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クリストファー・マッカリーが語る、『M:I』の醍醐味 「ストーリーの中でアクションが生まれる」

リアルサウンド

18/8/5(日) 12:00

 『ミッション:インポッシブル』シリーズ最新作『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』が8月3日より公開中だ。トム・クルーズ演じる、スパイ組織IMFの超敏腕スパイ、イーサン・ハントの活躍を描いた本シリーズ。最新作『フォールアウト』では、イーサン・ハントと彼のチームが、盗まれた3つのプルトニウムを奪い返し、複数の都市の“同時核爆発を未然に防ぐ新たなミッション”に挑む模様が描かれる。

参考:サイモン・ペッグが語る、『M:I』ベンジーが愛される理由 「観客が思っていることを代弁している」

 リアルサウンド映画部では、ベンジー役のサイモン・ペッグのインタビューに続き、シリーズ史上初めて同一監督となったクリストファー・マッカリーにインタビューを行い、本作のストーリーやアクションについて、また前作『ローグ・ネイション』での経験をどう活かしたかなどを語ってもらった。

――前作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』に続いて今作でも監督を務めたあなたですが、このシリーズで監督続投となったのはあなたが初めてですね。

クリストファー・マッカリ-(以下、マッカーリー):実は僕はあまりやりたくなかったんだ。だから「毎回違う監督がやるという前例があるじゃないか」とトムにも言ったんだよ。でも彼は、「前例は壊していいものだ」と言ったんだ。そこで僕は、「もし2回目をやるのであれば、違う監督のように、前作とは全く異なるスタイルでやるよと彼に言ったんだよね。

ーーそういう経緯があったんですね。確かに『ローグ・ネイション』と今回の『フォールアウト』は、事前に情報を知らなければ違う監督が撮った作品と感じたかもしれません。

マッカリー:かなりのリスクを伴うと思ったけれど、『ローグ・ネイション』は『ゴースト・プロトコル』が作った、ある型にはめて作った。うまくいった成功例をあえて壊し、逆らうということをしたわけなんだ。本来、ハリウッドではやらないことをやったと言えるね。だから今回は、方向性を変えるために、よりダークで、よりエモーショナルな作品にしたかった。『ミッション:インポッシブル』シリーズは今までに5作作られているけれども、イーサンの内面を本当に描き出しているものは意外とない。『ローグ・ネイション』を作っているとき、トムもイーサンの内面をすごく知りたがっていたし、彼とのコネクションを持ちたいと悩んでいるのをすごく感じたんだ。だから、トムがもっと感情を出せる機会を与えられるストーリー、そしてキャラクターの描き方をしたいと思ったんだ。

ーートム・クルーズからは今回の作品において、何かオーダーはあったんですか?

マッカリー:トムに「今回、君は何がしたい?」と聞いたら、「いろんな人たちにイーサンの妻であるジュリアのことを聞かれるんだ。解決されていない問題があるから、それをちゃんと解決したい」と言われたんだ。その要望を受けつつも、これまでのシリーズを1本も観ていない人でも楽しめる映画にしたかったから、冒頭はジュリアを紹介するためだけの、アクションなしのシーンで始まるようにした。これはハリウッドでは伝統的にはやらないパターンだね。『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』以降、全てのアクション映画は、最初の10分はとにかくアクション満載で、その後ようやくストーリーが始まるという流れになっていると思う。だから今回の冒頭は、イーサンのキャラクターで始めようと決めたんだ。第1幕は、トムと僕が何層も何層も付け加えていったイーサンというキャラクターの紹介が大部分を占めてるよ。

――イーサンの内面が描かれつつも、アクションシーンもまたすごいことになっていますね。

マッカーリー:まだストーリーができていない段階でやってみようと言っていたものもあるし、脚本を書いている中でこういうのはどうだろうと思いついたものもあるね。ただ、やっぱり一番大事なのはストーリー。その中にうまくフィットするアクションじゃないといけないんだ。アクションが派手でスペクタクルだけど、それが全くストーリーに絡んでこないものだと、観客はすぐに飽きてしまう。だから、アクションをストーリーにハメるのではなくて、ストーリーの中でアクションが生まれるようにしているんだ。

ーートム・クルーズのアイデアで生まれたアクションはどれぐらいあったんでしょう?

マッカリー:トムが最初から絶対にやりたいと言っていたのはヘリコプターチェイス。スカイダイビングのヘイロージャンプのシークエンスも、トムと「いつかやりたいね」とずっと前から話し合っていて、ストーリーを作っていく中で「ここで入れるのはすごくいいかもしれない」ということになって入れたんだ。スカイダイビングのシーンはストーリーにおける必要性で生まれたものだけど、それによってストーリー自体も大きく変わっていったよ。

ーー『ローグ・ネイション』での経験は今回の『フォールアウト』にどのように活かされましたか?

マッカリー:『ミッション:インポッシブル』シリーズは三幕構成になっているんだけど、第3幕にはIMFのチームメンバー全員が揃っていないといけなくて、それをどうすればいいのかを『ローグ・ネイション』で学んだよ。簡単に聞こえるかもしれないけれど、どうしてみんなが集まっているのか、それぞれがどういう役割を果たすのか、そして今回は特にジュリアを第3幕に出すための理由も必要で、そういう全ての必然性を考えるのはものすごく難しかった。第3幕では、それまでに起こったいろんな問題を全て解決しないといけなかったけれど、本当に解決できるかどうか分からなかったし、撮影の数日前まで解決策が分かっていないときもあったぐらいだよ。

ーー撮影しながら決めていったというわけですね。

マッカリー:僕自身、誰がどこで何をすべきかという大体のアイデアはあったけど、具体的なものは直前になって決めたんだ。でも、ロケ地は確保してあるし、スケジュールも決められていたから、ストーリーがどうなるのかちゃんと分かっていなくても、とにかく撮影するしかなかった。『ローグ・ネイション』で学んだもうひとつのことは、いつ、どこで、どういう要素が必要で撮影を行うかをスタッフが知ってさえいれば、きちんと準備はできるということ。たとえ脚本が完成していなくても、彼らはそれぞれの役割をきちんと果たしてくれるんだ。だから今回、スタッフは完成した脚本を一度も読まずに撮影しているよ。そして完成した作品を観たみんなは、「こういう映画を作っていたんだ」「こういうストーリーだったのか」とびっくりしていたよ。ストーリーがネットにリークされなかったのは、僕たちがあえて秘密裏にしていたというわけではなく、誰1人知っている人がいなかったからなんだ。結果的にとてもいい方法だったと思っているよ。(取材・文・写真=宮川翔)

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