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(C)Marc Roger

ラ・フォル・ジュルネ2019への道 〜ナントでの開催概要 その1〜

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18/12/5(水) 0:00

日本においては、先月「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO」2019(LFJ2019)の開催日程とテーマのみが発表されたところだが、音楽祭発祥の地であるフランスのナントでは、早くも音楽祭の詳細を発表する記者会見が行われた。
ナントでの開催は2019年1月30日から2月3日までの5日間。ナント市最大のイベントだけに、早くもチケット争奪戦の気配が漂い始めている。
以下、現地ナントでアーティスティック・ディレクター、ルネ・マルタンが語った「ラ・フォル・ジュルネ・ナント2019」の開催概要を紹介しておきたい。

2019年のテーマは「旅のアルバム」。先日発表された日本開催のテーマ「旅から生まれた音楽(ものがたり)」とは微妙に言い回しが異なるが、基本的な内容はほぼ一緒。いつの時代にも、作曲家たちは新たなインスピレーションを求めて異国の地を目指しました。彼らは、異文化から吸収したさまざまな刺激を、自分たちの創作に取り入れたのです。音楽祭の中では、作曲家たちの旅の軌跡を多彩なプログラムと共にご紹介というわけだ。
以下は、当日の会見で発表された公演概要の一例だ。

1.モーツァルト(1756-1791)家の“大旅行”

モーツァルトは少年時代から父レオポルドに連れられてヨーロッパ中を旅し、 多くの王侯貴族や作曲家と出会った。それらの経験からたくさんの作品が生まれた。 *“大旅行”つながりでは英国貴族の若者たちが見聞を広めるために欧州各地を旅した「グランドツアー」をテーマに、アンサンブル・マスクとオリヴィエ・フォルタン、役者による素晴らしい企画がある。

2.リスト(1811-1886)

現代のロックスターのような存在で、各地を演奏してまわった“旅人”だ。 実は、伯爵夫人とスイスに駆け落ちした後が作曲家としての全盛期で、旅を子ながら「巡礼の年」などの名作を数多く遺す。

3.メンデルスゾーン(1809-1847)

7歳の頃のパリ旅行から始まり、イタリア、スコットランド、イギリスなど各地を旅して、その印象を音楽にしている。さらには、素晴らしい風景画も多数残した画家でもあった。

4.ベルリオーズ(1803-1869)

各地を旅してまわり、そこから得たインスピレーションによって「イタリアのハロルド」などの名作を生み出だす。特にロシアではリムスキー=コルサコフ、ボロディン、ムソルグスキーなどの若いロシア人作曲家たちに影響を与えた。

5.サン=サーンス(1835-1921)

クラシック史上最も多く旅をした作曲家。22歳で初の海外旅行に出て以来、アルジェリア19回、エジプト7回、スペイン12回などなど。旅をしない間もパリでホテルに住むなど、ある意味ずっと旅をしながら作曲をしていた人物だ。

6.アレクサンドル・タンスマン(1897-1986)

今回特にとりあげたい作曲家のひとり。ソリストとして世界中をまわり、中国や日本、インドなども訪れた。インドではガンジーの家に滞在していたこともある。遺された作品は数百を数え、「Le tour du monde miniature(ミニ世界旅行)」という曲集や、イスラエルをテーマにした管弦楽曲、子ども向けの曲集などにも注目したい。

7.ジャン・ルイ・フロレンツ(1947-2004)

世界的にほとんど取り上げられていないこの作曲家をこの機会にぜひとりあげたい作曲家だ。作品数は決して多くはないが、アフリカや中東を25回も旅シながら遺した作品は、エチオピアの宗教音楽に影響を受けた作品などインパクト大。オルガン奏者であったため、特にオルガン作品が素晴らしい。今回初めての取り組みとなるが、ナントの大聖堂でもコンサートを予定。
まさに、世界的にほとんど演奏されていない作品を上演できるのがLFJの強みだろう。

8.航海士の作曲家たち〜リムスキー=コルサコフ、クラ、ルーセル等

海軍に所属していたリムスキー=コルサコフ(1844-1908)や、ルーセル(1869-1937)のほか、ほとんど一生を海軍士官として過ごし、船室で作曲活動を行いながら「航海日誌」という面白い作品を遺したクラ(1879-1932)などに注目する。

さらには、ルネサンス~バロックや19世紀、20世紀の様々な作曲家をとりあげるというから楽しみだ。さてさて、日本開催やいかに!

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