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高橋一生は異性に翻弄される“ヒロイン”のよう? 『東京独身男子』にみぞみぞする3つの理由

リアルサウンド

19/5/11(土) 6:00

 高橋一生、斎藤工、滝藤賢一が扮する、あえて結婚しない“AK男子”たちが、恋愛と結婚に奮闘するドラマ『東京独身男子』(テレビ朝日系)。現在放送中の本作に対して、“みぞみぞ”している視聴者が多いのはなぜなのだろうか?

※みぞみぞ……ドラマ『カルテット』(TBS系)での造語。モヤモヤ、ドキドキ、イライラなど、感情が微妙に動かされる状態

■原因1:“AK男子”というより“KD男子”

 このドラマでは、主要の男性3人……メガバンクに勤務する石橋太郎(高橋一生)、審美歯科クリニック院長の三好玲也(斎藤工)、法律事務所のボス弁・岩倉和彦(滝藤賢一)は、仕事も私生活も充実しており、何でも1人で事足りる「あえて結婚しない男性=AK男子」という設定で始まった。

 ところが、こんなキャッチーな造語まで作ったのに、すでに第1話目のラストには、太郎と和彦は単に「好きな人と結婚したいのにできない男子=“KD男子”になってしまっているのだ。

 今までにも独身貴族の男性を描いたドラマは、いくつも作られてきた。例えば、阿部寛主演のドラマ『結婚できない男』(2006年/フジテレビ系)や草彅剛主演のドラマ『独身貴族』(2013年/フジテレビ系)は、“結婚に興味がない、独身主義の男性”がヒロインを好きになり、最終回に向けて段々気持ちが変わっていくストーリーが描かれていた。

 これらの独身貴族たちからは、「結婚できないのではなく、結婚したくないのだ」という強い意思が感じられていた。だから、このドラマでもそういう自らの意思で独身を貫いている“独身貴族キャラ”を期待していた視聴者にとっては、ちょっと裏切られた感を抱く人もいるのだろう。

■原因2:太郎は、“乙女男子”?

 主人公の太郎が歳相応の大人の男性ではなく、これまでの恋愛ドラマで描かれてきた“ヒロイン”のようで、子どもっぽいところがあるのも、みぞみぞさせる原因となっている。

 恋愛ドラマの定番と言えば、「ちょっとダメなところがある20代の女性主人公が、クールな男性に恋をするも、相手の不可解な言動に右往左往するパターン」が多いものだが、そんなラブコメを“38歳の大人の男性が主人公”のバージョンとしてやっている感があるのが、このドラマだ。

 それで言えば、太郎は忘れられない元恋人の舞衣(高橋メアリージュン)にまんまと振り回されている。舞衣は、道端で急に太郎にキスしてきたかと思えば、糸井立樹(早乙女太一)との婚姻届の証人を頼んだり、はたまた思わせぶりの温泉旅行に誘ったと思ったら、今度は糸井とのウエディングパーティーに招待したりと、太郎の気持ちなんてお構いなしの自分が中心に世界が回っているタイプだ。

 おそらく良識ある大人の男性であれば恋愛相手にしないであろう、そんな小悪魔に振り回されてしまうところに、太郎のラブコメの主人公らしい“乙女感”があるのだ。

 さらに太郎は、自分がアラフォーのおじさんであるにも関わらず、まるで白馬に乗った王子様を待っているお姫様のように、結婚に夢を見がちだ。この“大人の男の乙女らしさ”というミスマッチに、みぞみぞする人は少なくないだろう。

■原因3:恋愛コラムにおける定番テーマ

 ドラマでも取り上げている「別れた恋人とやり直したい」「二番目に好きな人と結婚した方が幸せ?」といったテーマは、巷にある恋愛コラムにおいても定番だ。つまり、同じような状況で悩んでいる人は多いため、そういう人にとっては主人公に感情移入するからこそ、こじらせた言動ばかりをする太郎にみぞみぞするところもあるだろう。

 ちなみに第三話では、三好の妹・かずな(仲里依紗)に好意を寄せられている太郎が彼女に、「君はぶっちぎりの2番(目に好きな人)だから、付き合おう」と前代未聞の最低な告白をして、かずなに目をパチクリされていた。まさに大人の男として“ダメ太郎”だ。

 テレビドラマの楽しみ方は人それぞれであり、不完全な主人公を「人間らしい」と面白がれる人もいれば、逆に「主人公への共感」や「魅力のある主人公への憧れ」がそのドラマを見続けるモチベーションになる視聴者もいる。後者タイプの人にとっては、今回のようなダメ男の主人公の言動に、みぞみぞ(イライラ)せずにはいられないだろう。

それでも個人的には、太郎が今後どうなるのかが気になって仕方ない。それは、彼が不器用ながらも一生懸命幸せな未来を追い求めているからだ。すっかり虜になってしまった『東京独身男子』に、これからも目が離せない!(文=コラムニスト・ひかり)

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