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いま、最高の一本に出会える

Newspeakが瑞々しい音楽とともに放つ不敵な色気 話題のバンドが見せた濃密なWWWワンマン

リアルサウンド

19/4/1(月) 18:00

 2年連続で『SUMMER SONIC』に出演を果たすなど、2017年の結成当初より大きな話題を集めている4人組ロックバンド、Newspeak。彼らの3rd EP『Maybe You’re So Right, Gonna Get My Shotgun』のリリース(ライブ会場限定)と、活動2周年の節目を祝したワンマン公演を3月15日、東京・渋谷WWWにて開催。当日は『Maybe You’re So Right, Gonna Get My Shotgun』はもちろん、すでに完売となり入手困難となっていた1st EP『What We Wanted』(2017年)のリパッケージ&リマスターを来場者特典に。終演後にはJAMESONのミニボトルが(成人者のみに)配布された。

 会場に到着すると、開演前からすでに大勢のファンがフロアを埋め尽くしていた。20代前半〜30代半ばの男女(比率は女性客が若干多め)の中に、外国人客もちらほら混じっている。定刻を10分ほど過ぎた頃、客電が落ちるとドラマティックなBGMとともにメンバー4人が登場。大きな歓声が湧き上がる中、まずは2018年リリースの1stミニアルバム『Out Of The Shrinking Habitat』から、「Monetized Love」で本公演はスタートした。

 キック、スネアを強調したSteven(Dr)のタイトなドラミングと、白いリッケンバッカーベースを抱えたYohey(Ba)のファンキーなリフが、組んず解れつのバトルを繰り広げ、その上で過剰にエフェクトされたRyoya (Gt)のギターが空間を埋め尽くしていく。Rei(Vo/Key)は、リバプールやロンドンを拠点に現地のプレイヤーたちと2年間、音楽活動をしていたというだけあって、80年代ニューウェイブや90年代インディダンスのイディオムを内包しつつ、それを現在進行形のロックミュージックへと落とし込む同時代的なセンスがアンサンブルの端々に溢れている。続く「24/7 What For」は、イントロのリズムに合わせてハンドクラップが自然発生。歯切れ良いカッティングから乾いたオブリ、そしてジョン・スクワイア(The Stone Roses)ばりのギターソロと、セクションごとに目まぐるしく変化していくRyoyaのギターが楽曲をドラマティックに盛り上げる。go!go!vanillasに在籍していた彼の、アレンジ能力もこのバンドの肝だ。

 早くもシンガロングで会場が一つとなった後、きらびやかなピアノから始まる「Beat Goes On」へ。どこか郷愁を誘うセンチメンタルなメロディや、少し上ずったようなReiのボーカルスタイルはどこかThe Cureの「Boys Don’t Cry」をも彷彿とさせる。かと思えば「Reveal It」のオープニングでは一転、拡声器から流れるマントラのような、トライバルかつ不穏なメロディを荒々しくシャウト。バックライトが4人の姿を映し出すと、フロアのボルテージは一気に跳ね上がった。間髪入れずに繰り出すリズムは音源よりも数段アグレッシブで、RancidやBlink 182、New Found Gloryといったパンクバンドをルーツに持つリズム隊の真骨頂といったところだ。さらに中盤のギターソロではミラーボールが回り出し、オーディエンスを異国の地へと誘った。

 序盤から大盛り上がりの展開に、思わず「かっこいいね!」と第一声。「今日はイケてるバンドと、イケてるお客さんと、イケてるパーティーにしたいと思います。みなさん準備はいいですか?」とReiが煽り、会場は大きな拍手に包まれた。

 そして演奏されたのは、この日にリリースされたEPから表題曲の「Maybe You’re So Right, Gonna Get My Shotgun」。「僕らとしてもチャレンジした曲なので」とReiがMCで話していたように、広大な大地をイメージさせるスケールの大きなサウンドスケープと、サビの掛け合いコーラス、マーチングリズムを導入したドラムが混じり合い、どこまでも高みへと昇り続けていくようなユーフォリックな楽曲だ。Stevenによるカウントシャウトで始まった「Perfect Trouble」は、昨年JAMESONのキャンペーン楽曲として期間限定でフリーダウンロード配信された新曲。Reiのシンセによる、どこかオリエンタルなフレーズが琴線を揺さぶる。UKロックに通じる同時代的なセンスを持ちつつ、日本人の叙情性に訴えかけるポップセンスを併せ持っているところも、Newspeakの大きな魅力の一つといえよう。

 ドリーミーかつサイケデリックな音像の「Watch Me Blaze」や、ファルセットを駆使したメロディが美しい「Wall」、ポップなミドルチューン「Wanna Stay」など、「歌とメロディ」を基軸としつつも様々なアレンジで引き出しの多さを見せつけ、Stevenによる圧巻のドラムソロを挟んで「RaDiO sTaTiC」へ。縦横無尽に展開していくリズム隊と、ギター&シンセが織りなすドープなアンサンブルが脳を直撃する。気づけばライブもラストスパート。

「こういうバンドに付いてくれるお客さんはパイオニア!  一番イケてる奴らは、最初にカッコイイことしたやつらだから。ノリ方はそれぞれ自由にやってくれていいと思う。だけど、もし歌いたくて歌えないとか、踊りたくて踊れないとか、迷っている人がいるなら、自信持って思いっきり遊んじゃってください!」

 Reiの力強いメッセージとともに、「Lake」、「What We Wanted」とたたみかけ、美しくも壮大な「July」で本編は終了。アンコールでは新曲「Wide Bright Eyes」を披露し、サビのシンガロングで会場が一体となって、この日のライブは幕を閉じた。

 ロックバンドとしての不敵な「色気」と、最先端でありつつどこか懐かしい楽曲、そしてMCで時おり見せるユーモラスで親しみやすいキャラクター。様々な側面を持つ彼らの魅力が、余すところなく凝縮された濃密なステージだった。

(文=黒田隆憲/写真=kaochi)

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