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嵐、ライブの“登場シーン”演出へのこだわり 15周年ハワイ公演~20周年記念ツアーから辿る

リアルサウンド

19/3/2(土) 6:00

 今年12月25日の東京ドーム公演まで、デビュー20周年を記念した5大ドームツアー『ARASHI ANNIVERSARY LIVE TOUR 5×20』を開催する嵐。同ツアーの追加公演は、4月13日の愛知・ナゴヤドームよりスタートする。

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 嵐のツアーといえば、セットリストやメンバー衣装が毎回大きな話題となっている。また、大掛かりなステージセットや作り込まれた映像演出には、彼らのファンでなくとも自然とその世界観に惹き込まれるものだ。そんな嵐のライブで、ファンが特に驚かされるのはメンバーの“登場シーン”だろう。ライブ開幕時は、客席の視線が最も集中しているため、大きなインパクトを与えられる。時にはライブ全体の方向性さえ固められる重要な時間帯だからこそ、嵐も並々ならない情熱を注いでいるようだ。本稿では、彼らがこれまで披露してきた登場シーンのなかより、特に印象的だった事例を振り返りたい。

 数あるステージのなかでも、ファンの間でも最も衝撃的だったのは、『ARASHI BLAST in Hawaii』だろう。同公演は、2014年9月にアメリカ・ハワイで開催された15周年記念ライブ。嵐は1999年9月にワイキキ沖にて、豪華客船上でのお披露目会見を開催しており、ハワイの土地とは非常に深い縁がある。

 そんな同公演タイトルに掲げられた“BLAST”は、“突風”や“爆音”を意味するスラング。その言葉にふさわしく、彼らの登場方法もグループ史上で最も驚きに満ちたものだった。この日、嵐が選んだ登場経路は、“空”。彼らはヘリコプターをチャーターして、ステージ裏まで空路での移動を試みた。彼らのスター性を語る上でこれが最良の選択と判断したのだろう。着陸後にマイクを受け取り、満を持してステージに登場する勇姿には、彼らが“国民的アイドル”と称される理由を察することができた。

 今年1月放送の『嵐ツボ』(フジテレビ系)では、嵐のマネージャーが「今までで1番驚いたコンサートの演出」としてこのシーンを紹介。その際には、この演出の実現までを振り返り、「いろんな困難があったが、それを乗り越えるグループの絆を感じた」と語られていた。しかし、当時のメンバーはステージ到着まで、サングラスをちらっと外して客席を大きく沸かせるなど、経験豊富なアイドルらしい“余裕”さえ感じさせていた。自身の努力をファンに見せまいとする姿勢もまた、いかにも嵐らしいといえる。

 また、2016年4月より開催のアリーナツアー『ARASHI“Japonism Show”in ARENA』冒頭には、嵐とファンの“繋がり”を強く実感させられる。同ツアーは、ドームライブが恒例の彼らにとって、当時およそ9年ぶりのアリーナ公演に。そんな記念すべきステージで、嵐が1曲目に選んだのは「ただいま」。同楽曲は、2016年5月発売のシングル『I seek/Daylight』収録曲で、同アリーナツアーに向けてメンバーの発案で制作された。“会いにきたよ”や“帰ってきたよ”というメッセージが、9年ぶりとなったステージにもふさわしい。

 ここで印象に残っているのが、メンバーが歌唱する姿を楽曲終盤までシルエットのみで映し出した演出である。彼らの背景に投影されるグループの過去映像や楽曲の歌詞は、ファンとの歩みを思い起こさせるものに。〈「ただいま」この時を待っていたよ〉や〈君の笑顔がいつの時も この胸の中にいるから〉といったメッセージ性の強い歌詞にも、客席も思わず涙を誘われたことだろう。

 楽曲も終盤に差し掛かり、大サビへの突入とともにメンバーにスポットライトが灯される。ここで初めて、メンバーが見せる満面の笑顔を目撃できたことで、ファンが大声援を起こしたのにも納得してしまう。嵐が「ただいま」を選曲したことをはじめ、同楽曲のメッセージを最大限に引き出していた舞台演出にも、ただただ感服させられる。

 最後に紹介したいのは、現在開催中の5大ドームツアー『ARASHI ANNIVERSARY LIVE TOUR 5×20』。ワイドショーなどでも報道済みの東京ドーム公演を例に見てみたい。

 同公演にて、メンバーは空中に吊られたゴンドラに乗って登場。ここまで紹介したなかで、最もシンプルな演出だろう。しかし、彼らが同ツアーに懸ける“本気度合い”を感じられるのが、その背後にあるステージセットだ。おそらく、メンバーの登場にあわせて、その後ろに降ろされた緞帳が視界に入ると思われる。この緞帳や衣装などには、約200万個のスワロフスキークリスタルがあしらわれており、映像や照明以外の方法でメンバーの輝かしい軌跡を彩るものに。

 また、同公演では彼らの両脇に、12.6m×横51mにも及ぶ約2083インチの巨大スクリーンも設置。最新テクノロジーを採用した映像トラッキングシステムも搭載されるなど、嵐のパフォーマンスにおける表現力を最大限に引き出していた。今回のツアーでもまた、嵐の登場シーンが強く印象付けられるに違いない。

 数々の趣向を凝らしたステージのなかでも、メンバーのこだわりを特に感じる“登場シーン”。次に彼らのステージを目撃できる日まで、これまでの演出を見返して改めて楽しむのも良いかもしれない。(青木皓太)