調を崩しながらもライブを行っていたことを明かし、これ以上日数を増やすことは困難であることから、今回は会場を大きくすることにしたという。

 また、ドームツアーを開催することについては「14歳から曲を作り始めて、ドームに立つことを想像したことが1回もないような、全く別次元の話というか」とし、「いわゆるメジャーと呼ばれるレコード会社さんからCDが何枚も出せるような歌を歌う人間になるとは、まったく思っていなかったので。本当に人生はすごく面白いなと」「ここまで連れてきてもらった仲間たちとかメンバーとか、何よりファンの皆さん、あとファンでない皆さんね(笑)。そういう方も含めて、感謝を込めまして、面白いライブができたらなと思っております」とライブの意気込みを語った。また、星野は「初期の死ぬほど暗い曲をドームでやるっていうのは、すごい楽しみなんだよな」と何か企んでいる様子を見せた。

 リスナーからのメールを読み終えた星野は、『POP VIRUS』について話し始める。同アルバムは、「恋」や「アイデア」などを収録した3年ぶりとなる作品。明るさを感じさせる“ポップ”というワードと、ダークな印象を持つ“ウイルス”というワードを合わせた異色のタイトルとなっている。今作のタイトルに関して、街を歩いていてふと浮かんできたという。

 星野は、『YELLOW DANCER』によって、自分の音楽が世の中に伝わっていく感覚を持てたが、その後「恋」がさらに大ヒットし、日本中に同曲が浸透していったことがパンデミックのような体験だったと明かす。そんな世間の様子を見て、ウイルスに感染しているように思えたとのこと。

 続けて星野は「日本の音楽シーンを「体」とした場合、J-POPという「免疫」を破壊して、自分が「細菌」になって入った感覚があったんですよね。それがまた新たなJ-POPという「免疫」になっていくという感覚がありまして」とタイトルについて語る。しかしその翌年(2017年)は、とても苦しい1年を過ごしたという。「ポップな存在で居続けようとすると、自分のなかで逆にウイルスに感染していってる感覚があるというか。自分が病んでいったそのウイルスを“ポップウイルス”と名付けてもいいんじゃないかって」と話し、この3年間のマインドを表してるアルバムになっていることを打ち明けた。

 また、“ポップウイルス”という言葉は、エディター/ライターの川勝正幸が、かつて使用していたとのこと。川勝正幸著書『ポップ中毒者の手記 約10年分』(1996年)の前書きには、世界中で同じタイミングで同じ音楽が流行るときがあり、その現象には“ポップウイルス”というものがあるとしか考えられない、と書かれているのだそう。星野はアルバムタイトルを思いついた際に「なんか聞いたことあるんだけどって思って。検索してみたんだけど出てこなくって。頭の中でぐるぐる考えて……川勝さんだ! と思って」とエピソードを話す。本書を愛読している星野は、川勝について「あらゆるカルチャーに対し“サブカル”というワードを絶対に使わず、敬意を込めて“ポップカルチャー”と伝えていた」と説明。川勝のポップカルチャーの楽しみ方に影響を受けたという。続けて星野は「今回のアルバムには、僕の中の“これはポップだと思う”、“暗い曲ですが、これもポップだと思うんだよね”っていうものが詰まっていると思う」と力説した。

 また、リスナーからのメールには、吉田ユニが手がけた『POP VIRUS』のジャケットデザインについてコメントが多く寄せられた。同ジャケットは、土で心臓を、動脈部分をビビッドな植物で表現したデザインとなっている。星野は吉田のアイデアに「“天才!”と思って。すげぇなって」「美しくて、温かくて、グロテスクなジャケットで……めっちゃかっこいいです」と絶賛。吉田といえば、星野楽曲のジャケットデザインでお馴染みのアートディレクター。皿や文房具などを使用し、人の頭部をデザインした『YELLOW DANCER』や、人のシルエットを形取った水たまりをベースにした『アイデア』など、独創的でエッジの効いたデザインを手がけている。星野は、同ジャケットはすべて完全実写であるとし、吉田の丁寧な仕事ぶりに感心している様子を見せた。

 デザインやタイトルから、陰と陽の二面性を感じさせる『POP VIRUS』。「アイデア」の2番パートのように内省的な要素が感じられる作品になるのかもしれない。音楽シーンに刺激を与えた『YELLOW DANCER』から3年。星野が新たに作るポップミュージックとはどのようなものになるのか。今から楽しみでならない。(北村奈都樹)

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